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テンペスト・シリンダー  作者: tokusin
第二.五章
291/335

〜⭐︎〜✴︎



 ラフトポートの空にいつの間にか太陽が昇っていた。

 空の端から夜を追い払い、西へかけて深く鮮やかな洋紅(ようこう)色へ変えていた。

 太陽は昇ったばかりだ、空気はまだ熱してない、夏にしては随分と冷んやりとした風がロケットポートを駆け抜けていった。

 その冷んやりとした風に吹かれたジュディスはぷるりと肩を震わせ、少しでも暖を取るように自分の二の腕を摩っていた。


「………」


 一度目の発射が失敗に終わった彼女たちは寝ずに二度目の準備に取りかかっており、朝日が昇ったと同時にその作業を終えていた。

 ロケットポートにいた皆んなは一様に疲れた様子を見せていた、無理もない、彼女がそう指示を出したからだ。

 その中に不審な者は今のところ居なかった。

 彼女のみならず、ラフトポートの住人たちは既に侵入者を察知していた。こうも密着した場所であれば、そこはかとなく分かるものだ。カウネナナイ人でもなければウルフラグ人でもない、初めて見かけるような人相をした者はすぐに噂が広まり、「あいつなんかおかしくね?」と住人たちが囁き合い、無言で監視を行なう。

 だから彼女たちは嘘の情報を流し、半ば強行する形でロケットを発射していた、邪魔をされないように──けれど失敗に終わってしまった。


「………」


 彼女には周りには沢山の死体が転がっている。昨夜、バベルから連絡をもらってからここまで休みなしで働き続けていたから、バッテリー切れを起こしたラハムたちが山を築き、ジュヴキャッチやウルフラグの人たちがそこかしこで気絶するように眠っていた。

 そのお陰もあって何とか二度目のトライへ漕ぎつけた。ロケットポートにはロケットエンジンを装着したノラリスが屹立し、その前方には空へ伸びるレールが敷かれていた。

 赤焼けた洋紅色の空から秋らしいみ空色へ変わった時、メインポートからラハムたちが飛んできた。バッテリー切れを起こした個体を運び出し、ついで診療所の人たちもやって来て次々に倒れた人を運び出していく。

 その集団の中にウィゴーもいた。彼はジュディスを目敏く見つけて近付いてきた。


「大丈夫なの?」


「私は大丈夫、お陰で何とかなった。変な人は彷徨いてない?」


「今のところは…ナディちゃんは何て?」


「…戻らないってさ」


「そっか。そっちの方がいいかもね、ラハムちゃんはマキナだから万が一があっても大丈夫だから」


「…まあ」


 彼女がこの場にいない、いてほしかった後輩を思いながら空を見上げた。

 朝の薄い青空には、後輩の代わりに玩具のような光りを放つ一つの星があった。





 広範囲における殺傷能力を有する兵装、兵器に対して、本来であれば光学迷彩の使用は固く禁じられている。

 けれど彼らが所有する人型機はこのルールから外れていた。

 ラフトポート周辺には光学迷彩を装着した人型機が複数待機しており、飛翔体にレティクルを合わせていた。

 この場に待機を命じさせた主任者が、修理班の班長を務める男に連絡を取った。


「──配置に付いた、いつでも落とせる」


「ありがとうございます、今手続きを取っているところですので暫くお待ちください」


(可哀想に…これでこいつは降格処分だな)


 主任チームは飛翔体が発射される前から無力化するつもりでいた。昨夜はロケットエンジンのみだったが、今度は現地の人型機まで空へ上げようとしている。

 万が一、テンペスト・シリンダーの外へ出てしまったら、もう彼らの手には負えなくなってしまう。おそらく本国の部隊が派遣されてここが静粛対象になることだろう。

 各地のテンペスト・シリンダーで起こった問題を秘密裏に修理し復帰させる事を仕事としている彼らにとって、それは『失敗』と言わざるを得ない結果だった。


(悪く思うな、これもお前たちの為なんだ)


 主任チームが本国から攻撃の指示を待つ。





 今度は意識を失っていた。固い地面の感触が背中に伝わり、体の痛みを覚えた彼女が目を覚ます。


「ああ…お母さん…お母さん…」


 彼女はレガトゥムで会ってしまった、自分の母親と。生きていると確信し、いつかまた会えると信じて止まなかった母親と天国に似た場所で会ってしまった。

 抱き締められた温もりがまだ残っている、その感触が堪らなく寂しくて、一度消えてしまうともう二度と味わえないと思うと、涙が止まらなかった。

 固い地面に倒れたまま、泣いていた彼女の耳元でぶるりと何かが震えた。


「………?」


 ナディは耳元にあった物をその手に掴んだ。

 震えていたのは携帯だった。


(これは──これって私が使ってた…)


