すごいすごい!
応援ありがとうございます!
(エリーゼ視点)
すごいすごい!
何でかは分からないけど、凄い人からパーティーに誘われちゃった! パーティーから追い出されてどうしようかと思ってたのに本当にラッキー!
「アドゥさん、凄いのに優しいし、とってもいい人!」
私は自分の部屋に戻るなり、そう叫んだ。独り言にしては大きすぎるけど、今は仕方がない!
(だって、だって! 凄い人とパーティーが組めちゃったんだもん!)
アドゥさんのタンクとしての力は信じられないくらい高い。今はアタッカーを重視する人が多いけど、急に敵が現れた時とか先手がとれない時に頼りになるのがタンクという役割だと私は思う。
「何でパーティーを追放されたのかは分からないけど……」
でもまあ、それを詮索するのは良くないだろう。話してもいいと思って貰えれば、いつか話して貰えるだろう。
「アドゥさんとなら私も強くなれる。それには私がアドゥさんの助けになれるようにならないと……」
実はここがネックではあった。エンハンサーである私は魔法でステータスを挙げられるが、基本そこからは人任せになってしまうのだ。
(エンハンサーの固有スキルを使えば、アドゥさんだけでなく私自身のステータスも上げられるけど……)
だけど、筋力や敏捷性を上げたところで私の攻撃がアドゥさんの役に立てるとは思えない。
「どうしたら……」
私は何かヒントがないかと冒険者プレートに手をあて、ステータスを開く。すると、自分のステータス画面に見慣れないスキルがあったのを見つけた。
「このスキル、いつの間に覚えたの!?」
こ、これは!
「……私の考えている通りなら、もしかしたら私も少しはアドゥさんの役に立てるかも」
実際に確かめて見ないと分からない。だけど、今までにない可能性を見つけたことで私のテンションは一気に高まった!
「明日、ギルドでパーティー申請をしてからクエストを……あっ!」
そこで私は気がついた。いや、気が付いてしまった。
(私……まだあのことを話してない)
アドゥさんは私のことをエルフだと思ってるし、私も否定していない。だけど、私はエルフじゃない。
「パーティー申請の時にバレるよね……」
アドゥさんはどう思うかな……嫌われたら嫌だな……
※
(アドゥ視点)
「はい、では冒険者プレートを確認します」
パーティー申請に来た俺達は受付へ向かった。
(なんかエリーゼの表情が冴えないな)
俺と組むのが嫌になったのかなとか自虐的な考えが頭を過ぎる。いかんいかん、そんなことを考えても仕方がない!
「アドゥ、クラスはガーディアン、レベル五十三、種族は人間」
受付の職員は俺から冒険者プレートを受け取ると確認するように基本情報を読み上げた。
最後の“種族”という部分でエリーゼが一瞬、ビクッとした。俺が人間だと都合が悪いんだろうか。
「エリーゼさん、クラスはエンハンサー、レベル四十、種族はハーフエルフ」
ハーフエルフ? エルフじゃなかったのか?
読んで頂きありがとうございました! 次話は十六時に投稿します!