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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第二章 天才魔術師の二歩目
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天才魔術師、初めての授業②

「まずは火属性の赤魔術。 これは主に熱や光に関する魔術の事を言う。 夜営の時に火を起こしたり、真っ暗な場所で光を灯したりするものじゃ。

  生活魔術とも呼ばれる事があるように、魔術の中で最も日常生活で活躍の場面が多いと言われているかの 」


 火属性の所に赤魔術、着火、点灯などの文字を書いていく。フリッツはチョークを置き、まずは指先に火を灯す。暫くそのまま火を燃やし、その後消すと今度は明るい中でも分かる程度の光を灯す。光を消し、説明を続ける。


「次に水属性の青魔術。 これは液体に干渉する魔術の事を言う。 一番簡単なのは水を出すことじゃが、水以外にも血液や汗、海水などにも干渉できる。 故に動物や魔物の血抜きをしたり、海水を蒸発させて塩を作ったりも可能だの 」


 再びチョークを持って、今度は水属性の所に青魔術、液体に干渉と書いてからまたチョークを置く。先程と同じように指先に水を出し、丸くしたり、四角くしたり、蝶にしたり形を変えてからまた水を消す。


「次に土属性の黄魔術。 これは個体に干渉する魔術の事で、地面に穴を空けたり、鉄など金属を変形させたり出来る。 土木工事に使われることが多いが稀に細工師として活躍している者もおる 」


 再び黒板に文字を書き、手本を見せるように魔術を使っていく。何処からか金属の塊を取り出し、球体や立方体、六面体などへ形を変えていき、そして何処かへと片付ける。


「そして風属性の緑魔術。 これは気体に干渉する魔術の事で、風を吹かせたり、空気を無くしたり出来る。 風を上手く操ることで空を飛ぶ魔術師もおるが、空を飛びたいのなら充分安全対策をとった上でまずは低空から始める必要があるので勝手に練習しないことじゃ 」


 風属性についてもカツカツと黒板に書き、レオナルドとレティーツィアへ向けて頬を撫でるように風を起こし、自身は少しだけ浮き上がってみせて、ふわりと着地する。


「最後に光属性の白魔術。これは様々なものを強化する魔術の事で、身体強化や治癒に使われる。 身体強化で腕力や脚力を強化したり、自らが持っている自己治癒能力を強化する事で怪我を治したり、病気を治したり出来る 」


 白魔術について書き終えると全ての属性の簡単な説明が記された黒板が出来上がる。フリッツは身体強化をかけたのか、細長い金属を両手でぐにゃりと曲げて見せた。


「このように魔術は基本六属性と呼ばれる属性に分けられておるが、あくまで我々が学びやすく、習得しやすく、研修しやすくするためのものでしかないの 」


「どういうことですか? 」


 レオナルドが首をかしげながら問う横で、レティーツィアも声には出したいないが、同じような表情で首をかしげていた。


「つまり魔術と言うのは何らかのモノやコトに干渉し事象を起こす事を言い、全ての魔術の根本は変わらない言う事じゃ。

 故に得手不得手はあれど理論上魔術に適正さえあれば全ての魔術師が全ての属性の魔術を使えると言う事じゃ 」


「むずかしいのですけれども、要はだれであってもまじゅつにてきせいさえあれば、全てのまじゅつが使えるってことですの? 」


「ああ、それであっておるよ 」


 レオナルドもレティーツィアも眉間に皺を寄せ、難しい顔をしていたがフリッツが頷くのを見てパッと顔を輝かせた。


「ならぼくも全部使えるってことですか? 」


「初めから全ての事が出来る者はいないからの、真面目に学び、真面目に修練すればきっと出来るようになるじゃろう。 どんなに難しくて、苦しくて、困難な事も諦めなければ道は繋がっておる。 努力は貴方を裏切らんじゃろう 」

次回更新

3月24日予定

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