 その携帯はラハムから買った物ではなく、ナディがガイア・サーバーの幹に置いていった物だった。

 画面をタップして電源を入れ、一通のメッセージが表示された。


レイア:迎えに来てあげて


 そして一枚の写真。


「……………」


 その写真にはライラが映っていた。先程までいたレガトゥムの世界、森を抜けて、ナディが落とされたあの場所。

 青いワンピースを着たライラが号泣している写真だった、目を覆った両手の隙間から涙がぼたぼたと落ちている。

 写真を見たナディがゆっくりと体を起こした。


(自分であっちに行けって言ったくせに、どうして…)


《会いに行くべきだ、ナディ》


 ノラリスの声だ、久しく聞いていなかったが何も変わっていなかった。


《会いに行くって…またあっちに行けって?》


《違う、空に上がるんだ》


《空に上がるって…》


《レガトゥムを直接捕らえに行く、今度はもう逃げられないように》


《…………》


《準備を整った、後は君が乗るだけだ、私と共に来てほしい》


《ノラリスと一緒なら、またライラと会えるの?》


《会える。会って話をするべきだ》


《…………》


 体を起こしたナディが辺りを見回した。変わらずユーサの港を再現した場所であり、共に来ていた老人は少し離れた位置で倒れていた。胸がゆっくりと上下しているところを見るに、きっと眠っているだけだろう。

 ナディは自分が手放した携帯を強く握り締めた。


《──お父さんから貰った赤いピアスのこと、ノラリスは知っていたんでしょ、そうだと知ってて私をパイロットにしたんでしょ》


《…肯定》


《その赤いピアスならもう無いよ。それでも私なの?》


《肯定》


《…分かった。うん、いいよ、行ってあげる》


《ダンタリオンに指示を出している、彼に搭乗してここまで戻って来てくれ》


 彼女が歩き出した。

 何度も辛い思いをしたはずの彼女が再び歩き出した。

 親友とは会えなかった、けれどお別れの挨拶はできたつもりだ。

 恋人には拒絶されてしまった、けれど何かの事情があったんだとこの携帯が教えてくれた。

 母親とはもう二度と会えない、けれど愛ならこの胸にいつまでもいつまでも残り続ける。

 もう一度、

 もう一度、

 もう一度、

 何度でも、彼女は歩き出す。






TRACK 40


星に願いを〜When you wish upon a star〜






 朝日が昇った空の下、駐機されているダンタリオンの元へ彼女が走って戻って来た。

 ノラリスが指示を出してくれたからだろう、ダンタリオンのコクピットハッチが一人でに開き、ナディを迎え入れてくれた。


「──ごめん!あなたのお爺さんはまだ眠ってるから!」


「構いません、お別れのセッ──まだ想い人と会っているのでしょう。あなたを送り届けた後回収へ向かいます」


「今何て言った?「いいえ何も言ってませんよ」


 オートパイロットで離陸したダンタリオンが進路をラフトポートへ固定し、すぐさま飛行を開始していた。


「発射準備は既に整っています。ロケットエンジンで目的高度まで飛翔後、パージしてください」


「シルキー・ベルトはどうするの?」


「昨夜の試験発射は失敗に終わりました、ロケットエンジンの推進力でも突破は困難に思われます」


 ダンタリオンの速度が亜音速を超え、マッハへ移行した。眼下に広がる青い海と空が溶けるようにして後ろへ流れていく。

 ダンタリオンの報告を耳にしたナディがノラリスへ連絡を入れた。


《ノラリス!ボードも一緒に持ってって!》


《──んん?!何?ボード?というか今なの?》


《今しかないでしょ!》


 ナディを乗せたダンタリオンが絶海を越えて行く。


 一方、ラフトポートでは発射準備が整ったロケットポートに沢山の人が集まっていた。一昼夜を通して作業を続けていた人たちとラハムたちを除いて、皆んなでウルトララハムの見送りに来たのだ。

 そのラハムと言えばパイロットスーツに身を包み、色んな人から肩を叩かれ声援を貰っていた。


「頑張ってきます〜!ラハムは戻って来ますから〜!──おや?」


 ラハムは人垣の向こうで、集団となって飛ぶ仲間の姿を見かけた。皆んな慌てた様子だ。


(何かあったのでしょうか)


 ラハムズ・ユニオンの規則により、同期が義務ではなくなったので情報が入って来ない、だからラハム同士でも何をしているのか分からない時があった。

 仲間の行動にちょっとそわそわしていたラハムの所へスーパーラハムがかっ飛んで来た、そして停止することなく体当たりをかましてきた。


「──ただの交通事故!!」


「うるさい!──このあんぽんたんラハムめ〜!ラハムがセボニャンと呼ぶから交渉に失敗したじゃありませんか〜!」


「何のお話ですかラハムは知りませ〜ん!!」


 やいのやいのと賑やかにしているところへ、ジュディスが姿を見せた。

 

