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第52話

.深海の花嫁



 昔から妄想をするのが好きだった。

 友人の影響で映画をよく観るようになり、学生の時からのめり込むようにして映画館に通っていた。

 とくに好きなジャンルがSFだ、サイエンス・"フィクション"ではなくサイエンス・"ファンタジー"。フィクションは現実の科学技術を元にして制作されるが、ファンタジーは違う、全く存在していない技術をあたかもそうであるように魅せるものだ。

 だからこそサイエンス・ファンタジーの世界観は逸脱だ、その制作者の頭の中身をそのまま反映したかのような不思議な世界に魅了され、自分も良く妄想をするようになっていた。

 そして、その自分だけの世界が妄想の枠を超えて現実になった瞬間があった。ユーサに異動する前まで所属していた深海探査技術団で行われた潜航調査の時だ。

 水深は五八〇〇メートル、超深海層を目前とした海溝前、薄暗い平原部の中で僕は見つけてしまったのだった。

 自分だけの世界と──自分だけの花嫁を──



 ()()メールが初めて届いたのは調査が進められていた卵の報告会の当日だった。幼少の頃から使っている勉強机の上に置かれた端末が着信を知らせていた。

 けれどその日は朝から雷鳴が轟くほどの悪天候で、報告会が行われる国会議事堂まで行くのがとても億劫に感じていた。車の運転も好きではない、どうにかして濡れずに公共の交通機関を使って──と、寝起きから忙しなく頭を動かしていたのでメールの事を失念していた。

 食卓で厳格な父といつも柔和な笑みを浮かべている母とともに朝食を取っていた時に、こんな話を聞かされた。


「どうやら所属不明の特個体が存在しているのは間違いないらしいな」

 

 少し前まで、海軍本部から疑いの目を向けられていた父がそう言った。何故疑われていたのかも聞かされた。

 その件についてはどうでも良い、信教の自由は誰人にも与えられた権利だ、僕からどうこうと言うつもりはない。勧められたら勿論断るが。

 いつもと変わらない父に向かって僕は反論したのを覚えている、「特個体は深海域では活動できないはずだ」と。

 父は「その通りだ」と言った。


「だが、先日──」


 父が不意に言葉を切った。


「先日は、何?」


「──いや、採取した海水から多量のリチウムが検出されたらしい、それから少量の有機系も確認されたとか。お前の所にも声がかかるんじゃないのか」


 教えてもらった事を頭の中で組み立てながら家を後にし、一向に雨脚が弱まらない中、僕は議事堂へと向かった。

 一つの答えが出た時はもう議事堂に到着しており、弱まる気配がなかった雨脚も結局僕がバスに乗り込むまでピークだった。

 中途半端に濡れたズボンの裾を気にしながら報告会が行われるホールへと足を向ける、その途中で技術団の本部長まで努めるようになった友人と再会した。


「アーセット!やっぱりお前もこっちに来ていたか!」


「当たり前さ、新しい課長が行けってうるさくてね。それに僕も政府がどういう結果を報告するのか楽しみにしていたんだ」


「いやいや、殆どうちがやったんだぞ?行政室から直々にお願いをされてね」


「そうなのかい?ほんと大統領は口だけだな〜」


「映画のキャスト的に言えば大統領は嫌われ役か終盤で味方を裏切る悪役って相場が決まっているからな」


「そういえば、先月公開されたあの映画──」


 映画の"師"でありながら古い友人でもある彼と並んで入ったホールには、数え切れない程の人たちで埋め尽くされていた。ホールの端にはテレビカメラも設置されている。

 ホールの壇上ではプロジェクターや投影機なとが設置され、今も準備に慌ただしく奔走している人たちがいた。

 確か...漁業課の彼女を除いたセントエルモのメンバーも壇上に姿を見せていたように思う、今となっては記憶も曖昧だが、何故有人探査艇のパイロットがいないのだろうと疑問に思ったのを覚えている。

 それから程なくして報告会が開始され、テレビ画面で良く見かける大統領がスピーチを行なった。

 まず、セントエルモの献身的かつ勇敢な潜航をこれでもかと絶賛した。続いて卵の調査に加わった各機関に簡単な謝辞を述べてから後任の者に壇上を託していた。


「俺たちの扱いはこんなものさ、後でいくら税金を投入したのかと突っ込まれたくないんだろう」


 悔しそうに声を漏らす友人をよそに、調査結果の報告がなされた。

 簡単にまとめると以下のようなものだ。


・卵、あるいはウィルスと呼ばれる物質は約五〇種類近くの元素を含んでいる

・卵は陸、海、それぞれの環境に適した生態系に形を変えることができる

・卵を親機とし、その卵から生まれるシルキー(彼らがそう名前を付けた。烏骨鶏と滑らかの"シルキー"をかけている)を子機とした相互通信が認められた

・シルキーと他の物質を接触させた状態で二四時間経過すると、シルキーが他の物質に変異する

・シルキーを取り込んだ生物(実験用マウス、昆虫など)は今のところ死亡は確認されていない


 計五つの説明がなされた。

 一通り彼らが話し終えるとホール内のあちこちから手が挙がった。僕もある程度の調べは付いていたから予想はできたけど、こうして改めて聞かされてみると"信じられない"という感情が真っ先に沸き起こった。


