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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第三章 天才魔術師の三歩目
28/40

天才魔術師、初めての屋台飯

 テーブルは無いのでそれぞれ自分が食べる為に買ったものを手で持っていた。レオナルドとレティーツィアはそれぞれ宣言通り牛カツサンドとクレープを。ニコラはレオナルドと同じく牛カツサンドにしていた。飲み物はニコラおすすめのフレッシュジュース。レオナルドはオレンジ、レティーツィアは桃、ニコラはグレープフルーツにした。

 各々、食前のお祈りをして食べ始める。戸惑い無く牛カツサンドにかぶりついたのはニコラ。大きく口を空けてかぶりつくとも如何にも美味しそうに食べていた。

 そんなニコラをみてレオナルドも牛カツサンドにかぶり付く。ニコラに比べると控え目ではあったがもきゅもきゅと口を動かしその美味しさに瞳を輝かせた。とても美味しかったようで、口の中がなくなるとまた一口、また一口とどんどん口に運んでいく。

 レティーツィアはのんびマイペースにクレープを齧る。ニコラおすすめのクレープ屋台は果物やクリームの入ったデザートだけでなくおかず系のクレープも種類が豊富で迷ってしまった。彼女が選んだのは卵のフィリングとレタスとツナが入ったものでとても美味しかった。

 三人とも無言で食べ進め、最も早く食べ終わったのはやっぱりニコラだった。


「あぁ~旨かった 」


 グレープフルーツジュースを飲みながらレオナルドとレティーツィアが食べ終わるのを待つ。レオナルドはニコラからそこまで間を置かずに完食した。


「ニコラのおすすめ本当に美味しかったよ。 思わず無言で食べちゃった 」


 口の中のものを全て飲み込んで、オレンジジュースを一口飲んでからレオナルドは満面の笑みでニコラに告げた。レオナルドの言葉を聞いてレティーツィアももぐもぐと口の中のものを飲み込みながらコクコクと頷いていた。


「本当に美味しいわ 」


 二人に褒められて、別にニコラが作ったわけではないのになんだか嬉しくなって、照れてしまった。おう、と言いながら誤魔化すようにまた一口ジュースを飲み込んだ。

 程なくしてレティーツィアもクレープを食べ終わり、そのまま他愛ないお喋りをしてジュースも飲みきった。


「この後はどうする? 」


「どうするって? 」


「ん? もう帰るのか、それとも露店でも見に行くか 」


「露店を見たいわ! 」


 レティーツィアは食い気味に露店巡りを希望していた。キラキラと好奇心が瞳を輝かせていた。少し頬を紅潮させ、興奮が隠しきれないようだった。先程街に行くと言い出した時と同じような表情にこりゃ決定だなとニコラは苦笑していた。


「分かった。 何か見たいものはあるか? 」


 ゴミを捨て、露店が並ぶ通りに向かいながら視線を二人に向ける。


「どんなお店があるのかをまず見てみたいかな 」


「そうね、露店って初めてだからどんなものがあるのか分からないわ 」


「それもそうか。 この時間ならそんなに混んでない筈だからゆっくり見れると思うよ 」


 ニコラが二人を連れて向かった通りは端から向こうを見る限り両脇に店が並んでいた。店舗を構えているわけではなくシートを敷いて商品を並べていたり、ローテーブルくらいの高さの台に商品を並べていたりと出店方法は様々だった。


「わぁー…… 」


「凄い! 」


 初めて見る露店にレオナルドもレティーツィアも感嘆の声を溢しながらキョロキョロと辺りを見回していた。ざっと見ただけでもアクセサリーが置いてあったり、手作りであろう小物が置いてあったり、野菜が売っていたり、パッと見では何が売っているのか分からないものまで。実に色々なものがごちゃ混ぜになって並んでいた。


「さ、見に行こうぜ。 見るだけならタダ!

 欲しいものがあったらさっきの金で買えば良いさ 」

次回更新

5月5日予定

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