「む!宿敵!」


「はいはい」ジュディスはスーパーラハムを無視し、「ん」と手をウルトララハムへ差し出した。


「ジュディスさん…?」


「お願い、ノラリスを空へ飛ばして。あの時は殴って悪かったわ」


 どこからともなく「スポスポスポっ!」と、カメラのシャッター音が連続で聞こえてきた。

 

「ジュディスさん…はい!ラハムに任せてください!」


 そしてラハムがその手に応じ、ここに来てラハムと宿敵の全面的和解が成立した。シャッター音がさらにかしましくなり、二人の握手姿はすぐに全ラハムへ同期されることとなった。

 そこへ先ほど慌てた様子で飛んでいったラハムたちが戻って来た。


「──ん?何あれ」


「あれは、特個体用のサーフボード、ですよね…」


 ウルトララハムが言ったようにラハムたちは一枚のサーフボードを抱え、こちらに向かってきた。


「あんたが指示したの?」


「え?いえラハムではありませんよ?」


 ジュディスがノラリスの足をゴンゴン!と叩き、「ちょっと!アレあんたの仕業なの?!」と訊ねた。

 ノラリスから予想外の言葉が返ってきた。


「彼女が直に戻って来る」

 

「──は?」

「──え…」


「ナディからの指示だ、サーフボードも持って行けと」


 ジュディスはナディが戻って来ると聞いて心から安堵し、それと同じくらい戸惑った。

 だって、ひどい言葉をぶつけてしまったし、どんな顔をして会えばいいのか...

 一番取り乱したのはラハムだった。


「──まさかノラリスさん!ナディさんを乗せるおつもりですか?!」


「彼女でなければ務まらない」


「何を──ラハムはマキナだからこのマテリアルが壊れても大丈夫なんです──あのサーフボードでシルキー・ベルトに乗るつもりなのでしょう?!そんな危険な真似をナディさんにさせるおつもりですか!!──あの人が死んでしまうかもしれないのですよ?!」


「──もう遅い。彼女が戻って来た」


 最大速度で空をかっ飛ばして来たダンタリオンがラフトポート上空に到着し、徐々に高度を下げていった。


「あれがノウティリスの為に設えたマスドライバーです」


 細長い四本のノズルを付けたノラリスの前に、銀色に光るレールが敷かれていた。その先端は急な角度で曲げられ空へ向けられている。


「申し訳ありません、着陸できる場所がラウンドサークルの建設現場しかありません」


「いいよ!後は自分で何とかする!」


 ダンタリオンがだだっ広い建設現場に着陸した。

 付近には一つのコンテナハウスがあった。その扉が内側から開かれ、足取りが覚束ないティアマトがふらふらと出て来た。

 ナディがコクピットから出て建設現場に足を下ろす、それと同時にダンタリオンが再び離陸し、セバスチャンを回収すべく再びホワイトウォールへ向かって行った。

 排出された熱風に煽られ、二人は髪を大きく乱れさせながら数ヶ月ぶりに顔を合わした。


「ナ、ナディ…げ、元気に、なって、よ、良かったわ…」


「カマリイちゃん…ほんとにごめん、それと料理美味しかったよ」


 ティアマトがナディのお腹にしがみ付き、そして彼女も小さなお母さん天使の体を抱き締めた。

 ナディから離れたティアマトがラハムたちを呼び寄せ、彼女のサポートをするように指示を出していた。

 複数のラハムがフットペダルが付いたロープを持ってナディの元にやって来た。


「──戻って来るのよね?」


「当たり前だよ、死んだりなんかしない」


「分かった。──ラハム、彼女をここから下ろしてあげて」


「分かりました〜!」びゅ〜ん!とラハムたちが先を行き、ナディはその後に続いた。

 うんと広い建設現場にはいくつかの足場が組まれ、既に建物を建て始めている所もあった。ナディはその様子を横目に入れながら、ラハムたちの後を追いかける。

 やがて建設現場の端に辿り着いた。その高さは三〇メートルもあり、メインポートに密集するように建ち並ぶ家々もここから見ることができた。

 あの柱だった、ナディが引き篭もっていた家から見えていた柱の内の一つに、彼女は今立っていた。

 ラハムが「このペダルに足を乗せてください〜!」と言い、ナディは言われた通り片足を乗せて両手でロープを持った。


「行きますよ〜!!」


 ラハムたちがロープを引っ張り上げ、ナディを宙に持ち上げてそのまま降下していった。

 強い風がびゅんびゅんと吹き抜けている、耳元がごうごうとうるさく、それでもナディはラハムにお礼を伝えた。


「──ありがとう!その、お弁当も!今までごめんね!」


「いいえ!ラハムたちはあなたが元気になるのをずっと待っていました〜!」


 ラハムエレベーターが高度を落とし、海面に浮かぶイカダの道に着いた。

 ナディはすぐにロープから手を離して走り出した。


「──ありがとう!!」


 ナディを運んだラハムたちは、返礼のつもりかその場でぐるぐると旋回した。

 ロケットポートはもう目前だ、ロケットエンジンを装着したノラリスがそこで待っている。

 

