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第十四話 第一次サニア戦線

14.a



 聞こえてくるのは、衣擦れの音と、葉が風に揺られて届く微かな音だけ。副隊長と別れて、それぞれのポイントで敵を待っている。

 先程から手の震えが止まらない、臆しているのか?仕方がない、命をかけた戦いの真っ只中にいるのだ。下手をすれば自分の命が失われてしまう、その事実に体が震えている。

 今、音と振動が伝わってきた。片膝を付いた地面が微かに動く。こちら側に歩いて来ているのか、私が命中させたケンタウロスと呼ばれるビーストは、不思議と慎重に歩いているようだ。最初に接敵した時に見せた短絡的な動きは全く見せない。


(学習している?戦いながら?)


 信じられないが、受け入れるしかない。もしかしたら、こちらの誘導に乗りやすいように、林の中に付けてきた分かり易い目印も裏目に出るかもしれない。

 私の目の前には、小さな橋がある。それと、簡単に飛び越えられそうな幅の狭い川も流れている。所々に生えいる草は、緑色や白色、剥き出しの地面も見えているので、少し荒涼とした雰囲気がある場所だ。

 点在している草むらに身を潜め、敵が釣れるのをひたすら待つ。林の中から草むらまでは、幅の狭い川が流れているので必ず通るはずだ、そこに爆弾を仕掛けてみたはいいが...


(まさか、橋を渡るなんてことは…)


 その考えに肝が冷える、あの大きさだ、川を飛び越えることも、橋を渡ることもしないはず。だが、万が一予想を外れた行動に出てしまったら逃げるに逃げられなくなってしまう。


[敵、隊長側に来ます、手持ちは無し、いや…待って下さい、石を持っていますね、何がしたいんだ?]


 副隊長の報告に返事もせずひたすら走る。石を持っている?間違いない、敵はトラップに気付いている。この距離でならまだ、


[!!逃げて下さい!隊長!]


(分かっているわよ!)


 心の中でやっと返事をした時、後から爆発音が聞こえた。空気を揺さぶる程の振動が直接耳に届き、視界がぶれてしまう。それが何よりも危険だった。

 何とか背後を確認したが案の定、爆発で上がった水しぶきと土埃で敵の姿が確認できない。かと思いきや、その中から猛然と敵が走ってきたのだ。


(狙いは、私!)


 一気に心拍数が上がる、手にしたアサルト・ライフルと激しく脈打つ心臓の音しか聞こえない。

 事前に距離を稼げたおかげで体制を整える猶予ができた、あの時の咄嗟の判断が今に繋がっている、それが分かった時、不思議と興奮した。


(ここから!)


 何とか距離を稼ぎ射撃態勢を取る、狙うは頭部、私を目掛けて走ってくる敵を見やるとなにやら歪な形に変わっていた。恐らく、ニ班と戦闘した時に変形したのだろう。

 遠慮なく頭部を狙う、中間弾薬は狙い澄ましたように頭部へと吸い込まれていくが、


[はぁ?!弾いた?!どういうことっ、効かないのは足だけのはず!]


 腕を構えて頭部を守っている、それに全てが弾かれてしまった。


(なら、お次は!)


 腕を下ろす前に、敵の腹へ手榴弾を投げつける。そのまま確認もせず、距離を取るためさらに後方へと下がる。

 一拍置いて爆音、耳が飛んでいってしまったかと思った。だが、


「下らない!下らない!下らない!俺はこんな虫共に遅れを取っていたというのか!下らない!」


 何に怒っているのか急に怒鳴り始めた、ニ班からの報告の通り、あのビーストは言葉を使う。理性がある、確定した事項だ。奴は、川に仕掛けた爆弾を見抜き、石を無闇に投げつけて誘爆させたという事だ。

 奴はビーストではない、新しい敵だ。私が銃を向けている敵は、誰も、一度も戦ったことがない相手だ。

 心から感動してしまった自分に戸惑ってしまう。知ってか知らずか、敵は私を追いかけてくる。


「最早、剣も必要なし、この体にて叩き潰してくれるぞ金虫!!」


(話す余裕があるなら!)


 ひたすら走る、いずれは追いつかれるだろうがそれでも走る。目の前には別の林があり、その入り口まで辿り着ければ何とか勝機があるからだ。



✳︎



 俺の強靭な体に恐れ慄いた虫が逃げ惑う。

だが、この手で潰すまでは油断はしない。先の戦闘でそれを学んだ、たかが虫一匹に背中に乗られ、あまつさえ頭を撃たれたのだ。

 油断大敵とは太古の先人の言葉だ、成る程とよくできた言葉である。

 そう何度もナノ・ジュエルを追加転送するわけにもいかない、コアが持たないからだ。

 だが、これだけの強靭さがあれば十分に事足りる。先の虫ニ匹もこの腕で捻り潰してやった。

 後は、あの金虫のみ、確実に仕留める。

くぐもった低い音がまた耳に届く。


「そう何度も食らいでかぁ!!」


 着弾する直前に腕を構える、狙いは頭と決まっている。だが、着弾はしたのは腕ではなく足であった。


(頭ではない?何故足なのだ?)


