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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第三章 天才魔術師の三歩目
32/40

天才魔術師、工房長とお喋り

すみません、前回予定日に更新出来ず……

本日もう1話更新します

1/2

「そーいや、今日入学式だったのか。入学式おめでとう。

 お前らは入試組?それとも魔術組? 」


「全員魔術組ですよ 」


 王立魔術学院に入学する者たちは2つのグループに分けるられる。魔術適性無しで試験を受けて入学した者たちを入試組、魔術適性有りで入学が決まった者たちを魔術組と言う。

 基本的に授業はどちらも混合で行われるが、授業に魔術の実技を受けられるか否かに違いがある。魔術適性無しの場合でも座学で学ぶような魔術基礎や魔術言語の授業は受講可能である。

 今まで行われてきた魔術研究についてだったり、魔術の発動理論については学ぶことが可能である。実技に関しては魔術適性有りの者のみ受講が可能となっている。


「なら全員魔導具製作の授業も受講出来るな。興味があれば是非受講してくれ 」


 ルーカスはとても愉しそうに三人に魔導具製作の受講をお勧めしていた。実際に魔導具を作る授業の為、製作の過程で魔力を使う。その為魔術適性が無いと受講出来ない。


「魔導具製作ですの? 」


「おう、今日紹介したような魔導具を実際に組み立てる授業だな。

 魔導具は魔術適性の無い非魔術師も日々の生活を楽に出来る。

 皆が平等に使える道具だからひとつでも多くの魔導具が世に出れば

 その分日々の生活を便利に出来るって訳だ。

 世の為人の為、ってな 」


「平等に、ですか…… 」


「ま、まだまだ魔導具は高いから多くの庶民の手には渡ってないものも多い。

 だが昔に比べればだんだんと魔導具の値段も下がってきている。

 発売したばかりのものはまだまだ高いが……。

 それでも庶民には絶対手が届かないって時代ではなくなったからな。

 ひとりでも多くの人間が魔導具製作について考えれば

 より値段を下げる何かを発見出来るかもしれないからな 」


 ルーカスは貴族向けではなく庶民向けの魔導具をメインに考え、製作している魔導具師である。魔導具は用途に合わせて魔石に魔方陣を刻み、魔導回路を引くことによって条件付けをしていく。

 魔石が大きいほどそこに貯めておける魔力量は多くなる。故に大きな魔石を必要とする道具程値段は高くなる。魔導回路の効率化などにより小さな魔石で動くようになれば値段も下がる。

 庶民にも手が届く魔導具にする為には、魔導効率を上げる必要がある。ひとりでも多くの魔導具師で考える事で効率化出来る確率を上げたいとルーカスは考えていた。


「魔導具の可能性は無限大だからな!

 いつか庶民の家も魔導具で溢れて便利な生活を皆が送れるようにするのが俺の夢だ。

 夢は大きく持たねーとな! 」


「可能性は無限大…… 」


 レオナルドとレティーツィアは何かを考えるかのように真剣な顔でキラキラと輝く瞳で思い描く未来について語るルーカスの話を聞いていた。


「そ、何事も出来るって思ってりゃいつかは出来るもんだからな。

 諦めなけりゃいつかは叶う、ってな 」


「諦めなければ叶う…… 」


「へー、あんたスゲェな。俺には無理だわ 」


 俺は考えんの苦手だからなぁとニコラは苦笑しながら言葉を紡いだ。


「ま、無理にとは言わんさ。無理強いしたい訳じゃないからな。

 あくまで興味があれば、だな。だから難しく考えんな 」


 ルーカスは呵呵と笑いながらニコラに告げる。その時、時告(ときつ)げの魔導具がカラーンと鐘を鳴らす。


「おっと、もうこんな時間か。お前ら時間平気か? 」


 夕の鐘の音を聞きルーカスが声を掛けるとレオナルドとレティーツィアはハッとしたように慌て出す。


「あ、僕らそろそろ帰らないと 」


「そうですわね 」


「だな、そろそろ帰らないと寮の夕飯食い逃すわ 」


 慌てて帰り支度をしながら各々口を開く。


「ルーカスさん、また来ても良いですか? 」


「おう、いつでもどーぞ 」


「また来ますわ 」


 ルーカスにまた来ることを告げ、三人は少し早足で工房を後にした。

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