 現地人の一人がロケットポートへ駆けて行く姿を主任チームは観察していた。


「あの人型機のメインパイロットだ、注意しろ」


 本国からまだ射殺許可が下りていない、主任者たちは人型機のトリガーに指をかけたままじっと待機していた。

 同じチームの別の主任者が「さっさとやりましょう」と急かしてきた。


「さっきからこの一帯をサーチングしている奴がいる、私たちの存在が露呈してしまうわ」


「案ずるな、バレたとしてもすぐにカタがつく」


 主任チームはじっと待機し続ける、待つことも仕事のうちだった。


 ナディがロケットポートに着いた。


「──ナディ!」

「──ナディさん!」


 ジュディスとラハムが彼女を出迎えたが、その表情はとても険しかった。

 ナディは走ったせいでかいた汗を乱暴に拭い、何も言わずに横を通り抜けようとしたが──


「ナディさん!どうして戻って来たんですか!」と、ラハムに止められてしまった。

 彼女は真剣に怒っていた。


「戻って来られないかもしれないのですよ?!ラハムに任せておけば良かったのに!」


 ナディが答えた。


「ラハムじゃ操縦できないでしょ!!だから私が行くんだよ!!」


「何を馬鹿な事を──「私がライラを迎えに行く、その役目はラハムじゃない!!」


 ナディは感極まって涙を流していた、悲しいからではない、感情の発露によるものだった。

 その様子を前にしてラハムはうっと言葉を詰まらせ、その隙に彼女はノラリスへ駆け出していた。

 ジュディスの横を通り抜ける、彼女は何も言ってこなかった。


「………」


(迷惑かけてごめんなさい!!)


 心の中で謝り、ナディはノラリスのコクピットへ続くタラップを駆け上っていった。


「良く帰ってきた、感謝する」


 アタッチメントデッキが取り外され、戻って来たコクピットシートにナディが収まると同時にノラリスがそう声をかけた。周囲にはまだまだ人がいるというのに、ノラリスがロケットエンジンの補助ブースターを点火した。

 途端に機体が揺れ始め、盛大に白煙を吐き出し始める。周囲にいた人たちは「逃げろ〜!」と、別のポートへ一目散になって走って行った。

 ナディはまだ泣いていた、どうして自分が涙を流しているのか分かっていない、それなのに勝手に涙が出てくる。

 ノラリスはそんなパイロットに構わず話し始めた。


「見ろ、これがレガトゥムだ、シルキー・ベルトの向こうに存在しているこの星がライラの居場所だ」


 ナディは涙でぐしょぐしょになった視界にコンソールのモニターを入れ、映像を確認した。それはチープで作り物っぽい輝きを放つ小さな星だった。その星が存在している高度は約六〇〇〇メートル、シルキー・ベルトの先にいた。


「…これを掴めば、良いんだよね」


「そうだ、物理的な接触を行なえばレガトゥムは解体される、その為にもまずは空を飛ぶ必要がある。──ラハムが言ったように戻って来られないかもしれない、それでも行くか?」


 パイロットは返事の代わりにコントロールレバーを握り締め、こくりと頷いた。

 前方を注視する、涙でまだ良く見えないが入道雲が上っていた。

 あれより高く飛べばいい、ナディはそう思った。

 補助ブースターによってメインブースターにも火が灯り、激しい振動となって機体を襲った。コントロールレバーもひどく暴れており、少しでも手を離すとそのまま飛んでいってしまいそうだった。

 ロケットエンジンには限界まで推進力を高められるよう、鋼鉄製のワイヤーロープで固定されている。そのロープが一本、また一本と推進力に負けて千切れていく。

 ナディは怖かった、本当は降りたい、でも降りたくない。

 もう腐った自分に戻りたくなかった。あのパントリーの中で泣きたくなかった。誰にも迷惑をかけたくなかった。

 ──母の愛に裏切りたくなかった。

 まだまだ涙は溢れてくる、自分でも良く分かんない、けれどナディはそれで良いと思った。

 その時がやって来た。最後のワイヤーロープが千切れ、ノラリスが空へ解き放たれる。


「──テイクオフ!」


 機体の振動がより一層増し、コントロールレバーが獣のように暴れ回った。体はコクピットシートの背もたれに叩きつけられ、上手く呼吸ができない。

 かと思えば、今度は体全体が押さえつけられた。


「〜〜〜っ!!」


 ナディが閉じていた目蓋を開けた時にはもう、ラウンドサークルの建設現場を飛び越えていた。


 主任チームが動き出す。


「──撃て──?!」

 