 効かないと分かっていながら、それでもなお狙撃する理由。

一つ、一縷の望みをかけた無謀な攻撃。

一つ、足を破壊するのが何より最優先のため。

一つ、敵が有効な攻撃手段を獲得した。


(最初と最後ではあるまい、無謀な攻撃であるなら林まで逃げる必要がない。最後でもなかろう、俺が今ここに立っているのが何よりの証、であるならば…)

 

 足を破壊するために、必要だから撃ったのだ。対物ライフルが決め手ではなく、恐らく林の中に...

 対物ライフル?持っていたのはアサルト・ライフルのはず。では、もう一人伏兵がいるという事だ。


(撃たれたのは、左前方、林の中から、やはりそうか、これは囮か)


 金虫が林の中へ走って行くのを見送る。ここで後を追えば、どうなるか検討もつかない。愚の極み、そう何度も同じ手を喰らう程俺は愚かではない。



✳︎



[敵、足を止めました、何故?]


「バレているのよ、罠を張られていることに」


[それに、射撃と同時に腕を上げるだなんて、]


「見た事がない反射神経ね、ここのビーストはあんな感じなのかしら」


 だとすれば驚異だ、戦闘を重ねる毎にこちらの動きを読んでいくその知性と、発砲音が聞こえた同時に動くことができる身体能力、まるで太刀打ちできない。


「どうかしら副隊長、私はちゃんと銃を握れているかしら」


 それでも私の中の余裕は消えない。むしろ、敵の脅威が上がる程に落ち着いていく。

 草むらに隠れていた時に震えていた手も、今はしっかりとグリップを握っている。


[…ナツメ隊長ほどではありませんね]


「本当に、私もそう思うわ」


[…]


 早く彼女と、ナツメ隊長と並び立てるようになりたい。そう強く思った時、吹っ切れた。初陣で挫けているようでは、先が長すぎると自分を叱咤する。


「副隊長、合流しましょう、隠れていても埒が明かないわ」



✳︎



「少しお話しをしましょう、いいかしら?」


 金虫が話しかけてきた。気でも狂ったのだろうか。沈黙を肯定と捉えたようで、好き勝手に話しを始めた。


「あなたはビーストかしら?それとも違う名前でもあるのかしら、私達は初めて中層に来たから、何も分からないのよ」


 ビースト、虫共が駆除機体をそう呼んでいるのは知っている。だが、こちらには本当の呼び名を教える義理はない。

 同じこと、駆除機体であれビーストであれ、人間を駆逐する機体であることに変わりはない。


「黙りかしら、案外恥ずかしがり屋なのねあなたって、無口は場合によっては格好いいけど、女性から話しかけているんですもの、その勇気に応えないとモテないわよ?」


 挑発、誘導、時間稼ぎ、いくらでも理由は思い付く。

 周りを見やるが不審な動きや気配はない。


「あらあら、本当に恥ずかしがり屋なのね、あなたの味方はここにはいないみたいね、さっきから視線を彷徨わさているけど」


「っ!」


 何故だ、何故分かったのだ。


「何故分かったのかって?それは雰囲気よ」


「!」


 金虫の分際で、俺の思考を読んでいるとでもいうのか、信じられない。


「…あなたってつまらないわね、期待外れだわ」


「虫の分際で、」


「私の名前はサニアよ、あなたがこれから負ける相手の名前、よく覚といてちょうだい」


「殺す!」


 そう一言告げ、全力で駆ける。距離はほんの瞬き程、待つ必要などなかった。全力で叩けば良かったのだ、敵の仕掛けた罠に臆して二の足を踏んでいた自身が情けない。

 それに、奴が立っているのは林の前、恐らく入り口辺りにワイヤートラップを仕掛け、俺が通ると同時に発動する類のものだろう。それを自ら捨てるなど、


「さらばだ虫よ!森から逃げおおせた幸運もこれまでだ!!」


「?!」


 驚き、目を開く、この程度で慄く自らを悔やむがいい。

 全力で殴り付けた拳は、鈍い衝撃と共に止まった。止まった?

 拳は、虫が手に持つ対物ライフルを盾にされて止まっていた。余程の衝撃があったのだろう、対物ライフルは歪んでいたが、虫はまだ生きている。

 

(う、け、と、め、た、と、いうこと、か?)


