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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第二章 天才魔術師の二歩目
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天才魔術師、初めての実践③

 魔力操作を続けているとレオナルドもレティーツィアもだんだんと顔付きが何かに耐えるかのように変わっていく。額から汗がツーと顔を伝う。


「そこまでじゃ 」


 フリッツの声を聞いた瞬間に力が抜けたかのように地面に座り込む。フリッツは二人の顔色を見て、疲労以外には問題無さそうなことを確認するとコップを取り出し、水を注ぎ、手渡した。


「疲れたじゃろ? 少し休憩じゃ 」


「……はい 」


 肩で呼吸していたレオナルドは大きく深呼吸すると疲労をにじませながら口を開いた。レティーツィアは未だ呼吸が整わず肩を上下している。

 コップを取り出したフリッツを見て使用人たちが椅子とテーブルを運び込み、おかわりの水を準備し始めた。レオナルドは立ち上がり、レティーツィアを支えながら席に着く。フリッツも使用人へと礼を伝え椅子へと腰かけた。


「魔力操作は慣れるまで大変じゃが、慣れてしまえば意識せずとも魔素を体内循環させられるようになる。

 寝ている時も勉強している時も何をしている時でも、無意識で循環出来るようにするのが当面の目標じゃな。

 なに、レオもレティも優秀じゃからなすぐに出来るようになるじゃろ 」


「先生はいまもまそをまりょくそうさで体内じゅんかんさせているのですか? 」


 用意された水を飲みながらレオがフリッツに問いかけると勿論じゃと頷く。自身の分のコップもすでに取り出しており、使用人によって注がれた水で喉を潤す。やっと息が整ったレティーツィアも視線をフリッツへと向け言葉を発する。


「まそをうごかすことがこんなにもつかれるだなんて思いもしませんでしたわ 」


「体力と似たようなものじゃの。

 走る距離にしても初めて走った時と走り込みを続けてからでは後者の方が確実に長く走れるようになる。

 魔力操作も同じで初めは魔素が重く感じて少しだけでも動かすのは大変じゃ。

 だがの、続けていればだんだんと軽く動かせるようになるし、意識せずとも体内循環させられるようになる。

 魔素の動かし方を身体に覚えさせるのじゃ 」


「「はい 」」


「初めてでこれだけ動かせておるのじゃ、将来がたのしみだの 」


「ぼく、まじゅつしになれますか? 」


「ああ、レオもレティもとっても優秀な魔術師になれるじゃろ。

 初めてであれだけ魔力操作出来ておったからのう。

 なかなか感覚を掴めず魔素を動かせるようになるまで時間がかかる事が多いからの 」


 実際に魔道具で魔素が動いている事を知覚出来ても、自ら能動的に動かそうとするとなかなか上手くいかないことが往々にしてある。何度も何度も魔道具に魔力を流してだんだんと感覚を掴んでいく者がほとんどなので、レオナルドもレティーツィアも例外中の例外である。

 フリッツは内心将来が楽しみな二人じゃとニンマリ笑顔を浮かべていた。王立魔術研究所に所属している魔術師たちは魔術馬鹿ばかりで、勿論フリッツも例外ではない。小さくても優秀な魔術師たちにわくわくと心踊らせるのは仕方の無いことなのかもしれない。


 フリッツに優秀な魔術師になれるとお墨付きをもらったレオナルドとレティーツィアは本当に嬉しそうに年相応の笑顔を見せた。魔術に興味を持ってからまだあまり日数は経ってないが二人の魔術に対する興味関心が薄れることは無かった。

 一つ知るとまた別の疑問が沸き上がり、それを知るとまた他に知りたいことが出来る。次から次へと興味が尽きず、双子の魔術への情熱はまだまだ燃え上がったまま薄れることはなさそうだ。

次回更新

3月8日予定

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