 しかし、撃たれたのは彼らだった。

 彼らの真上からドローンが攻撃を放ってきたのだ、形状はクリオネという海洋生物に似ていた。


「ふざけるなよ──」


 離陸したノラリスはもう既に高度を上げている、マスドライバーから天に向かって真っ直ぐに白煙を残していた。

 邪魔をしてきた存在が一体誰なのかは分からない、しかしこちらは緊急を要する。


「──離陸しろ!直接あれを墜とせ!!」


 一機、また一機と緊急離陸を行ない海面から上昇していく。

 ──だが、また邪魔が入った。

 空の端から一本の線が飛来し、先頭を飛んでいた人型機を過たず撃ち落としたのだ。


「────」


 その主任者は信じられない物を見るように口を大きく開け、眼前の光景に見入っていた。


(一体何処から──視程の範囲内に人型機は──視程外からの長距離射撃?!──ふざけるなよ何なんだここは!!)


 超長距離射撃で余所者の機体を撃墜したのは何を隠そう、射撃の腕なら神にも負けないアヤメだった。


「一機撃墜。二機目に入るから補正よろしく」

 

「私は必要なのかという」


「いいから黙ってやる!ノラリスからの依頼だよ!」


 そのアヤメはグガランナ・マテリアルの船体にアンカーを打ち込み、射撃姿勢で超長射程砲を構えていた。

 狙撃距離は五〇キロメートルにも達し、重力によって歪められる弾丸軌道は数百メートルにも及ぶ。

 けれど彼女にとっては朝飯前だった。

 そう!フレアの前で行なった射撃訓練の方がよほど緊張したものだ。

 重力補正と、後は勘と手動で良い感じに狙いを定めた機体にトリガーを絞った、放たれた電磁投射砲が遥か先にいる的へ吸い込まれていった。


「二機目オッケー。これでもう邪魔する気も失せたでしょ」


 アヤメの言う通り、ノラリスを追いかけていた残りの機体が進路を変え、逃げるようにして去って行った。


《ノラリス、余所者は追い払ったよ。あとはあなたたちの仕事》


《感謝する、アヤメ》


 ノラリスの高度は三〇〇〇メートルに達している、もう間も無くシルキー・ベルトに突入する。


「ナディ、泣いている暇はない、すぐに来るぞ!」


「〜〜〜!」ナディは目元を乱暴に拭い、涙がようやく収まった。

 澄んだ凛々しい瞳が前方を捉える、もう二度と外れないギアをがちん!と彼女が入れた。


「──いいよ!行こう!」


 どうしてあの時拒絶したのか、どうしてその後に涙を流していたのか。

 それを知るためには目の前の波を越える必要がある!ナノマシンの波が迫って来た!

 目に見えるほどの濃いうねりが前方を遮っていた、このうねりにロケットエンジンは邪魔をされて突破できなかった。


「ノラリス!ボードは持って来たよね?!」


「持って来ましたけどガチで?!」


「いいから乗る!──波に乗れ!」


 ナディがロケットエンジンの照射角度を変えつつ進路変更、真上に伸びていた飛行機雲を徐々に曲げていき、シルキー・ベルトと並走するように機体を横付けした。

 

「ライドザウェーブ!!」とノラリスが半ばヤケクソ気味に叫び、ボードをナノマシンの波に接地させた。ゴツゴツとした感触が機内にも伝わり、ノラリスの背後から盛大な赤い波飛沫が上がった。

 ノラリスはサーファーのように腰を落とし、両腕を広げてバランスを取りながらボードを操っている。ナノマシンの波は前方数キロメートルに渡って伸びており、その先にも波があった。


「乗れたのは良いけどこっからどうすんの?!まさか波を感じるとかこの場で言わないよね?!」


「進む!直進あるのみ!」


 ナノマシンの波を突き進んでいる、そんな馬鹿げた機体を追いかける人型機の姿があった。

 数は二つ、マギリとテッドだった。


「波乗りするだなんてガチ?!あんなの見たことないよ!」


「いいから追いかけましょう!」


 二人はノラリスを斜め方向から捉え、その後を追う。彼女たちのすぐ横にはナノマシンの飛沫が上がっており、視界の隅を赤色に染め上げていた。

 ノラリスは器用にバランスを取りながら突き進んでいる、そのポージングからボード捌きは本物のサーファーのようであった。

 マギリが照準を合わせてトリガーを引く、弾丸は着弾せず波に当たった。


「アヤメじゃないんだかこんなの──アラート!──テッド!後ろから来るよ!」


 コンソールのモニターに映された機体は彼女たち同じ二機。一つは白、もう一つは赤の機体だった。

 

 ガンビットで主任チームの邪魔をしたヴァルキュリアだった。

 ヒルド・ノヴァ(ファースト)スルーズ・ナルー(ジ・エンド)が、ナノマシンの波に攫われないよう注意しながらノラリスの邪魔に入った二機と戦闘に突入する。


(嘘でしょこんなのに乗るだなんて!)