 金虫はライフルを捨て、左手で素早く腰に隠していた小型の銃を抜く。すぐに防御姿勢を取り頭部を守る。だが、一拍置いても着弾する気配がない。

 姿勢を戻し、入った視界には、丸太がa...../

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14.b



[オーディン、聞こう、初めての戦いはどうであった]


[…その話し方はやめてくれないか、うつるんだよ]


[それはすまない、聞きたいか?お前の最後を、聞きたいだろうそうだろう、お前は丸太に吹っ飛ばされたんだよ、分かるか?同胞が丸太で吹っ飛ばされるところを見た俺の気持ちが]


[…何があったんだ、教えてくれ]


[丸太で吹き飛ばされたって言ってんだろ!]


[違う、そうではない、何故丸太なんだ?奴らが仕掛けた罠ということか?]


[あぁそうだよ、お前が腕でわざわざ視界を隠している間にあの人間は、丸太を括っていたロープを撃ったんだよ]


[…人間にはそれ程の技量があるということか、俺の目を狙撃したのもそいつだ]


[…あるんだろうさ、ログには何もない、調べようがなかった、だが、次は違うだろう?なぁ兄弟]


[無論だ、奴らの手管は理解した、次こそ仕留めてくれようぞ]


[…なぁ兄弟、ふざけた言い方はここまでにしてだ、他のマキナを呼ぶのはどうだ?]


[(お前が先だろうが...)誰を呼ぶんだ?プエラ・コンキリオか?]


[いや、あいつには戦闘能力はないだろう、敵にマキナがいれば話は別だがな、それよりグガランナだ、奴には俺らを修理する能力がある]


[奴は今どこにいるんだ?確か下層から逃げ出しただろう]


[位置情報を意図的に隠していやがる、全く分からんが、メインシャフト内のカメラに映っていたのは確認した]


[いつ頃だ]


[あー待ってくれ…何だこれ、あいつ人間と一緒なのか?、意味が分からん、映像はつい最近だ]


[コンタクトを取る方法は?]


[直接行くしかないだろう、通話も拒否られている]


[お前、何かしたのか?あのグガランナだぞ?拒否られるのか?]


[それならお前がかけてみろ、どうせ…]


[何かしら?オーディン、久しぶりね]


[…]

[…]


[オーディン?どうかしたのかしら、聞こえているわよね]


[あぁいやすまない、一つ聞きたいんだが、いいか?]


[えぇ、何かしら]


[…何故、ディアボロスを拒否しているのだ?]


[(それ、聞くか?本人の前で聞くのか?)]


[嫌だからよ、それが何?]


[(この声のトーン…ガチだな…俺ってそんなにか…)]


[あぁ、グガランナ?実はだな、ディアボロスも、いるんだが、]

[(おい!)]


[はぁ?オーディン、ふざけるのはやめてちょうだい]


[いや、実はお前に協力してほしい、ことがあってだな]

[(順番逆だろ絶対!)]


[オーディン、今手が離せないのよ、後でもいいかしら?]


[あぁ、分かった、忙しい時にすまない]


[それと、この後時間あるかしら?あなたに一言伝えたいことがあるのよ、いいわよね?]


[(凄く嫌だ…)分かった、その時にもう一度話そう]


[それじゃあね]


[…]


[…]


[…おい]


[何だ、俺は悪くない]


[オーディン、聞こう、グガランナは何故、嫌っているのだ]


[それだろ]



14.b



 サニア隊長から報告をもらう、敵ビーストを撃破したと。大した奴だ、初陣で、しかも今まで見たことがないビーストを撃破するとは。

 基地展開をしたコンコルディアは、赤い太陽に照らされ燃えているように見える。ここは、上層の下に位置する場所だ。それなのに太陽がある、だが、私はここから見える太陽の方が好みだ。上層から見える太陽はどこか、容赦がないように思う。良いも悪いも、全てを暴こうとするように輝いて見えるからだ。


「…負傷者、無事です」


「分かった、引き続き看病を頼む」


「…了解です」


 第二部隊のアリンとアシュは、新型ビーストとの戦闘で重傷、命に別状は無いが暫くは動けそうにもない。同じ部隊のミトン、カリンに看病をさせている、驚く程に手際が良いので任せっきりである。

 テッドとサニア隊長は、基地へ向けて帰還中、右腕負傷と報告も受けている。それと、気になることもある...