「信じられる?」


「自分たちの研究過程には自信がある」


「ならあの結果にも間違いはないんだろうね」


「いや、そう言われると困るんだがな……」


 友人はそう言ってさらに眉を曇らせていた。

 彼の腕前を疑うわけではない、しかし報告された内容は訝しむものだ。もし全ての報告内容が事実であれば、全ての産業界において革新的な発展が見られることだろう、何せ接触させた状態で放置していればその物を複製することができるのだから。

 僕たちの傍にいた参加者もなるほどと、良く頷いていた。だからカウネナナイの連中が躍起になって回収していたんだと、そりゃ港を襲撃してでも欲しがるわけだと、忙しなく頷き合っていた。

 約一時間に及ぶ報告会のその終わりに、セントエルモのリーダーを務めたピメリア元連合長が壇上に立った。普段の姿を知る僕たちからしてみれば、お淑やかなドレスに身を包んでいる彼女が可笑しくて堪らなかった。口調も他所行きのそれで、隣に座る友人に不思議そうな目を向けられてしまった。


「──最後になりますが、今日まで私たちセントエルモを陰日向に支えてくださった全ての人に感謝を申し上げます。重ねて申し上げますが、一二〇〇〇メートルの偉業を達成出来たのは私の力ではなくメンバーの奮闘と勇気があればこそです。逸材が揃っているからといって無闇に引っ張り抜こうとしないでくださいね。以上です」


 最後に笑いを取ってから元連合長が軽やかに壇上を去った。

 ──何故シルキーが虫に変異するのか、そこまでの説明はなかったにせよ、この報告会に参加した全ての関係者はこれから起こる未曾有の産業革命に思いを馳せていたことだろう。

 街を襲撃してきた生命体も卵、それからシルキーが起因したものである。けれど、それ以上に皆は"明るいニュース"に気を取られそれ以上の事を考えなかった。

 

 僕もそうだった。報告会を終えて一旦自宅に戻り、午後からの出社を控えたその合間にメールの事を思い出した。

 開いたメールにはこう書かれていた。

 僕の思考を全て奪ったことは言うまでもない。


 アーセット・シュナイダー様

 深海探査の準備が整いました、つきましては以下の住所に足を運んでいただければと思います。

 あなたと共に深海の世界へ旅立つことを心から楽しみにしています。



✳︎



 とにかく早く出て行ってほしかったことだけは覚えている。

 早くしないと招待した人間が来てしまうと、顎で使われながら気もそぞろに対応していた。


「お、お待ちどうさまで〜す!」


 人間のお偉方が根城にしている国会議事堂とやらで報告会を終えた奴らがやって来ていたのだ。メンバーはライラ、アキナミ、ちっこいの、それからピメリアというおばさんだ。全員ティアマトに用事があるようだった。

 とくに興味もなかったので飲み物を配膳したあとは自室に引っ込んでいた、ぼそぼそと聞こえてくる内容は、


「ナディは………」

「フレアは………」

「どうして………」

「それなら身分は………」

「この事を知っているのは…………」


 と、いった具合に真剣かつどこか重々しい空気を放ちながらティアマトを質問責めにしている様子だった。

 時刻は夕方を前にした頃だ、ようやく押しかけてきた怖い女どもが席を立ってスペースから出て行き、最後にライラが俺の部屋へ訪ねてきた。


「ありがとう。また邪魔するわ」


 それだけを言ってからとくに返事も待たずに今度こそ帰っていった。

 途端に静かになったスペースに顔を出してみやれば灯りが落とされ薄暗く、グガランナやティアマトも姿を消していた。

 これは好都合!と思い、誰にも報告せず隠し持っていた機体の調整を始めようかという時、招待した人間が地上のエントランスに現れた。

 