 マカナもノラリスの波乗りが信じられなかった、赤い飛沫を上げながらずんずん進んで行く。


「──マカナ!あの二機をぶっ飛ばすわよ!」


「言われなくても!」


 ヒルド・ノヴァとスルーズ・ナルーが二機へ向かって発砲する、弾丸はひどく逸れてナノマシンの波に当たった。

 

「全くもって当たらない!──射撃はマカナに任せた!私は先手必勝!」


 手にしていた可変型兵装をアンカーボルトに変え、アネモネの花がペイントされた機体へ打ち込んだ。アンカーボルトが相手機の肩部に食い込み、ヒルド・ノヴァが力任せに引っ張った。


「先手必勝ってそういう事かよ!──そっちは任せたわよフラン!」


「任されろ!」


 スルーズ・ナルーが突出し、もう一つの機体に接近、位置を入れ替わるようにしてアンカーボルトを打ち込まれた機体が後方へ流れ、コントロールを失ったのかナノマシンの波にぶつかりそのまま飲まれてしまった。

 一三の数字がペイントされた機体がスルーズ・ナルーに構うことなく、ノラリスへ追従を開始した。けれどやはりというか、荒れ狂うナノマシンの波を前にして思うように進めず、何度か波にぶち当たりやがて高度を落としていった。

 もう一つの機体も波に飲まれてしまい、そしてスルーズ・ナルーも飲まれてしまいそうになった。


「──あっぶ?!」


「マカナ!もう邪魔する奴はいない!私たちも離れるわよ!」


「──ナディ!!行って!!──飛び越えろ〜!!」


 コンソールに向かってマカナが叫び、返事が返ってきた。


「ありがとう!ごめんね!」


 そう言葉を残したノラリスがさらに波を突っ切って行く。


 ラフトポートに残ったジュディスたちはずっと空を見上げていた、だって、飛行機雲が白から赤に変わり、ジグザグの軌道を描いているのだ。

 こんな景色見たことがない、誰もが口を開けて見上げていた。


「…行ける」


 遥かな高度を飛ぶノラリスが、赤い軌跡を空に刻みながらなおも高度を上げている。


「行ける…」


 その高度は四〇〇〇メートル、レイヴンが作ったスカイシップでも越えられなかった高さ。

 その高度を今、ノラリスが駆け上がる。


「──行ける!」


 ナノマシンの波をノラリスが乗りこなしている、ジグザグに動いていた軌道がやがて真っ直ぐになり──


「──行け行け行け行け〜〜〜!!」


 ジュディスは声の限りに声援を送った、さっき話す機会があったのに、それを無視した後ろめたさもあったから。

 ノラリスの軌道が安定し、赤い飛沫が途切れて再び白煙が空に刻まれた!