「ナツメ、今、応援部隊が中層に到着した、第二部隊を連れて迎えに行け、出口付近の異変もある、あの二人に先導させろ」


「分かりました、それより総司令、一つよろしいでしょうか?」


「何だ、手短に言え」


「哨戒一班から報告を受けました、敵ビーストが言葉を使うと、奴らは本当にビーストですか?」


「何かの聞き間違いだろう、すぐにエレベーターへ向かえ」


 そう言い残し、踵を返す。

まるで答える気がない、何かあったのだろうと思うが。


「ナツメだ、すまないが基地前へ来てくれ、今から応援部隊を迎えに行く」


[…はい、看病はどうすれば]


「…すまないが、寝ている二人の回復に期待するしかない、今動けるのはお前とカリンだけなんだ、」


[…分かりました]


 看病を言い渡した隊員に、今度は一緒に来いと逆のことを言う。いつまで経っても慣れない。だから私は...アヤメに甘えていた。


ーやっ!!ー


「っ?!」


 コンコルディアから突然、人の声がしたが、すぐに静かになった。


[ナツメ隊長、今のは?!]


 もう一人の隊員、カリンからだ。展開しているコンコルディアから近く、仮説テントの中で看病していたから聞こえたのだろう。


「いや、分からない、聞こえたな?私の聞き間違いではないな」


[はい、私も聞こえました、女の子の声、みたいでしたが…]


 そうだ。明るい女の子の声、まるで見かけたから声をかけたような気軽さもあって、違和感があった。こんな所で聞く声ではなかった。


「…調査すべきだろうが、どのみちコンコルディアには総司令以外は近づけない、私の方から報告しておく、二人は装備を整えてくれ」


 それぞれから返答があり、通信を終わる。



(あれではまるで、観光だな…)


 エレベーターから降りた応援部隊は、上層に残っていた隊員達が中心になっている。

 さらに、民間人も混ざっており彼らが自前の携帯端末で写真を撮っているようだ。気持ちは分かるが、自重してほしいと少しの苛立ちもある。さらに、エレベーター内で戦闘があったようで何名か負傷している。万全の状態とはいえ、ビーストに襲われては無傷ではすまない。


「…何名か、負傷してるみたいです」


「あぁ、だが無視しておけ、私達の手に負えない」


 心なしかほっとしような表情を見せるミトンと呼ばれる隊員。発言自体は少ないが、あまり気を使わないのだろう、思ったことが口や顔にすぐ出てしまっている。


「では、負傷者の方はどうすれば」


「応援隊にでも任せておけ、私達はただ迎えに来ただけだ」


 そう言いながら、応援隊の中心へと向かう。何名か知っている顔はあるが、殆ど知らない連中ばかり、かえって気が楽でいいが...


「隊長、ご無事でしたか、俺らも中層まで来ましたよ」


 そう声をかけてきたのは、同じ部隊のザナカルだ。


「ご苦労だ、応援隊の指揮官はどこだ?」


「いいや、そんな奴はいませんが、とりあえず下に来いと言われて来ましたんで」


「…そうか、戦闘があったみたいだな、被害は?」


「さぁ、俺がいた周りではなかったもんで、詳しくは、あぁおかしなビーストならいたが、すぐどっか行っちまったし」


 ...これでアヤメに甘えるなというのが無理な話ではないだろうか、会話をしているだけで頭が痛くなってくる。よくここまで生きてこられたものだ。


「ならいい、荷物を纏めろ、ここから移動する」


 人混みの中で会話をしていたせいもあり、異変に気づくのが遅れてしまった。ただの喧騒だと思ったが、途中から大きな悲鳴に変わっていた。


「うわぁぁぁビーストだぁ!逃げろぉ!」


 誰かの声が届く。ビーストが現れた、これだけの大所帯だ、さすがに音に引きつられて来たのだろう。


「ザナカル!構えろ、ここは私達で相手をするぞ、他の隊員にも伝えろ!」


「は、はぁ、テッドの坊やはどこですか?俺が副隊長の変わり?それは無理ですよ」


 無視して奥を見やればビーストが数体、出口前まで侵入している。既に口元が赤く濡れているので犠牲者が出ているのだろう。

 

(しかし、こいつらはどこから来たんだ?)


 侵入経路を割り出すことも必要だが、今は駆除が先だ。これ以上犠牲者が出てしまっては面倒だ。


「カリン、お前は私の補佐、ミトン、お前は後ろから援護だ」


「はい!」

「…はい」


徐々に人が減りつつある出口前で、ビーストを正面に相手取る。一般的な姿をしたやつが二体、さらに別方向へ走ったやつがさらに三体、一番手前のビーストが民間人を喰おうとしていた。


「ミトン!」


 小さな返事と共に射撃の構えを取る、手にしているのはスナイパー・ライフル、混戦状態での使用には向いてはいないだろうが、贅沢は言えない。指示を守ってくれるだけ有難い。


