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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第三章 天才魔術師の三歩目
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天才魔術師、クラスを確認する

 レオナルドとレティーツィアは校舎の入口脇に貼り出されているクラス表の確認に来ていた。クラス分け試験の際に事前申請しておくと結果の郵送も選べる。結果の郵送は少額ながら有料の為、平民は貼り出されたものを貴族は郵送を選ぶ事が多い。

 レオナルドとレティーツィアが郵送を選ばなかったのは、あわよくば友達が出来ないかなと思っての事だった。5歳の頃からずっと魔術にのめり込んでいた二人は、子供向けのお茶会やガーデンパーティーには興味を示さず友達を作る機会がないまま学院入学を向かえてしまったのだ。

 特に友達が居ない事で困ったりはしなかったが、兄ティベリオに友達も良いもんだぞと言われ、多少興味がわいたようだった。


「レティ、どう見えた? 」


「人が多くて良く見えないわ 」


 10歳から入学出来るとはいえ、年齢制限がない為大人になってから入学すると言う者もそれなりに多い。特に平民は一度就職してある程度お金を貯めてから入学する者も多く年齢層が貴族に比べて高いこともあり、二人には目の前に大きな壁が幾重にも重なっている状態となっていた。


「大丈夫か? 代わりに見てやろうか? 」


 困っている二人を見かねたのかレオナルドの肩を軽く叩きながら男の子が声をかけてきた。人混みの中に貴族がいると思ってもいないのかとても気さくに声をかけられてレオナルドは驚き、振り返った。


「え、僕たちですか? 」


「おう、見えなくて困ってるみたいだったから…… 」


 少し困ったかのように眉尻を下げながら、ポリポリと頬をかき迷惑だったか?と問いかけてくれていた。

 短く切られたチョコレート色の髪に臙脂色の瞳をしたレオナルドとレティーツィアよりも少し年上に見える少年にレオナルドは慌てて笑顔で言葉を返した。


「迷惑なんて……見えなくて困ってたので助かります。

 確認お願いしてもよろしいですか? 」


「それなら良かった……もしかしてお貴族様だった、じゃなくてでしたか?

 俺平民だから言葉遣いとか得意じゃなくて…… 」


「ああ、気にしなくて大丈夫ですよ。この学院内では実力主義。

 権力での上下は関係無しと聞いてますから 」


 レオナルドの言葉遣いでもしかしたら貴族かもと思い当たったのかしどろもどろになる少年にレオナルドは笑って答え、レティーツィアも頷く。二人の態度に特に怒られないと察して少年はホッと息をつき笑顔を見せた。


「良かった、俺ニコラ、よろしく 」


「僕はレオナルド、こっちは双子の妹レティーツィアです。

 よろしくお願いします 」


「レティーツィアですわ、よろしくお願い致します 」


 自己紹介を済ませるとニコラは早速掲示板に向き直り、レオナルドとレティーツィアの名前を探し始めた。レオナルドよりも頭一つ半程高い身長なので掲示板が良く見えるのか直ぐに二人の名前を見付けたようだった。


「おっ、二人の家名はセラフィーニであっているか? 」


「ええ、そうです。 名前ありましたか? 」


「おう、二人とも金組(ゴールドクラス)だ 」


「有難うございます。 ニコラは何(クラス)なんですか? 」


「俺も同じ金組(ゴールドクラス)なんだ。 こらからよろしくな 」


 クラスは全金組(ゴールドクラス)銀組(シルバークラス)銅組(カッパークラス)鉄組(アイアンクラス)の全部で四つに分けられる。特に基準は発表されていない。魔術適性でも特に分けられていないので魔術が使える者もそうでない者も入り雑じったクラス分けとなっている。


「そうなんですね、こちらこそよろしくお願いします! 」


「おう、言葉使いももっと崩しても平気だぞ?

 まぁ二人にとってはそれが普通なのかもしれないが……。

 俺はもっと気を付けた方が良いか? 」


「結構面倒だったから有り難いよ。

 言葉遣いは別に気にならないから話しやすいように話してくれれば良いよ。

 ね、レティ? 」


「ええ、私も話しやすいように話すわ。

 よろしくね、ニコラ 」


「お、ありがてぇ。 堅苦しい言葉苦手なんだよな 」

次回更新

4月17日予定

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