 それが奴との出会いだった。

 俺を地獄に連れて行った人間。

 冥界の王でありながら地獄に落とされるなんて笑い話にもならない。

 けれど奴は──



✳︎



 午後からの勤務も早退し、僕はメールに書かれた言葉を一つずつ分解して必死に考えを巡らせていた。

 ただの冗談かもしれない、もしかしたら僕は何かの陰謀に巻き込まれようとしているのかもしれない。

 そのどれもが真実でどれもがフィクションのように思う。報告会で受けた話も頭から抜けた落ちてしまったようだ、先程からその事ばかりを考えていた。

 到着した所は最近噂になっている国立海洋研究所のエントランス、葉も落ちて次の芽吹きを待つ森の中にひっそりと佇んでいた。

 不思議と人がいた気配を感じながらくまなく見回していると、スピーカーから誰かが僕に話しかけてきた。

 とても若い声だった。


ーよお、まさか当日に来てくれるなんて思わなかったぜー


「………メールの差出し人は君かな?」


ーそそ。まあ何だ、立ち話も何だからこっちに来てくれー


「こっちとは?」


ーエレベーターに乗ってそこからちょっと移動してまたエレベーターに乗って、そうすりゃこっちに来られるー


 プツリとスピーカーが途切れ、代わりにエレベーターの扉が一人でに開いた。

 ──どうやら揶揄われている様子は無い、けれどメールの文面と話し口調が合っていないことが気にかかった。──いや、そもそも相手は誰なんだ?どうして僕が深海に思いを馳せている事を知っていたのか...

 自分の趣味が良くないと思ってしまった。日頃からフィクション物の娯楽に触れているばかりに、こういった状況を楽しんでいる自分自身がいた。

 差出し人不明のメールに誘われ、捨てられたはずの綺麗な建築物の地下へと向かう。否が応にでも気分が高揚してしまう。

 しかし、それもエレベーターを降りるまでだった。


「……………………何だ、ここは…」


 窓の向こうに早速視線を奪われた、僕だけが知る僕だけの世界がそこに広がっていたからだ。

 ──相手はおそらくマキナだ、元連合長がそこで出会ったという話が本当なら。

 聞いたことがない地下フロアに足を踏み入れてから僕は"幸運"であることを強く感じた。どうして自分にメールを差し出したのか分からない、けれど数ある人間のうちから僕が"選ばれた"ことはやはり幸運だと言わざるを得ない。

 もう一つのエレベーターに乗り込み辿り着いた先で僕は対面を果たすことができた。


「………君が?」


 間抜けにも、真っ先に出た言葉がそれだった。だって見るからに男の子だったから、もしかしたら...という淡い期待は瞬時に消え失せた。


「おうよ!名前はハデス・ニエレってんだ!ま、よろしくな、お兄さん」

 

 気軽にぽんぽんと腕を叩かれた、その細い腕と手は女性的と言えなくもないけど...


(──ああそうか、きっと彼は召使いか何かなんだろう…)


 ここのフロアからあのグガランナがやって来たというんだ、もしかしたらまだ姿を見せていない絶世の...いや、僕の花嫁がいるのかもしれない。

 ハデス・ニエレと名乗った赤髪の男の子に手を引かれるまま連れて行かれ、大型のソファがずらりと並ぶエリアに入った。「ちょっと待ってろ」と言った彼が長い襟足をふわりと舞い上げながら奥へと消え、すぐに戻ってきた。どうやら飲み物を持ってきてくれたらしい。


「ありがとう。ちょうど喉が渇いていたから飲ませてもらうよ」


「──そ、そうか!それなら沢山飲んでくれ!」


 はにかむように笑いながら頭をかいている、その愛らしい仕草をしている彼に僕は些か不躾な事を尋ねた。


「君の親はここにいるの?親と言えばいいのか良く分からないんだけど」


「……おや?──ああ、生みの親ってこと?そんなのいないよ。というかその言い方は俺のこと知ってたんだな」


「うん、さすがにね。グガランナさんとも一度話したことがあるし、マキナという存在については殆どの人が知っているんじゃないのかな」


「………あ〜」


 喉仏も出ていない首を見せ、上向きながら彼が頬をかいている。


「何?何か言い難いこと?」


「……俺たちマキナの事をどう思ってる?」


「どうって……どうって言われてもね、未だに機械生命体って事が信じられないぐらい、かな。どうしてそんな事を聞くんだい?」


 彼の口から発せられた言葉は十分な衝撃を伴っていた。


「昔、俺たちとお前たちは戦争をしていたんだよ。その時の約束だか条約だかでマキナは人類にノータッチ!っていうのが決まったんだ、だからこうして海の中に閉じ込められていたってわけ。オーケー?」


