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双子の天才魔術師、魔導具師を目指す  作者: 夜宵
第二章 天才魔術師の二歩目
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天才魔術師、先生と顔合わせ

今回から少し長めに投稿します。

 その日、セラフィーニ侯爵家の双子レオナルドとレティーツィアは朝からそわそわと落ち着きがなかった。セラフィーニ侯爵家の使用人たちは微笑ましそうに二人を横目にみながらも己の職務を全うしていた。


「少しは落ち着きなさい 」


 とうとうリディアが注意をしたが、双子はこれ幸いと母親に矢継ぎ早に問いかける。


「お母さま、まじゅつの先生はまだかしら? 」


「やくそくの時間はまだでしょうか? 」


 サンルームで刺繍をしているリディアは呆れを隠すことなくこれ見よがしに息を吐く。刺繍の手を止め、紅茶を飲んでから双子の疑問に答える。


「まだ約束の時間までは半刻(1時間)程ありますよ 」


「早めにに来てくださったりしないかしら? 」


「時間をはやくする方法はないでしょうか…… 」


 サンルームから門の方向へとチラチラ視線を向けながら逸る気を押さえられないレオナルドとレティーツィアに処置なしとばかりにリディアは肩をすくめた。どれだけ頑張ってもサンルームから門は見えないし、約束の時間までの時の流れが早まる訳でもない。


「時間はまだあるのだから一緒にお茶でもしましょう。 ほらここへ座って 」


 レオナルドはリディアの右側、レティーツィアら左側の席に渋々腰を下ろす。邪魔にならない場所で待機していた使用人が直ぐに二人分の紅茶をカップに注いだ。

 レオナルドはレモンティー、レティーツィアはミルクたっぷりのミルクティー。それぞれ好みのものが素早く用意される。朝食からあまり時間が経っていないので、お茶のお供は一口サイズのクッキーが数枚。ちょこんと添えられていた。

 紅茶に口をつけ、クッキーをかじると少しだけ落ち着いたのかホッと息をついた。レティーツィアはカップを置くとリディアに声をかけた。


「今日来てくださるまじゅつの先生はどんなかたなのですか? 」


 レオナルドも気になったのかもう一口クッキーをかじるとリディアへ視線を向けた。子供たちからの質問にリディアは少し考えてから口を開いた。


「とても博識な方よ。 以前王立魔術研究所の所長さんをしていたこともあるのよ 」


「けんきゅう所の所長さん…… 」


「そう、研究所で一番偉い人。 魔術の中で最も難しいと言われている闇属性の魔術について色々と研究していた方なの。 既に研究所は退職しているけれど、今も研究は続けているはずよ。 色々と質問してみると良いわ、きっと何でも答えてくれるから。 」


 ベルナルドが探してきた教師は闇属性魔術の権威と言われる人で、研究所を去った今でも自宅には日々研究者が出入りしていると言われている。現在王立研究所に勤めているベルナルド、リディア両名の元上司である。

 元上司と言えども当人はとても気さくな人柄で皆に分け隔てなく接し、時に厳しく、時に優しく皆に慕われ、退職を惜しまれる人望ある方だった。

 ベルナルドがレオナルドとレティーツィア二人の魔術教師を打診した際も快く引き受けてくれた。


「とても優しく、厳しい方だからビシバシしごいてもらうといいわ。 理不尽な事を仰ったり、なさったりしない方だから 」


「「はい 」」


 そなまま暫くお茶会を楽しんでいると使用人が来客を告げた。とうとう魔術の先生が到着したようだ。

 レオナルドとレティーツィアは瞳をキラキラ輝かせて、立ち上がった。二人に急かされて、リディアも立ち上がると先生が待つ応接間へと向かう。道中も双子に腕を引かれ、早く早くと急かされながら足を進めた。

 使用人がノックをして声をかけてから室内へ。リディアを先頭にレオナルドとレティーツィアが続く。


「お久しぶりです、フェラー様。 お元気そうでなによりです。 この度は子供達の教師のお話を受けてください有難うございます 」


「やあ、久しぶりだね。 リディア君も元気そうでなによりだ 」

次回更新

3月15日予定

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