「…撃ちます」


 そう一言発した後は、圧巻だった。

一発目の弾丸はビーストの眼球に命中し、ミトンの存在に気付いたビーストが狙いを変えようと、民間人からこちらに向いた瞬間に反対の目も狙撃する。間髪入れずに視界を奪う、ボルトアクション方式のライフルだというのに隙がなかった。


「カリン!」


「は、はい!」


 視界を奪われたビースト仕留めるために前に出る、だが、


「twmjooooo!!」


「なっ」


 続けて撃たれた弾丸がビーストの眉間を捉えていた。


(何という射撃精度っ)


 眉間に弾丸をもらっておきながらも、のたうち回るビーストの上顎を掴み口をこじ開け、そのまま銃口を入れてトリガーを引く。ビーストの一般的な仕留め方だ。外装は硬いので弾丸はあまり効かず、口の中なら跳弾の恐れもなく息の根を止めることができる。


「はわぁ…」


 少し引いているカリンを横目に周囲を見やる、向こうでも一体仕留めたようだ。

 だが、さらに異変は起きてしまった。



14.c



 従業員の休憩所に来てから暫く経った。アマンナ達はエレベーターを調査すると言って、私達が使わせてもらっている部屋から出ていったきりだ。何もすることがない。


(でもまぁ、今はいいかな、あんなこと言われた後だし…)


 寝ていると思ってアマンナとグガランナは、私のことについて話をしていた。

 正直と言って、恥ずかしかった、それは当たり前だ。私の前で私のことを話しているのだ、どうしたって恥ずかしい。それに、好きとか、為になりたいとか...

 そこまでの人間なのだろうかと疑問に思ってしまう。何故、私なんだろうと、他にも良い人や優しい人はたくさんいるはずだ。それなのにどうして私なのか。

 横になっているベッドシーツは、肌触りが良くてすべすべとしている。天井を見上げれば、光沢のあるシーリングファンがゆっくりと回っていて、窓に映し出された映像は、大きな城を背景にしてこんこんと降る雪が見える。暖かい空間だ、こうしてベッドで横になっているだけで癒される。


(私も、何かしてあげられたら…)


 詰まるところはそれなのだ、私だけアマンナやグガランナから、優しくされていることに気が引けてしまっている。あの二人の助けになっているのか、それとも子供のように扱われているのか、それとも何も期待されていないのか。


(それは嫌だなぁ…頼りにされたいって思うのはわがままなことかな)


 頼りにならなくても、例えばこの部屋のように疲れを癒すとか、何でもいい、何か一つしてあげられることがないと優しさを受ける資格がないように思う。

 私は、あの二人の子供になりたいわけではない。


「だったら、」


 そう言いながら、眠そうになっていた体を無理やり起こす。そしてそのまま後ろ髪を引っ張られないように部屋を後にした。



✳︎



「はぁ、これで何とかなりそうね」


 屈んでいた身を起こす、さっきから無理な姿勢で作業をしていたので体の節々が固まっている。


[終わったー?]


 アマンナから通信が入る。あの子は今、周囲の状況を調べるため従業員が使っていた監視室にいるはずだ。


「えぇ何とかね、それよりも何か分かったかしら」


[うーん、何かやらかしてるっぽいね、小型エレベーターが落ちてる]


 落ちてる?故障ではなく落ちている?


「…他には?」


[超大型が傾いてる…ん?何か底に挟まってるっぽいよ、これかなぁ変な感じがしたやつって]


 中層へ降りる時にアマンナから注意は受けていた、いつものように曖昧な感じでしか言わないが何かいるから気をつけてねと。


「アヤメ達の特殊部隊が戦闘をしたということかしら?」


[そうかもね、マギールにも話したらディボロスじゃないかって言ってたよ]


 あのマキナは...本当に余計な事しかしない。後でオーディンを問い質そう。


「アマンナ、あなたにも伝えておくけど、ディアボロスとオーディンから連絡があったわ、協力してほしい事があるって」


[ほっときなよ、どうせろくでもない事だよ]


「えぇ、けど今回のエレベーターについては聞いてみるわ、何か知っていそうだしね」


[あそう、グガランナは先に戻ってて、アヤメに変な事したら駄目だからね]


 通信を切って点検用通路を後にする。

小型エレベーターが停止していた原因は、つりあい重りが外れていたからだ。こんなものが外れるのかと疑問だが、エレベーターが落ちているわ傾いているわ、大きな衝撃を受けてしまったのだろう。

 ロビーへと戻り、アヤメが寝ている部屋へと入るが、そこには誰もいなかった。今さっきまで誰かが寝ていた跡がある、シーツにしわが出来ていた。


(トイレかしら?)


