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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第三章 天才魔術師の三歩目
31/40

天才魔術師、初めての魔導具工房

12時過ぎてしまいすみません

 商品を鞄に入れる手を止める事なく、青年店主はニコラへと笑顔を向けた。


「これは黒魔術を使って作った鞄なんだよ 」


「作った……? え、ここの魔導具お兄さんが作ったんですか? 」


 レオナルドは吃驚したようで、目を見開きながら次々鞄にしまわれる商品と青年店主を交互に見ていた。


「そうだよ、俺は魔導具工房の工房長だからな。

 まぁ、従業員も俺だけだけどな。良し、行くか 」


 商品を片付け終え、敷き布も全て鞄に収めるとこっちだと言って青年店主は早速歩き出した。レオナルドたちも青年店主の後を追い、露店通りから路地に入ると人通りがガクンと減った。そのまま少し歩くと青年店主がひとつの建物の前で足を止めた。


「さ、ここだ。ようこそ、バスラー工房へ! 」


 店の鍵を開け、鉄製の重い扉を開ける。中へ入ると店の奥にはカウンターがあり、その後ろにはもうひとつ扉が、店内には先ほど露店にあったのと同じ商品だけでなく、もっと大きなものまで置いてあった。

 店には窓がなく、店内は薄暗い。青年店主がスタスタと店の奥へと歩いていき何かを操作すると突然店内が晴れた日のように明るくなった。


「わっ?! 」


 ニコラは驚きに声を上げる。レオナルドとレティーツィアも驚きはしたが声には出さなかった。


「これも光源の魔導具ですの? 」


「そ、これは光源の魔導具で設置型。主に室内用だな。

 壁や台の上に魔石を固定して光源を指定の位置に出すようになってる。

 だから魔石の位置を変えると光源の位置も変わっちまうんだよなぁ。

 魔石は動かせないように壁に付けるのがおすすめだな 」


 露店にあった光源の魔導具との違いを教えてくれる。改善点が一緒に出てくるのは常に魔導具の事を考えているからで、無意識のようだった。


「さて、折角店まで来て貰った事だし自己紹介でもするか。

 俺はルーカス・バスラー。ここバスラー魔導具工房の工房長をしている。

 実は君たちの先輩だ 」


「先輩? 」


「そ、俺も王立魔術学院の卒業生だからな 」


 三人の制服を見ながら青年店主、ルーカスは笑った。


「僕はレオナルド・セラフィーニです。今日から学院生です 」


「私はレティーツィア・セラフィーニですわ。私も本日入学しました 」


「俺はニコラ。俺も二人と一緒で今日から学院に通ってる 」


「おう、新入生か。よろしく 」


 簡単に自己紹介をして店内の魔導具を見ながらルーカスに質問をしていく。あっちの魔導具は、こっちの魔導具はと双子は次々質問を投げる。ルーカスを特に嫌がる事なく、寧ろ楽しそうに双子の質問に答えていた。

 ニコラも普段はあまり目にしないような魔導具の説明は聞きつつ、知っている魔導具の説明は聞き流し、それぞれその時間を楽しんでいた。




「ちっと休憩するか 」


 ルーカスは質問が途切れたタイミングで声を上げた。そのまま店奥のカウンターに入り、その更に奥にあった扉を開け、三人を呼ぶ。扉の先は魔導具を作成するための作業場になっているようで、店内よりも少し大きいくらいの部屋になっていた。

 部屋の隅に小さな応接スペースが作られており、二人掛けのソファーが二脚とローテーブルが用意してある。そこに三人を座らせるとルーカスは簡易キッチンで湯を沸かし、お茶を入れ始めた。

 レオナルドたちは工房内を物珍しそうに眺めながらルーカスを待った。ルーカスはお茶を入れ終えると四人分テーブルに置き、木のスツールをどこかから運んできて一緒に座った。


「粗茶ですが、どーぞ 」


「「「有難う 」ございます」」

次回更新

5月14日予定

12時にアップ出来るよう頑張ります

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