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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第三章 天才魔術師の三歩目
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天才魔術師、初めての商業ギルド

「両替? 」


 ニコラの言葉にレオナルドとレティーツィアは揃って首を傾げた。こっち、と二人を誘導しながら歩き始める。


「そ、両替。 屋台で金貨は使えないからな 」


「え、そうなの? 」


「そうなの。 屋台なんて高くてもせいぜい銅貨5枚程度だからな。

 金貨で受け取ったら釣銭用の硬貨がなくなっちまうから拒否られる事が多いんだよ。

 だから事前に銅貨に替えておく必要がある 」


 ニコラはスイスイと人波を縫うように歩いていく。チラリと振り返りレオナルドとレティーツィアが着いて来ている事を確認しながらも目的地目指してさくさく歩く。

 人混みに慣れてないレオナルドとレティーツィアはニコラを見失わないよう歩くが、どうしても遅れてしまう。ぶつからないよう、置いていかれないよう前を見据えて進んでいく。


「ここで両替が出来る 」


「ここ…… 」


 ひとつの建物の前でニコラが歩みを止めた。広場から伸びるメイン通りをまっすぐ歩いて直ぐ。メイン通りにある大きな建物。


「そ、ここ、商業ギルド 」


 ニコラの案内でそのまま中に入ると普通よりも高い天井から大きな照明が室内を煌々と照らしていた。フロアには人、人、人。大勢の人が行き交う。ザワザワと人々の声は個々は小さくとも集まって大きなざわめきになっていた。

 興味深そうに周囲を見ているレオナルドとを連れてニコラはスタスタとひとつのカウンターへと近づく。


「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でしょうか? 」


「金貨2枚の両替をお願いします 」


「畏まりました、手数料が半銀貨1枚かかりますがよろしいですか? 」


「はい、大丈夫です。手数料は両替金から引いてください。

 鉄貨10枚と銅貨4枚は必ず入れて、残りは屋台で使いやすくお願いします 」


 係員の女性とニコラがどんどん話を進めていく。レオナルドとレティーツィアは黙ってやり取りを聞いていた。ニコラが金貨を出すよう二人に告げるとそれぞれ1枚ずつカウンターのトレーに乗せ、そのまま係員に渡し両替して貰うことに。


「畏まりました。 両替いたしますので少々お待ちください。

 こちらでそのままお待ちしますか? 待合いに移動されますか? 」


「待合いでお願いします 」


「ではこちらの番号でお呼びしますので待合いにてお待ちください 」


 そのまま三人で待合いに移動して両替を待つ。その間に両替の仕組みについてニコラが二人に説明していた。暫くすると渡された番号を呼ばれ金額や硬貨の確認、受領の署名をして商業ギルドを後にした。

 手数料の半銀貨1枚をそれぞれ銅貨2枚と鉄貨5枚ずつ負担し、残りを銀貨5枚、銅貨半銀貨5枚、銅貨22枚、鉄貨5枚に両替して貰った。


「さて、何食べたい? 」


 屋台が並ぶ広場に戻ると笑顔のニコラが早速と言うようにレオナルドとレティーツィアに問いかけた。


「ニコラのおすすめは? 」


「そーだな……あそこの屋台は串焼きが旨い。 で、あっちは牛カツサンドが最高。

 飲み物はあそこのフレッシュジュースが旨い。 スープはあそこかな。

 ま、どれも俺の主観だけど 」


「僕は牛カツサンドが食べたい! 」


「私はもうちょっと軽めのものがいいかしら。何かある? 」


「軽めか……あ、じゃあクレープとか。 野菜とか惣菜が入ってるのがある 」


「私はそれがいいわ 」


 それじゃ買いに行くかと順番にいくつかの屋台を回り、ちょうど空いたベンチで昼食を食べることにした。

 レオナルドは自分のハンカチをベンチに敷いてレティーツィアをどうぞ、とそこに誘導し、ありがとうとレティーツィアは笑顔でそこに腰掛けた。ニコラはそんな二人のやり取りに少し目を見開いて驚いていたが、直ぐに笑顔でお貴族様だなーと呟いていた。

鉄貨10枚=銅貨1枚

銅貨5枚=半銀貨1枚

半銀貨2枚=銀貨1枚

銀貨10枚=金貨1枚


次回更新

5月2日予定

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