 するとどこからか、甘い匂いがしてきた。

おや、と思った時にアヤメが部屋に入ってくる。


「あぁお帰り、グガランナ、もう終わったの?」


「えぇ、もうエレベーターは大丈夫よ、問題なく使えると思うわ…それは何かしら?」


 アヤメは、鈍く光る銀のトレイを持っていて、クッキーが規則正しく並べてられている。甘い匂いはここからしてくるようだ。


「あ、えーと、グガランナやアマンナにた、食べてもらおうと思って用意したんだ…」


 アヤメは少し照れながら、説明してくれる。この時ほど、マキナである我が身を呪ったことはない。


「あ、もしかして、食べれ…ないとか?」


「今すぐに消化器官を作れば何とかなるから待っててちょうだい!」


「いやいや!そこまでしなくても、これは私があとで食べるからいいよ!」


 慌てたアヤメがトレイを机の上に置く、さらによく見てみれば、机の上にはティーカップや他のお菓子など用意されていて、まるでお茶会のようになっていた。さらに我が身を呪う。


「ごめんなさい、アヤメ、私死にたい気分だわ、せっかくここまで用意してくれたのに…」


「いやいやいや!気にしないでグガランナ!私が勝手にやったことだから!それよりも、私に何かしてほしいことはある?何でも言って」


「え、何でも」


「うん、何でも、できることがあれば」


「エ、何デモ」


「そう!何でもいいよ」


 これは夢かしら、マキナも白昼夢って見るのね初めて知ったわ。

 いやいやいやいや、夢ではない。突然の申し出に動揺してしまったが、これは現実だ。


(え、どうしよう、ありすぎて決められないわ、あぁ!ほんとに困った!あ、それならいっそのこと、)


「私のお嫁さんになってもらえないかしら」


「私がお嫁さんなの?」


「なら私をお嫁さんにしてちょうだい、誠心誠意あなたに尽くすと誓うわ」


「いや、私がグガランナに尽くしたいの、…嫌?」


 ...........................はっ、危ないあと少しで押し倒すところだった。

 急にどうしたのだろうか、普段あれだけ優しくしてくれているアヤメが、自分を押し倒してほしいなんて。いやそんなことは言っていない、尽くしたいだなんて。


「あー…、理由を、聞いても、いいかしら?その嫌とかではなく、どうしてかなと、思って」


 下を向いたアヤメ、顔が赤い。服の裾を掴みもじもじとしている。その様子だけで脳死しそうなのに、さらにアヤメは上目使いで言う。


「私ばっかり、優しくしてもらってるから…何か、お返しを、しようと、思って…」


 ....................................あれ、いつの間に手を握っていたのかしら、でもアヤメは何も抵抗しない。驚いたように、どこまでも澄み渡る綺麗な空色の瞳で私を見つめている。柔らかい頬もほんのりと赤い。


「…アマンナと同じように、いいえそれ以上に、私も大事な証がほしいわ、いいかしら?」


 手を握り、見つめ返しながらあなたのキスが欲しいとお願いをする。


(よく言ったヘタレな私!)


「…そ、それで、いいの?」


「えぇ、私にするのは嫌かしら」


 卑怯な言い方をする、断られたくなかったから。


「う、ううん、そんなことないよ…」


 そう言って、少し冷んやりとした手が私の頬に触れた。エモート・コアから盛大なエラー音が鳴っているが無視する、今はそれどころではない。


「目、瞑ってて、恥ずかしい」


 耳元で聞こえた彼女の声が、鼓膜も頭も甘く溶かしていく。まるで魔法のようだ、聞いた者を虜にする、甘くて何度も味わいたくなる危険な魔法。

 目を瞑る。頬に触れている彼女の手の冷たさと、彼女の息づかいの音だけが、私を支配する。全身に彼女を感じている、それだけで満たされていくのが分かった。

 頬に、軽く、柔らかく、彼女の唇が触れた。ほんの一瞬のはずなのに熱く、体中を幸せが激流となって流れ込む。

 目を開けて、彼女と見つめ合う。微笑みながら、甘く危ない魔法の声で彼女は、


「…お帰りなさい、あなた」



✳︎



「いい?変態グガランナにはその刺激は強すぎだから、やったら駄目だからね?いいですかアヤメ!!」


「…はい、でも私、何かしてあげたかったから、なんだけど…分かりました」


 監視室で調べ物をしていたら突然グガランナの反応が消えた。何事かと思い、慌てて部屋まで来てみれば、だらしなく鼻の下を伸ばしたグガランナが仰向けに倒れていて、右往左往していたアヤメがいた。事情を聞いてみれば...