「行っけ〜〜〜!!!!」


 ノラリスがシルキー・ベルトを越えた瞬間だった。

 ロケットポートから伸びる白煙が入道雲を越え、赤い軌跡をジグザグに刻んだ後、さらにその距離を伸ばしていった。


 ナディは高度四〇〇〇メートルを越えていた、波乗りに使ったボードはもう空の藻屑となって足元から無くなっている。


「もう二度とあんな事やらないからね!」


 一度目は失敗した。けれど二度目は成功させた。

 愛する人の為に。自分の為だけではない、誰かの為なら高い壁だって乗り越えられる。

 もう、ナディの前に邪魔をする物が一切無くなった。


「ノラリス!パージさせて!」


「──いいだろう!私の力をとくと見るがいい!」


 ロケットエンジンをパージ、空中で分解され、ボックスもリリースされた。その直後に中から折り畳まれたアンテナドローンが外へ飛び出していた。

 アンテナドローンの起動を確認する暇もなく、ノラリスはシャムフレアエンジンを稼働させた。

 ナノマシンが存在しないクリーンな酸素を取り込む、核融合反応と同等のエネルギーがノラリスの体内を駆け巡り、瞬間的に機体速度が跳ね上がった。


「〜〜〜!!」


「──いた!あれだ!あの星だ!──待っていたか娘っ子め!今とっちめてやる!」


 ノラリスの排気ノズルから七色の燃焼空気が排出され、機体速度がマッハを軽く飛び越えた。

 ナディたちの目前にいたエレクトロスターティックが慌てて逃げ出し、進路をヴァルキュリア本土へ向けて飛んで行った。

 その後をノラリスが追いかける。

 玩具の星はヴァルキュリアの本土を駆け抜け、ホワイトウォールへ向かい、そのホワイトウォールも駆け抜けてウルフラグへ逃走する。

 その二つの流星はヴァルキュリア本土、それからホワイトウォール、そしてウルフラグの人々の目に止まることとなった。

 北から南へかけて駆け抜ける二つの流星。まるで追いかけっこをしているかのようだった。


「見て」


「──ああ、流れ星だ…」


 二つの流星はマリーン中を駆け抜けた後、再びホワイトウォールを越えてカウネナナイ領に入った。

 玩具の星がかくんと進行方向を変え、天井へ進路を取った。


「ナディ!」


「分かってる!絶対逃さない!」


 ノラリスたちもその後を追い、玩具の星が五年前に修復した穴をぶち破って侵入。ノラリスもその穴に続き──

 二つの星が第三テンペスト・シリンダーからまろび出てきた。

 広大無辺の空がそこには広がっていた、マリーンの空など比べにもならない、入道雲だって馬鹿にならないほど大きなものだった。

 その積乱雲のすぐ横を二つの流星が行く。先行する星が西方面に進路を取り、追いかけてくるもう一つの星から逃げるように高度も上げていった。

 南下すれば赤道だ、そこからさらに南へ下るとソロモン諸島があり、そこには成層圏を突き抜ける赤道上エレベーターがあった。

 突如として出現した二つの流星を排除すべく、赤道上エレベーターから追撃用ドローンが射出された。

 無人の攻撃機である、人体への影響を考えず最大速度マッハ一〇まで出せる世界最強の『菌類』だった。

 ハワイ諸島に出現した二つの流星があっという間に北太平洋を渡り、高度は対流圏を越えようとしていた。その跡をドローンが追いかける。

 

 ナディは地球の大空を飛んでいた、けれどちっとも興味がなかった。ナディの意識は全て目の前を飛ぶ星に向けられている。


「ノラリス!距離が縮まらないよ!」


「分かっている!──あ!こいつ!この期に及んでまだ逃げるか!」


 エレクトロスターティックは絶対捕まるものか!と、何度も何度も細かく軌道を変えていた。それに合わせてノラリスたちも軌道を変えて追いかける。

 ナディ・(マザー・シュー)ウォーカー(ティングスター)はさらに頭上、宇宙空間に七色の極線が走ろうともそれに気付かず星を追いかけ、北マリアナ諸島も飛び越えてアジア大陸に入った。

 彼女たちの後方にはドローンがいる、速度はあちらの方が上、追いつかれるのも時間の問題だ。

 だからノラリスは地球の酸素を取り込み燃焼室へ叩き込み、さらにシャムフレアエンジンを輝かせた。

 極光(きょっこう)。宇宙空間に残った七色の残滓よりなお輝き、アジア大陸に住む人々の目を奪った。

 

「──綺麗……」


 ヴァルヴエンドに住むその子は、空に憧れを抱いていたから二つの流星を見ることができた。

 東から西へ一瞬で駆け抜けた流星の片方は七色に輝いていた、今まで一度として見たことがない宇宙の瞬きだった。

 七色の残滓を置いて流星が西の空へ消えて行く、その子は我に帰るまで無心で見続けていた。


 流星の速度はマッハ四〇にも到達する。世界最強と謳われたドローンにだって追いつけない、ノラリスを追いかけていた菌類は限界速度を越えた辺りから自壊が進み、ヴァルヴエンドを通り過ぎた時に爆発していた。

 マッハ四〇にも達すると搭乗者にも甚大な負荷がかかる、バックバウンド(搭乗者生命維持装置)を起動したとてそのダメージは計り知れない。


「ナディ堪えろ!これを逃したら次はない!」


「………っ!」


 ナディは耐えた。ぱんぱんに膨れ上がったコクピットの中で、挟まれるような重圧に歯を食いしばって耐えていた。

 星が近づきつつある、手を伸ばせば届きそうな距離にいた。


「──ライラっ!!」


 視界が赤く染まる、後頭部もガスバーナーを当てられたように熱い、背中から全身の血が飛び出してしまいそうだ。

 だが!家の中で引き篭もり腐っていたあの日々と比べたら!こんな苦しみ屁でもない!

 腐って、恨んで、いじけて、人の目に怯えていたあの頃と比べてちっとも苦しくなかった!

 だからナディは手を伸ばした。


「ライラ!──ライラ!」


 お願い!届いて!


「あなたに会えたことは──一番の奇跡だから!──だから!」


 愛をこの手に!

 エレクトロスターティックがこの速度で右方向へかくんと舵を切った、とてもではないがその進路は真似できない。──そこへコクピットに持ち込んだ携帯にメッセージが入った。


レイア:左だよ


 ナディは死ぬ思いでコントロールレバーを左へ倒した。背中に集まっていた血が今度は右耳に集中し、生温かい何かが流れて出てくるのを感じた。

 視界が赤から黒に転じる、人間としての限界が近付きつつあった。

 それでも諦めない!こんな所で諦めるならそもそもノラリスに乗ってなんかない!


