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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第三章 天才魔術師の三歩目
33/40

天才魔術師、邸に帰る

本日2話目

『天才魔術師、工房長とお喋り』から先にお読みください

2/2

 レオナルドとレティーツィアが帰るとドクトリナの邸で筆頭執事をしているオーブリーが笑顔で二人を出迎えた。但し目は笑っておらず、怒気を纏っていた。


「レオナルド様、レティーツィア様、お帰りなさいませ 」


「た、ただいま 」


「予定の時刻よりも随分と遅いお帰りですね 」


「え、ええ。友人と一緒に昼食をいただいてきたの 」


 二人はオーブリーの迫力に引き攣った笑顔を口許に浮かべながら無意識の内に一歩後ずさる。


「ええ、御者からお伺いしております。

 お二人が告げるだけ告げてそのまま逃げるように学院を去っていったと 」


「あー…… 」


「あー、ではありません。何をお考えなのですか?

 お二人の身に何かあったらどうするおつもりです。

 我々の首を物理的に飛ばしたいのですか? 」


 オーブリーはその顔から表情を消すと真顔のまま淡々と二人に問い掛ける。

 勿論今日も二人にはこっそりと護衛がついていたが、目に見える護衛を連れているだけでも防犯に繋がる為、最低限の護衛を連れていくようさせなければならない。


「まさか! そんなつもりは全然無くて…… 」


「そうなの。ただ始めて出来た友人ともっと一緒にいたくて…… 」


 二人は慌てて首を横に振ると視線を彷徨わせながら理由を告げる。だんだんと声は小さくなり視線は完全に下を向いてしまった。しゅんとうつむく二人にオーブリーは大きく溜め息をひとつ吐く。


「今後このような事は無いようにお願い致します。

 お出掛けなさる時は護衛を連れていき、お二人だけで行動なさらないように。

 勿論、ご友人を連れているから二人ではないと言うのは聞きません 」


「「……はぁい 」」


 二人が反省している様子を確認して、オーブリーは刹那の間苦笑を浮かべたがすぐにその表情を笑顔に変え、改めて二人に声をかけた。


「改めてお二人ともお帰りなさいませ。

 ご無事に戻られて安心致しました 」


「「ただいま戻りました。心配掛けてごめんなさい 」」


 双子が生まれた頃からずっと共にいる為オーブリーは時に厳しく接するが、愛情深い。その事を二人も理解している為素直に謝罪をした。


「さぁ、もう間もなく夕飯になりますのでお召し替えをしておいてください 」


「「はぁい 」」


 学院の制服のまま街に出た二人を自室へ下げ、オーブリーは仕事に戻っていった。



 レオナルドとレティーツィアは制服から着替える為自室に向かいながら邸内の魔導具へと視線を向けていた。今まで全く意識したことがなく気付いていなかったが、邸の中にも魔導具があった。

 玄関ホールには光源の魔導具が。ルーカスの工房にあったものよりも比較するまでもなく豪華だが、恐らくものとしては同じ設置型のものだろう。玄関ホールにはいくつか光源の魔導具があり、最も目立つのは灯りひとつで部屋全体を照らすのではなく小さな灯りを沢山集めた豪華な作りのもの。ガラスで反射させ、キラキラと輝きを放っていた。

 廊下には等間隔に光源の魔導具が設置され、夜でも邸中が明るく照らされるようになっていた。


(ウチ)にも魔導具あったね 」


「今まで気にしたこと無かったわね 」


「明日、邸の中で魔導具探してみない? 」


「それ良いわね 」


 きっと知らないだけで沢山の魔導具があるのだろうとレオナルドとレティーツィアは未だ見ぬ魔導具にワクワクと胸を高鳴らせていた。

 明日は学院の後寄り道せず帰宅して、再度邸の中を魔導具探して隈無く探検して回る予定を立てて各々自室に入り制服から私服へ着替えて夕飯の準備が整うのを待つことにした。

次回更新

5月20日予定

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