(もー!わたしが籠もって調べ物をしている時になんてことをっ)


「いいですかアヤメ!お嫁さんごっこはもう二度しないこと!」


「はい…」


「でも、なんで急にそんなことを?まさか、ぐ、グガランナとキスしたかったとか?」


「違う違う、グガランナにお願いされたからで、私二人に何かしてあげたいなって思ったからなの、いつも私ばかり優しくしてもらってるから…」


 それは、好きだから当然のことをしているだけで、アヤメが気にすることではないように思う。けれど、アヤメは違ったようだ。


「そんなの、アヤメは気にしなくていいよ、わたし達が好きでやってるんだからさ」


「誰かに優しくされてもらったら、お返ししたくならない?相手が好きな人達だったらなおのこと」


「…」


「アマンナ?」


 本当に良い関係だな、と感動してしまった。お互いに気づかい、優しくし合うその関係性に。

 けど今はそれよりも、また先を越されたグガランナに追いつきたい。


「じゃ、じゃあわたしのお願い事も、聞いてもらえるの、かな」


「うん、いいよ、私にできることがあれば」


「!!そ、それじゃあ、わたしも、お嫁さんごっこ、したい」


 くすりとアヤメが微笑む。


「いいよ、私がお嫁さん?それともアマンナ?」


 ...........真剣に考え込んでしまった。

どっちだ?どっちがいいんだ?わたしがお嫁さんだったらアヤメが旦那さんで、アヤメがお嫁さんならわたしが旦那さんで...

 あれ何の話だっけ、頭が回らない。こんな事ってあるんだと思っていたらアヤメの手がわたしの頬に触れた。


「じゃあ、アマンナがお嫁さんでも、いいかな」


「は、はい…あの、やさしぎゃぁぁぁあ?!!」


 油断していた、足元にはマキナを代表する変態が寝ていたことを。アヤメの冷んやりと気持ちいい手に気を取られて、変態に足を掴まれて悲鳴を上げてしまった。


「アマンナ、駄目よ、私の目が黒い内は、手出し、させないわ」


 この後、変態を叩き起こして使えるようになったエレベーターで上へ目指した。

 もちろんお礼なんか言わない。あとアヤメはグガランナのものじゃないと叩きながら説教した。



14.d



 ビーストがエレベーター出口前に侵入してきたのが太陽が沈みかけていた頃、そして今私を照らしているのは月の明かりだけだ。

 周囲を見やる、長い年月で風化してしまったのか表面がささくれている大きな木と、倒れてしまった枯れ木が見える。異常はどこにもない。足元は柔らかい土の上なので、あまり安定しない、踏ん張りが効かないのでいざという時の動きが取れない。

 それに、草の匂い、木の匂い、土の匂い、濃い自然の匂いを初めて嗅いだので、戸惑ってはいる、だが、微かに血の匂いもする。嗅ぎ慣れた、とでも言えばいいのか、血の匂いを嗅いで少し落ち着きを取り戻したことに、自嘲してしまう。


(これでは、まるで私もビーストだな)


「見tuけたぜee!!!」


 誰もいない森の中で、不快な電子音声が響き渡る。森には反響効果でもあるのか、どこから声がしているのか方向が分からない。

 私の周りを駆ける音がする、枝を踏んだ音や、枯れ木を踏みつけた乾いた音、ほんの瞬き音が止み、


「っ?!!」


「もらaaたtuああ!!」


 上から刃物だらけのビーストが責めてくる、月明かりを浴びて光る刃物が目に焼き付く。手持ちのアサルト・ライフルを盾として使うが受け止めきれなかったようだ、私の左頬が瞬間的に熱くなる。


「くそっ」


「糞haてめぇeだよtu!よくmo俺の頭に弾n丸をぶちkoみやがtuて!!」


 こんな知り合いがいたとは驚きだ、どうやらこのビーストは私が目当てのようだ。

 出口前に姿を現したこいつは、何人か刃物で斬り付けている時に私を見つけ、一直線に駆けてきた。今みたいに人の声と電子音声が混ざり合った不快な声で喚きながら、私だけを執拗に狙ってくるので、森の中まで引っ張ってきたのだ。


「おmaえは俺がkoろす!!オーデiンにもディアboロスにも邪魔saせない!!」


(おーでぃん、と言ったか、あとはでぃあぼろす?名前のことか)


