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【光盾(アイオスフィールド)】

ブクマ、ポイントありがとうございます!

 ザシュ!


 リンクソードがセシルに浅くない傷をつける。4回のバフでかなり攻撃力が上がっているため、魔人となったセシル相手でもダメージを与えられるようだ。


(もし、俺の考え通りなら、次に魔法で傷を癒そうとするはず)


 なら、やることは一つだ!


「【盾突撃(シールドチャージ)】!」

「っ!!!」


 俺は左肩の顔目がけてスキルを放つ。【盾打撃シールドバッシュ】同様、【盾突撃(シールドチャージ)】にもスタンを付与する効果があるのだ。


「アドゥっ!」


 セシルが拳に黒炎を集め、俺へと殴りかかる。だか……


 ブスッ!


 エリーゼのボルトワントから放たれた巨大な矢がセシルの背中に刺さる。すると、その拳は俺に届く前にピタリと止まった。


「今だ! 【光盾(アイアスフィールド)】!」


 これはさっき新しく得たスキルだ。ローアイアスから光の盾が七つ現れ、セシルを囲う。すると、セシルの翼と角が見る見るうちに消えていく。


「や、やめろ! やっと手に入れた俺の力が!」


 見る見るうちにセシルは人間へと戻っていく。完全に人間に戻った時、傍にはニノとシオンが倒れていた。


「終わったか……」


 ローアイアスが無かったこうはいかなかっただろうな……


「いえ、アドゥさん。まだです」


 エリーゼが緊張した声でそう呟く。一体まだ何が……


「まさか君達が神器を手にしていたとはな。ようやく合点がいったよ」


 ローガンさんだ。冒険者ギルド大長がなんでこんなところに!?


「まさか、貴方が黒幕なのですか?」


「理解が早いな……そうだ。魔道具や契約の宝珠を『銀の爪』に提供したのは俺だ」


 なっ!


「そして、奴らを魔人にしたのも俺だ」


「「!!!」」


 人を魔人にする……そんな話、聞いたことがない。だが、間違いなく学ぶことさえ禁じられている類の魔法だろう。


「一体何故……」

「そうだな……これで答えになるか?」


 そう言うが早いか、ギルド大長の姿はかき消え、代わりに悪魔の姿が現れた。


悪魔(デーモン)!? ギルド大長に化けていたのか!」


 俺はエリーゼを背にして臨戦態勢を取る。まさか、こんなことがあろうとは……


「化けていたのは正解だが、俺は魔王直属の四天王の一人。お前が倒した悪魔(デーモン)や魔人とは訳が違うぞ!」


「【光盾(アイオスフィールド)】!」


 先手必勝だ!


(セシルにやったようにやれば……)


 【光盾(アイオスフィールド)】は魔を防ぐ光の盾を生み出すスキル。この光の盾で囲めば、中に存在する魔物や悪魔(デーモン)を消滅させることが出来る。が……


 パリンッ!


 なんとローガンを囲んでいた光の盾は一瞬で破壊されてしまった!


「まさかここまでの力を持っているとは驚いたが、まだまだだ。この程度では俺には効かん!」


 そう叫んだローガンが俺に向けて突進する! 俺はローアイアスを両手で持って防御するが……くそっ! 何て力だ。とてもじゃないが、何度も耐えられるとは思えない。


「【敏捷性上昇クイック】」


 後ろにいるエリーゼがバフをくれるが、そろそろMPが尽きるはず。長期戦は避けたいな。

 

「ガハハハ! どうした! こんなものか! まだまだ行くぞ、【冥獄炎ヘルフレイム】!」


 セシルと似た……いや、それよりはるかに禍々しい炎が俺を襲う。くっ、間に合うか……


「【守護壁ガーディアンウォールⅡ】」


 すんでのところで発動させた【守護壁ガーディアンウォールⅡ】は、強化されたことで相手の攻撃力、魔力に応じて防御力と魔法防御力を上げられるようになっている。だが……


「があああっ!」


 ローガン【冥獄炎ヘルフレイム】はローアイアスの防御で減衰させた後でも俺に大ダメージを与えてきた。


(う、嘘だろ……ここまでの威力があるなんて……)


 だが、俺は倒れない。仲間を守る、それが俺の戦いだからだ!


「ほう……【冥獄炎ヘルフレイム】を食らって立っているとは。消し炭にするつもりだったのだが」


 物騒な魔法だな、全く!


「アドゥさん!」


 駄目だ! 来るんじゃないぞ、エリーゼ!


「ハーフエルフの女、お前は後だ。まずは神器使いから片付けてやる!」


 ローガンが腕を振るうと俺はまるで木の葉のように舞い、壁に叩きつけられた。


「アドゥさん、アドゥさん!」


 エリーゼか……駄目だ、早く逃げるんだ……


「酷い怪我、どうしたら!」


 エリーゼはポーションを取り出そうとするが……


「いいから……早く逃げろ」

「嫌です!」


 エリーゼが飲ませてくれたポーションはミスカルデの研究者が試作した特別製。俺の体は瞬時に癒え、HPも七割程度まで回復した。


「フハハハ! いいぞ、まだやれるか! お前には俺の計画を邪魔した罰を受けて貰わないといけないからな!」


 くそっ……舐めやがって


「駄目です、まだ立ったら駄目です!」


 ふらつきながら立つ俺をエリーゼが制止するが、そう言うわけにはいかない。奴の攻撃からエリーゼを守るのが俺の仕事だ。


「私、どうしたら……」


 おそらくエリーゼは自分には何も出来ないとか思ってるんだろうが……そんなことはないぞ。エリーゼがいてくれるから、今俺はローガンと向き合えるんだから。


「私も守りたい……」


 小声で……だが、強い意志を滲ませてエリーゼがそう呟く。


「守られるばかりじゃ駄目だ。私もアドゥさんを守りたい!」


 エリーゼがそう呟いた瞬間、ローアイアスから眩いほどの白い光が(ほとばし)った!

読んで頂きありがとうございました! 次話は明日の7時に投稿します!

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