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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第二章 天才魔術師の二歩目
17/40

天才魔術師、初めての実践①

2024.4.1 誤字訂正

 初めての授業から数日。レオナルドとレティーツィアの元に再びフリッツが訪れていた。魔力操作の為の準備を終わらせて、実際に魔力操作を実践する日がやってきた。


「先生、おまちしておりました」


「おや、お出迎え有難うだの 」


 フリッツは元々彼らにフェラー様と呼ばれていたが、堅苦しいのは好かんと呼び方を改めさせていた。爺でも先生でもなんでも良いと言うフリッツを彼らは先生と呼ぶことにしていた。


「きょうはまりょくそうさをためせるのですよね? 」


 わくわくと期待と好奇心に満ちた瞳を輝かせている二人にフリッツは笑顔で頷いた。


「そうじゃな、準備が出来たからの 」


「ではすぐにはじめましょう。 こちらですわ 」


 レティーツィアは待ちきれないのかフリッツの手を引き、裏庭へと早足で歩いていく。歩幅が小さく弾むように手を引くレティーツィアを微笑ましそうに見ながらフリッツは手を引かれるまま足を進めた。


 セラフィーニ侯爵家の裏庭は、草花が整えられた表庭とは違い地面が剥き出しのそこそこ広い空き地のようだった。この家の訓練場として使われている場所なのか地面は踏み固められ、結界が張れるように魔道具まで準備されていた。

 結界の範囲外には質素な木製の長椅子と何の装飾もないテーブルがポツンと置いてあり、その側には顔を洗うためか水道があった。


「まりょくそうさのじゅぎょうはここでと母にいわれました 」


「万が一魔力暴走が起きた時の為に外で練習するものじゃからな。

 結界の魔道具まであるとは流石じゃの 」


「そうなのですか? 」


「魔道具は物にもよるが大体は高価じゃからのう。

 無いわけではないが自宅で訓練するために用意することは稀じゃな 」


 話をしながらフリッツは丸テーブルを一つ取り出し、その上に幾つかの道具を並べた。レオナルドとレティーツィアは興味深そうにその道具を観察していたが、勝手に手を触れるような事はしなかった。


「では授業を始めようかの 」


「「はい! 」」


 フリッツは早速テーブルの上に置いた道具の一つを手に取り説明を始める。


「今日は魔力操作について実際に学んでもらうのじゃ。

 魔術適性検査の時は魔道具を使って適正や得意属性、魔力量を調べたはずじゃ。

 その時に体内魔素が魔石に吸い取られた感覚があったはずじゃが覚えておるかの? 」


「なにかがふれた所からぬけた気がします 」


「わたくしもゆび先からなにかが出ていくかんじがしましたわ 」


「そりゃ僥倖。 その体から抜けた『何か』がレオとレティの魔素じゃ。

 初めてでそれを感じられるなら優秀じゃのう 」


 適性検査で魔素を関知出来る人は実はそう多くはない。魔石に流れる魔素がそう多くないからで、魔力が多い程初めてでも感じやすいと言われている。

 以前は適性検査で魔石に流れる魔力が今よりも多く、魔素を感じる人も多かったが、魔素不足による昏倒もその分多かった。特に平民は通常貴族よりも少ない事が多いため極々稀に死亡事故が発生する事もあった。その為、検査道具の改良が進み、必要魔素数が減った為関知出来る人も減っていた。


「この魔道具はその腕輪と同じような効果があるもので、より能動的に魔素を動かす事が可能じゃ。

 その為、魔力操作を学ぶ際によく用いられる。

 この魔石の部分に触れることでこの魔道具も身体の一部と仮定し魔素を循環させるのじゃ 」


 フリッツが魔石に触れると魔石がぼんやりと光を持ち魔道具が機能している事を示していたが、目に見えて魔素が動いているのは分からなかった。


「では実際にやってみるかの 」

ストックが無くなった……けど頑張ります


次回更新

4月2日予定

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