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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第二章 天才魔術師の二歩目
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天才魔術師、初めての授業④

魔術の基本説明が長くなってしまいました……

話が進められるよう頑張ります

「切りも良いし今日はここまでとしようかの。

 次は実際に魔力操作について勉強するとしようか 」


「きょうはやらないのですか? 」


「いまからやりたいですわ 」


 レオナルドとレティーツィアの手が止まった事を確認してフリッツは双子にとって初めての魔術の授業終了を告げた。質問しながら飽きさせないよう工夫されていたからか、まだまだ続けたいと望む二人にフリッツは優しく微笑みながらも黒板を綺麗にしてそのまま片付けてしまった。


「お二人ともそう焦らずとも魔術は逃げませんよ。

 魔術について初めて色々と学んで気付かずとも疲れているはずだからの、今日はこれで終いじゃ。

 それに、魔素の操作は馴れるまでとても疲れるからのう……。

 万全の状態でやらないとどのみちすぐに疲れてしまうぞ 」


「そうなのですね…… 」


「ざんねんですわ…… 」


 ガッカリといった様子を隠す事もせず肩を落とす彼らにフリッツはバレないようクスリと笑みをこぼした。


「それに魔力操作を覚えるための準備をせんといかんからのう。

 どのみち今日は無理じゃな、諦めてくだされ 」


「「はぁい…… 」」


 レオナルドとレティーツィアは不満顔のまま声を揃えて頷いた。タイミングがぴったり合うのはやはり双子ならではかのうとフリッツは内心感心したが表に出すことはしなかった。

 二人に貴族らしさを求めるにはまだ早いだろう。マナー教育自体は既に始まっているがまだまだ身に付いているとは言いがたい。けれども子供らしくいられる期間はそう長くはない。今はまだ子供らしく好奇心の赴くままのびのびと学んでくれればそれで良い。フリッツはそう思わずにはいられなかった。


「因みにお二方は魔術を学んで何を為したいのかの? 」


「なにをなす、ですか? 」


 フリッツの言葉の意味が分からず首をかしげたレオナルドに言葉を変えて再度問いかける。


「そうじゃ。 魔術を学んで何に活かすか考えておるのかの?

 強くなりたいじゃとか人の為になることをしたいじゃとか……色々あるがの 」


 フリッツの言葉にレオナルドとレティーツィアはうーんと唸ってしまった。


「とくに考えていませんでした 」


「わたくしもおもしろそうだと思っただけでしたわ 」


 正直な二人にフリッツはそうかと頷き言葉を続けた。


「それならば少し考えてみると良いかもしれんの。

 我々には貴族としての義務がある。 国は民あってこそじゃ。

 民がおらねば我々とて生きてはいけぬからの。

 民よりも良い暮らしをしているのは、我々が彼らを守る義務を全うしているからこそ受けられる権利じゃ 」


「はい、そうならっております 」


「より多くの学ぶ機会を得、より多くの知識を学べるが故に考えねばならぬ。

 民がより良い暮らしをする為に出来ることをのう。

 治安の維持の為に強くなるでも良い。

 より領地をそして国を発展させる為に知恵をつけるでも良い。

 知識は力じゃ、それをどう使うかも使う者に委ねられる。

 お二人には魔術で何を成し遂げたいのか、是非考えてみてほしいものじゃの 」


「「はい 」」


 真剣な表情で頷く二人に間違った力の使い方はしないだろうとフリッツは確信にも似た思いを抱いていた。


 そこへ見計らったかのようなタイミングでノックの音が響く。待機していた使用人がすぐに対応するとそこにはリディアが立っていた。


「おや、リディアどうかしたかの? 」


「いえ、そろそろ授業も終わる頃かと思いまして。

 フェラー様、折角なので一緒にお茶でも如何ですか?

 ネモフィラやアネモネが綺麗に咲いておりますの 」


「是非招かれようかの 」

次回更新

3月30日予定

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