「……………」


「で、そん時に残ってた機体がうちにあって、それに乗って深海へ行こうと思っているんだ」


 衝撃の余波は十分に残っている、けれど僕はその話に食いついた。


「………それが僕を呼んだ理由?」


「そ。お前、耳が駄目になったんだろ?」


「──っ!………どうしてそれを……いや、君が調べたのか……」


 ニヤリと口角を上げて言われた言葉に、僕は不覚にも親近感を抱いた。


「ああ、すぐにお前を見つけられたのは幸運だったぜ──あいた!……ええ、何?」


「歳上……」


 マキナが見た目通りかは分からない。歳上に向かってお前呼ばわりは失礼だ、と注意しかけてこう言い直した。


「……いや、初対面の人間にお前は失礼だよ、ニエレ。僕にはアーセット・シュナイダーっていう名前があるんだから」


「………いや、お前なにも言わなかったじゃん」


 不服そうに僕を睨んでいる。


「それもそうだったね、それは悪かった」


 口をへの字にしたニエレが僕のお腹を叩き、これでおあいこだなと微笑んだ。



✳︎



 やっぱ男だわ〜同性だわ〜女と違って癇癪を起こしたりしないし基本紳士的だし。


(いやマキナに性別なんて関係ないんだけどさ)


 アーセットという男は"眼鏡"ぐらいしか印象がない。けれどそんな事はどうでも良い、思っていた以上に落ち着きがあって優しそうな奴だったので俺は俄然テンションが上がっていた。

 こういうのを気心を知れる、っていうの?ちょっと違う?まあ何でも良い!こいつとなら上手くやれそうだ。


「じゃ、ちょっとこっちに来てくれる?」


「何処へ?もしかして今すぐに乗ろうって?」


「そんなんじゃない、アーセットの耳を治してやろうと思ってな」


 ぐいと手を引っ張ってもアーセットは立ち上がろうとしなかった。その顔を見やれば怒りと戸惑いと呆れという、変な表情をしていた。


「……ニエレ、その、そういう事は例え冗談でも──」


「冗談じゃないよ、機体に乗るんならコネクトギアが必要なんだろ?俺も色々と調べたから知ってっけど、どうせ換えるんなら悪い所を換えた方がウィンウィンじゃん?」


「──それが、僕が選ばれた理由なのか……」


「ああ。止めとけよあんなヤブ医者、カルテ見たけど無茶苦茶じゃないか。あんなのに頼るぐらいならコネクトギアの方が遥かに良いと思うけど」


 よしよし、ここまでは台本通り。あとはアーセットが何と言うかだが...ここでアーセットの携帯に着信が入った。


「…………失礼」


「あいよ」


 携帯を片手に持って足早くスペースの外へ出て行った。

 別に会話なんか気にしないのにアーセットは気遣ってくれた、良い奴だ、うんうん、さっきみたいに顎で使ってくる女共と雲泥の差だ。


(早く戻ってこないかな〜ナノ・ジュエルでコネクトギアを複製して……治療用ポッドにアーセットを放り込んで……ナノ・ジュエルってまだ残ってたよな?)


 そわそわしながら待っているとアーセットが戻ってきた。その顔がこれまた中途半端だったので気になった。


「どうかしたのか?」


「………いや、すまないけど今日のところはお暇させてもらうよ、ちょっと急用が出来てしまって──わっ」


 ──逃がすものかっ!こんな良い人間がそうそういると思えない!


「何でだよ!こっちの用事が先じゃんか!」


 アーセットにしがみつくと香水の匂いがふわりと鼻をついた。


「わか、わかったから、また来るから!ね?職場で問題が起こったみたいでね、僕が行かないと解決しないみたいなんだ」


「知らなえよそんなの!そいつらが悪いんだろ?!アーセットが行く必要はない!」


「……その深海探査は一回で終わるの?」


「──え?何?一回?」


「探査は一回だけでは終わらないと思うよ。もし、今日無理やりここに残って君と一緒に探査に赴いたとしよう、けれどそれだけでは終わらなかったからまた僕はここへ来なくちゃならない。けれど、皆んなのお願いを無視したわけだからそう簡単には来られなくなってしまう」


「う、うう〜ん……確かにアーセットの言う通りのような………うう〜ん」


 アーセットがぼふっと俺の頭の手を置いて犬っころのように撫でながらこう言った。


「明日、また来るよ。君の話は大変興味深い、この世の何よりもね」



✳︎



 それが、僕と彼の出会いだった。

 帰ると行った時に遠慮なく抱きつかれたのはさすがに戸惑ったけど、男の子の外見をしている割には体が柔らかいように感じられたのでさらに戸惑った。

 戸惑ったのそれだけではない、ニエレと対面している時にかかってきた電話は保証局からだった。「今すぐにそこから離れろ」と、まあ要約するとそんな事を言っていたように思う。

 けれど僕は確信めいたものを感じていた、だってそうだろう?どんなヒーローだって最初は"否定"から入るものなんだ。

 色んな反発があって反対があって、ヒーローをヒーローたらしめる"苦境"があるから彼ら主人公は喝采と札束の雨に打たれることができるんだ。

 エレベーターに乗り込み研究所の外へ出た時、夜空は満天の星が散りばめられていた。そのどれもがひっそりと、僕のこれからをただ黙って見下ろしているようだった。

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