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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第三章 天才魔術師の三歩目
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天才魔術師、時間割を考える

 ダミアンは教室を満遍なく見渡して一人一人と視線を合わせるようにして学院で最も大事だと言うルールを説明していく。大多数の生徒はその説明に頷いていたが、一部の生徒は不満そうにその説明を聞いていた。


「しかし、このルールを利用して他者を陥れようとする者はより重い罰を受けてもらう事になりますので利用しようなどとは考えないように 」


 口角を上げニッコリと笑顔を作りながらもその目は全く笑っていなかった。シーンと静まり返り誰かがゴクリと喉を鳴らした音が教室に響いた気がした。


「まぁ、真面目に勉学に励む分にはなんら問題なく楽しい学院生活を送れるでしょう。

 皆さんが楽しい学院生活を送れることを願っていますよ 」


 張り詰めた空気は一瞬にして霧散し、今度こそダミアンは笑顔を見せた。そのまま、ダミアンはプリントを配り学院生活に関する説明を続けていく。


「今配ったのは今期の授業予定です。

 必修科目は赤になっているので必ず受講してください。

 選択科目は自分が受けたいものを好きな時間に受講するように。

 受講したい授業が決まったら来週末までに学生科に提出してください。

 人数制限がある授業は締め切りが書いてあるので必ずそこまでに希望を出すこと。

 その後抽選が行われ、結果が送られてくるので残念ながら抽選から漏れてしまった場合は別の授業を選択するかその時間は授業を受けないか改めて考えてください。

 ここまでで質問がある人はいますか? 」


 「抽選の場合はどんな基準で選考されるのですか?

 先着順だったりしますか? 」


 生徒の一人が手を上げ、質問をする。レオナルドとレティーツィアも答えが気になったのかプリントから顔を上げ、ダミアンを見る。


「選考基準は授業にもよりますが先着順の授業はありません。

 面談だったりテストだったり希望を出すとどのような内容か分かりますよ 」


 レオナルドとレティーツィアは話を聞きながらどの授業を受けようかと考え始めていた。その間にもダミアンは説明を進め、あっという間に解散の時間になっていた。


「それでは今日はここまで。

 明日も始業までに今日と同じ席に着いていてください 」


 それでは解散と言う言葉と共に礼をしてダミアンは教室から去っていった。生徒たちはそのまま教室内で話をする者、足早に教室を去る者と様々だった。レオナルドとレティーツィアは明日からどの授業に参加してみようかと相変わらず考えていた。


「二人は魔術の授業受けんのか? 」


「勿論受けるよ! ニコラは? 」


「俺も受ける 」


「それなら同じ時間の授業にしない? 」


「お、良いのか? そりゃありがたい 」


 ニコラはニカッと笑顔で頷いてくれた。他に受けたい授業や必修をどこで受けるかなど話して大まかに時間割を決めていく。詰めすぎると自由時間が無くなってしまうのである程度時間に余裕が持てるように組んでいく。

 本決まりではないが明日から体験で受ける授業を決めて今日は帰ることにした。荷物をまとめて鞄に詰め込む。


「ニコラはこのまま寮に帰るの? 」


「そうだな……昼飯を食いに街に出てみるのも良いかもしれないなー 」


「街で食べるの? 楽しそうね。

 ね、レオ。 私たちも街で食べていかない? 」


「そうだね! ニコラ、一緒に行っても良いかな? 」


「俺は良いけど……お前ら街で飯食うって、大丈夫か?

 家の人許してくれるのか? 」


 ニコラは困ったように目尻を下げていた。レオナルドとレティーツィアは顔を見合わせると同じような表情(かお)で笑った。


「勿論 」


「問題ないですわ 」

次回更新

4月26日予定

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