「──ライラっ!!!!」


 彼女の叫びに応えたのか、右へ進路を取って距離を大きく開けていたエレクトロスターティックがかくんと舵を切り、ノラリスの進路と重なった。そして──

 ──バースト、二つの流星が衝突して七色の極光を弾けさせた。

 その光りは一週間(セブンス・マザー)に渡って輝き続け、地上の人々の目を楽しませたという。





 (´・Д・`)はっ!とライラが目を覚ます、ここは何処だ?私は誰だ?


「────え、何ここ、何処?え?ん?え…生きてるの私…」


 ライラの視線に飛び込んで来たのは先ず、梁が剥き出しになっている天井だった、木製だ、木で出来た家の中にいるらしい。

 固いのか柔らかいのか良く分からないベッドから体を起こし、真横にあった窓から外の景色を確かめた。空の色は青だ、ピンクではない、つまりあのヘンテコりんな世界ではない。


「え…じゃあここは…え?どうして…」


 ライラははっ!と自分の体を見やった、青いワンピースではない、レイヴンの制服である、ん?訳が分からない。

 扉の外からとんとんと、誰かが階段を上って来る音が聞こえ、ああ、レイアかと合点がいったライラがほうと肩の力を抜いた。

 かちゃりと音を立てて扉が開いた。

 ──一瞬で心を奪われてしまった。


「ライラ…」


 え、どうしてこの人は私の名前を知っているの?初対面ですよね?

 入って来た人はライラより身長が高く、そして女性である。胸は大きく腰は細く、お尻は小さい、ボンキュっキュっである、そんな事はどうでも良い。 

 髪は黒く肌も黒い、うん、初恋の人と同じ。洒落乙な人なのか、前髪の一部が白く染まっている、うん、それも良い。

 何より目だ、その瞳だ、凛々しく逞しくまるで男の人みたい、それなのに今まで見たこともない美貌を携えた人だった。

 え、いやちょっと待ってつい先日お会いしませんでした?安っぽい口説き文句が口から出てしまいそうになった。


「ライラ…」


(はう!ガチイケボなんですけど!)


 あの時はだってほら、お互い叫んでいたし、ちゃんと声を聞いていなかったしそれどころじゃなかったし、それにほら、ちゃんとよく見ていなかっし。

 イケメン美女がすぐ隣に腰を下ろしてきたからさあ大変、ライラの心臓がすぐに暴走モードに突入し、脳みそが覚醒モードに入った。連チャンばっち来い!


「私が誰だか分かるよね?あの時は逃げたけどもう逃げたりしないよね?」


(あ〜〜〜説教モードガチ神…土下座したい欲求が青天井なんですけど…)


 出会って三秒でイケボ説教されたライラの脳みそが、危ない麻薬に浸かったかのようにとろけてしまった。

 それでも我が口は動く、何故なら鉄の理性があるから!


「うん…もう逃げたりしない…ごめん…ごめんね、本当は凄く嬉しかった」としおらしく言うが頭の中は「もっと説教して!」だった。

 大人になった愛する人が、その凛々しい双眸を真っ直ぐに向けてくる。


「ライラ」


「はい…」


「愛してる」


「────」


 いやもうダメ!はい私の人生はここで終了しました、もう一生この人の奴隷です!このイケボで「愛してる」はヤバいって、一回逃げたのに追いかけて来て「愛してる」はガチでヤバいって!これにやられない女がいると思うのいるわけないじゃん!


「わ、わた、私も…あ、愛してる…」


「うん」


 いやごめんね?本当は目を見て言いたかったんだけどそれはさすがにね?心の準備ってもんが──え、顎を持ち上げられたんですけど今から何する系ですか?!キス系ですか?!

 ナディの顔が近付いてくる、愛する人の柔らかい吐息が鼻頭に当たり、その熱さに驚いたのも束の間。

 唇と唇が重なった。

 

 こうして、ライラは初恋の相手に二度も一目惚れするという滅多にない経験を果たし、念願だったファーストキスもしてもらった。

 ほんとようやくナディとライラが再会を果たした、もうほんとようやくである。

 ナディもナディで、改めて五年ぶりに再会したライラの美貌に目を奪われたという。

 何よりも、ライラの瞳に心を奪われた。

 七色の光りを携えていたから。

※次回 2023/12/16 20:00 更新


 言い訳ですが、今回アップした三話は既に書き終えていました。けれどその内容が気に食わず、2.5章を一から読み直して一から書き直しました、その為アップが一日遅れてしまいました。

 誤字脱字が多い小説で申し訳ありません、ここまでお付き合いくださり本当にありがとうございます、何とかします。

 あと、一人称視点から変えたのはこの話を三人称視点で書きたかったからです、はい、ゞマザー・シューティングスターは現実の話です。

 もう暫くお付き合いください。

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