 襲われながらも敵の声を聞き、名前らしきことを口走ったことに驚く。


「貴様の名を聞こうかっ、不細工な面したっビーストがっ!!」


 空いていた腹に蹴りを入れる。おかげでさらに頬が切れてしまったが、敵を剥がすことができた。みぞおちを蹴られた敵が後退する。


「誰がbuさいくだ!俺はuロボロス!!」


「うろぼろす、すまないが人違いではないか、私はお前に弾丸を撃ち込んだ記憶はない」


 会話ができている、驚きだ。まさか、中層に来てビーストと話をすることになるなんて。


「ふzaけんなよてめee!!!あn時のこと忘れtaとは言わせeねぞ!!」


「あの時とは何だ?理性があるなら説明してみせろ、っ?!」


 身を屈めていたビーストが、足の力だけで跳躍してくる。動作もなくやってのけた異常な身体能力に遅れを取ってしまい、もろに体当たりを食らってしまう。

 全身刃物だらけだ、咄嗟に心臓の位置を守った自分を褒めたてやりたい、だが、それ以外は刃物が突き刺さり深手を負ってしまった。


「はtu!!弱いねe弱すぎるぞtu!!体をぶつけtaだけでこのzaまか!!」


「…っ」


 一命は取り留めた、だが、額から流れる血が目に入り目蓋を開けることができない。それに足、腹、腕、熱くないところがない程に傷を負ってしまった、これでは動けそうにもない。


「…なぁうろぼろす、お前は、何者だ、冥土の土産に、答えろ」


「はtu!お前面白iやつだな、それ、oれが言う台詞daろうが、いいぜ、」


 頭部にまで生えた刃物で見えないが、どうやら笑っているらしい。


「俺haグラナトゥム・maキナが一体、ディアボroスの子機にして、破壊と殺戮の鬼神、ウロボロス様だ!!」


 最後だけはきちんと聞こえた、何だかおかしくなり鼻で笑ってしまう。


「なniがおかしi?なんでwaらうんだ?」


「いや、自己紹介だけは、ちゃんと言える、だな、と」


 意識が朦朧としてくる、あれほど熱かった体も感覚が無くなりつつある。


「おまe、今から、siぬんだぞ?俺にyaられて、おreが怖くないnoか?」


「いいや、ちっとも…人に、振られるほうが、よっぽど…」


 アヤメ...もう私は、嫌われたままなのか、もう、私のところへ、戻って...


「koいつ!俺が、oれが怖くなiだと?!ふざけるna、」


「いい加減にその声、何とかしてくれない?ウザいんだけど」


 この声は...コンコルディアから聞こえた....


「なんだおまe、邪魔suるじゃねeよ!!」


「ごめんね、ちょっと借りるから、あいつウザいよね?すぐ黙らせるから待っててね」


 乾いた発砲音、何かが倒れる音、金属が引っかかる音、最後に、


「またあとでね」


 意識がなくなった、鈴の音のような声と共に。



14.extra



[…]


[…]


[…]


[…]


[…]


[…]


[…あぁ、すまない取るのが遅れてしまった]


[何故?一回で出ないのかしら、気づいていたわよね?]


[…少し手が離せなくてな、すまない]


[あなたは何?人みたいに受話器でも持っているのかしら、何かしながらでも話はできるわよね?]


[(お前もさっきは同じことを言っただろうが)あぁいや、今、マテリアルを修復していてな、気を取られていたんだ]


[まぁいいわ、そりよりも、エレベーター内で何があったのかしら、知っているわよね?]


[分からない、何の話だ?]


[エレベーターが二基稼働停止、それに小型のエレベーターも重りが外れていたのよ、あなた達の仕業かしら?]


[知らない、何だその話は?俺のせいにするのはやめてくれないか]


[…そう、ならあのマキナは?あなた達仲が良かったわよね?]


[…誰のことを言っているのか、]


[ディアボロスよ、惚けないで]


[…何も聞いていないな]


[そうならいいわ、ねぇオーディン、あなたいい加減あれと付き合うのはやめたらどう?]


[(ついにあれ呼ばわり…)そこまでお前に言われる筋合いはないはずだ]


[そうかしら?あなた変な影響を受けているわよね、おかしな喋り方をして、カッコいいと思ってやっているのか知らないけど、やめた方がいいわ、ダサいから]


[だ、ダサい…のか]


[えぇ、今の喋り方のほうがよっぽどいいわ]


[そ、そうか、それをわざわざ?言うために?]


[えぇそうよ、ダサい喋り方をするあなたが見ていられなくて、余計なお世話だったかしら?]


[いや!そんなことはない、むしろ有難いくらいだ、感謝しようぞ]


[…オーディン?]


[(しまった!)…我が胸が、早鐘を鳴らしておるのでな、口が言うことを聞かぬのだ、許せ]


[…]


[(あぁ!気が動転して!)グガランナ?そなたの声を聞かせてはくれまいか]


[えぇいいわよ、二度とかけてこないでちょうだい]


[なっ!]


[…]


[…]


[…]


[…あぁ嫌われて、しまったのか…]


[オーディン、何故、我の呼びかけに応えぬのだ]


[黙れぇ!!お前のせいで俺までグガランナに嫌われちまったじゃねぇか!!]


[?!!]

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