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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第二章 天才魔術師の二歩目
20/40

天才魔術師、まもなく10歳を迎える

 フリッツに魔術を習うようになってまもなく5年。レオナルドとレティーツィアはもうすぐ10歳の誕生日を迎えようとしていた。

 レオナルドもレティーツィアもすくすくと成長し、舌足らずだった言葉も確りと喋れるようになっていた。子供らしさがどことなく残ってはいるが、貴族の令息、令嬢として相応しい立ち振舞いが問題なくこなせるようになっていた。


「先生、王立魔術学院ってどんなところですか? 」


「ん? そうじゃな、平民から貴族まで色んな人が集まる場所じゃな 」


「皆魔術が使えるんですの? 」


 王立魔術学院は魔術適正があったものは10歳から通学必須の学院で、魔術以外にも様々な事が学べる場所になっている。礼儀作法や王国史など必修科目だけでなく、剣術や馬術などの戦闘技術、刺繍や料理、経営学、外国語、農業、医学など魔術以外にも多岐に渡る。


「いいや、魔術の適正が無い者も多く通っておるよ。

 貴族は殆どが通っておるし、平民も試験に受かれば通えるのう 」


 魔術(・・)学院と謳ってはいるが、魔術適正が無い者も試験に受かれば入学は可能である。貴族たちは社交の為に通うものが多く、ほとんどの子供たちが10歳から15歳までの間に通い始める。殆どの子息息女が入学する為、魔術学院に通ってない貴族は馬鹿にされるという事もしばしばみられた。

 平民の中でも商家や職人を目指す子供たちが入学試験を受けて通っている。試験の結果次第では授業料免除などの制度もある為、比較的門戸は大きく開かれていると言えるだろう。

 また、適正無しと判断された者でも座学だけであれば魔術について学べると言うこともあり、他国から魔術の授業目当てで留学生が訪れることもあった。


「先生も通っていたのですか? 」


「だいぶと昔の事だがの、通っておったさ。

 色んな授業があって退屈せんかったよ。

 色んな奴がおって面倒な事も多かったが……。

 まぁそれも今となっては良い思い出じゃ 」


 昔を思い出したのかフリッツは少し懐かしそうな目をして微笑んだあと、どこか虚ろな遠い目をしていた。

 レオナルドとレティーツィアは目を合わせて首を傾げた後、再びフリッツへと視線を戻した。


「もう入学の準備は出来たのかの? 」


「はい、制服の準備も入寮の為の荷造りも完璧ですわ 」


 楽しみで仕方がないのを隠しもせずキラキラとした瞳で満面の笑みを浮かべるレティーツィアとレオナルド。同じような表情を見せる兄妹にフリッツは思わず笑みを溢した。

 王立魔術学院は王都から少し離れた場所にあり、入寮する者と通学する者とに別れる。貴族と平民で一緒くたになる寮が嫌だと、学生向けの集合住宅や邸宅があり、そこを借りるものも一定数いる。

 学院周辺には武器屋、魔術具屋、食堂など大小様々な店が立ち並び、郊外には畑や果樹園、牧場など広大な土地が広がっている。辺り一帯を学園都市と呼び王都の次といっても過言でない程に栄えている場所となっていた。


「まぁ、レオとレティなら問題ないじゃろ。

 お主らの魔術の才は群を抜いておる、天才と言っても良いじゃろ。

 その年で既に魔力操作も完璧だしの 」


「有難うございます 」


 レオナルドもレティーツィアも5歳で魔力操作を習い、1年程度で完璧にものにしていた。それ以降は基本六属性の魔術を学び、実践しどの属性も問題なく使えるようになっていた。

 正に天才魔術師と言っても過言では無いだろう才能を発揮していたのだ。


「学院に行ってからも基礎鍛練は忘れずにの。

 基礎を疎かにすると全部が無駄になるからのう 」


「はい 」

次回更新

4月11日予定

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