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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第三章 天才魔術師の三歩目
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天才魔術師、邸内探索をする

 翌日、学院の授業を終えると真っ直ぐ邸に帰ってきたレオナルドとレティーツィアは着替えだけ済ませると玄関ホールに集合していた。帰宅したはずなのに玄関ホールにいる二人を邸の使用人たちは不思議そうにしながらも特に声を掛けることなく横目でチラリと見てはそのまま仕事に戻っていく。


「ここには光源の魔導具が幾つかあるだけかな 」


「そうね、それ以外は無さそうね 」


 彼らは昨日話したように邸内の魔導具探しを遂行すべく玄関ホールに居た。しかし、二人はあまり魔導具に詳しくなかった為、どれが魔導具なのか正直良く分かってなかった。

 レオナルドは侍従であるジャンとレティーツィアは侍女であるリーザと共に邸内の探索をする事にした。玄関ホールからふた手に別れて邸中の魔導具を調べるつもりであった。

 レオナルドとレティーツィアの会話を受けてジャンが玄関ホールの魔導具について軽く応える。


「そうですね、ここにあるのは光源の魔導具のみです 」


「ならここからは別行動だね。僕は西側を回るからレティは東側をお願い 」


「分かったわ。周り終わったら応接室にいるわ 」


「うん、じゃあまたあとで 」


 お互いの探索する方へと足を向ける。

 レオナルドが最初に訪れたのはパーティー等を開催する際に利用する大広間。南側に大きな窓があり庭が見えるようになっている。庭に出る前にテラスもありテラスは雨天でも利用できるように屋根が付いている。


「この部屋は光源の魔導具の他にはどんな魔導具があるの? 」


「こちらのお部屋ですとテラスの所に(とばり)の魔導具があります 」


「帷の魔導具ってどんなの? 」


「帳の魔導具は主にテラスを利用する際に雨や風が吹き込まないようにする為の魔導具となっております。

 起動すると透明な結界が起動して雨風を防いでくれます 」


 テラスに移動しながらジャンが魔導具について説明をする。実際に帷の魔導具を起動すると何やら薄い幕のようなものがテラスの屋根から下りてきた。


「なるほどね 」


 レオナルドは実際に下りた結界に触れてみるが弾き返されることなく簡単に向こう側に指が抜けてしまう。雨風を防ぐだけの結界のようだ。


「他には時告げの魔導具、()だまりの魔導具ですかね 」


「陽だまりの魔導具? なんだか眠くなりそうな名前だね 」


「陽だまりに居るかのような快適な室温を保つ為の魔導具なので確かに眠くなるような室温かもしれないですね 」


 壁際に置いてある少し大きめの魔導具の側へと歩きながらジャンは説明を続ける。陽だまりの魔導具を動かすと風が出てきている。寒い時は温かい風が、暑い時は冷たい風が出るようになったいるらしい。

 ジャンに案内されるままレオナルドは邸の東側にある魔導具を次々と確認していった。



 レオナルドと別れたレティーツィアはリーザを伴って使用人が使うエリアに来ていた。普段訪れることの無いエリアに興味深げにキョロキョロと辺りを見回すレティーツィアをリーザは苦笑しながら案内していた。

 すれ違う使用人は普段見掛けるはずがないレティーツィアの訪れに一瞬目を見張りつつも直ぐに通常通り仕事をこなしていく。


「この辺りは初めて来たわね 」


「普通は訪れることの無い我々使用人が使う場所ですからね 」


「まぁ、そうよね 」


 リーザがレティーツィアを伴って訪れたのは洗濯部屋。普段は朝から昼にかけて下働きの使用人が邸中で出た洗濯物を一気に洗っている場所である。


「まずはこちらの部屋ですかね。

 こちらは服やシーツなどを洗濯する為の場所です 」


「ここにはどんな魔導具があるのかしら 」


「ここで最も使うのは乾燥(かんそう)の魔導具ですね。

 手洗いしたものを乾かすための魔導具です。

 晴れた日は乾燥の魔導具を使用した後に天日干しにします 」


「洗濯自体は魔導具で出来ないのかしら? 」


「そうですね、研究はされているようなのですがあまり洗浄力がようないようで商品化まではされていないようです。

 手揉みで洗うのが一番綺麗になるようです 」


 リーザの説明を聞きながらレティーツィアも次々と魔導具を確認して邸の東側を周っていく。

次回更新

5月23日

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