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全世界(全てが存在する世界)  作者: スプリンクラー
7/17

童女とじじいの世界①

おはようございます。

またまた朝になってしまいました。

次回からは、予約投稿しようかなと

軽く諦めてしまいそうです。

夜の闇が終わり太陽が昇り始める、優しい光が窓から暗い部屋を照らす。外では、朝を告げる鳥が歌っている。

窓際に設置されたベッドに日の光が当たりベッドが膨らんでいるのが確認できる。


「お嬢様、お嬢様、起きてください」


白髪の老人が盛り上がったベットを優しく揺すり、ベッドの中身に覚醒を促す。


「。。。」


目を擦りながら、童女の小さい女の子が上半身を起こす。下半身はまだ布団の中で温もりを感じている。透き通るような黄色い髪は、布団にやられ寝癖で阿修羅のように乱れている。


「おはようございます(ニコ」


白髪の老人が、朝の呪文を唱える。


「。。。おやすみ。。。zzz」


阿修羅少女は、夢の中へ帰ろうとしたが白髪の老人により止められる。枕に頭を落とそうとした時に、手を割り込まれ体勢を戻される。


「。。。じぃじ、嫌い。。。」


睡眠を邪魔をされた阿修羅少女の機嫌が損ねる。


「ご安心ください。じぃじは大好きですよ」


白髪の老人は、優しく語りかけた。


「おはようございます。お嬢様、朝になりました。朝食が用意されておりますので、お着替え願います」


「。。。ん」


少女は、ベッドから名残惜しそうにゆっくり出てくる。そして寝巻きから着替える為、寝巻きを脱ぎ始め最終的に全て脱ぎ捨て裸ん坊になる。


”パチン“


老人が、白い手袋越しに指を鳴らすと一瞬で着替えが終わっていた。魔法を使って作られた服で、肩が膨みフリルが沢山ついた白色のワンピースと、可愛らしい白いリボンのついた赤い靴に、横縞の靴下が一瞬にして着させられていた。ついでに寝癖も無くなっていた。普通の人が見たら驚くと思われるが、少女にとって毎日の日課に過ぎず驚きはない。

ただまだ眠いのか、まだ目をこすっていた。


「本日の朝食は、領内で取れた小麦で作ったパンと朝鳥の産みたて卵の目玉焼きに、ミルクになります」


老人は、朝の献立をスラスラと言葉にして伝える。


「。。。みるくは、やぁ」


少女は、苦虫を潰したような顔になりミルクを拒絶する。


「了解しました。では、ミルクを辞めて牛乳に致します」


少女は、苦虫を噛み潰したまま可愛らしい舌を老人に見せつける。


2人は、寝室を出て食堂に移動する。寝室は2階で食堂は1階にある。よってどうしても階段をおりなければならない。2人は、階段の前で立ち止まる。


「。。。じぃじ、ん」


少女は、老人に向かって両手を広げ、抱き上げる許可を出す。それを受け、老人は笑顔で答え抱き上げて一段一段階段を降りる。降り切った所で少女が“降ろして”の合図として老人の服を引っ張る。だがしかし、降ろしてもらえなかった。


「じぃじ!」


「ほっほっほ♪」


老人は、怒っている少女を抱えたまま食堂へ向かう。食堂には、大きなテーブルと数多くの椅子が並んでおり、テーブルの上に持ち手のついた銀色半円型の物が置いてある。保温する為にかぶせており、中には朝食が用意されていた。

少女は、直接椅子の上に降ろされ朝食に入る。老人が、蓋を開けるように半円型のを持ち上げ先程告げた献立の朝食を披露する。お皿の上にコッペパン2つに、レタス一枚の上に目玉焼きが鎮座していた。皿の横に、ナイフとフォークが置かれ透明なガラスのコップに“牛乳”が注がれる。


「みるく、やぁ」


「お嬢様、“ミルク”ではなく、“牛乳”でございます」


老人は、諭すように優しく教えてあげる。

少女はふくれっ面になりながら“牛乳”に手を伸ばす。


「べ〜〜〜」


嫌な顔を一つして、“牛乳”を一気に飲み干す。

飲み干すのを確認して、老人が笑顔で数度手を叩き“ご立派です”と賞賛を送る。そして、白くなったお口の周りをフキンで拭き取る。


「ん“ーーーーん”」


少女は、無意識に声が出てしまう。

綺麗になった少女は、次にパンに手を伸ばす。パンをちぎりながら小さなお口へ運ぶ。ちぎりながらの為どうしてもペースはゆっくりになてしまうが、急いで食べる必要がないので構わずマイペースに食べる。目玉焼きをフォークで刺して食べ、最後に手をあわせて完食を表す。


「野菜がまだ残っていますよ」


皿の上に残されたレタスが輝いて見えた。


「じぃじ、あげる」


一言告げて椅子から降りそそくさと、食堂を後にする。


「まったく」


老人は、ため息をつきながらさらに残された残骸をフォークで刺して平らげる。残った食器をかたずけて、食堂を後にした少女を探しに食堂を後にした。


「じぃーじ!」


廊下を出てすぐに呼び止められる。


「わんわんだして」


老人が食堂から出てくるのを廊下で待ち構えていた少女は、老人に向かっておねだりをする。


「では、お庭に参りましょう」


少女は老人に手を取られ、屋外の庭へ向かう。


「じぃじ、わんわん!」


少女は、目をキラキラさせて懇願する。


「大きさはどの位にしますか?」


「かわいいのがいい!」


「では」


老人は、一声出して指を鳴らす。

乾いた音と一緒に、魔法陣が地面に浮かび上がる。浮かび上がった魔法陣から何かが飛び出し少女に襲いかかる。かなり大きく、頭が3つついた犬が少女に被さった。3つの頭が一斉に少女に襲いかかる。聞こえてくる少女の叫び。


「もぉ〜。。だめ、なの〜。なめないで〜」


少女の喜ぶ声が響き渡る。

3つの頭が交互に舌で少女を舐め回していた。勢いに負けてか、少女はされるがままで立ち上がれずなめられ続けていた。


「わんわん。。。だめよ。。まて」


「待て」の言葉を聞いた3つの頭を持つ犬は、一歩下がりお座りし待ての体勢をとった。


「うふふふ〜〜 〜♪いいこ、いいこ♪」


少女は、小さな両手で頭2つを撫でる。残った頭が恨めしそうな視線を送る。その視線に気が付いたのか少女は撫でながら、残った頭にキスをする。


「お嬢様、明日はお嬢様の誕生を祝うお誕生日があります」


老人が、明日の予定を伝える。


「じぃじ!ボール出して!」


お構いなしに、犬と遊ぶ道具を要求する。


「かしこまりました」


後ろに回していた手を前に出すと、手のひらサイズのボールが握られていた。

少女はそのボール奪うように取り上げ、広い場所に向かって全力で投げる。しかし、少女の筋力では2、3mぐらいしか飛ばなかった。飛んで行ったボールは、弾んだ後転がり制止する。それを見届けて少女は犬に命令を出す。


「とって」


少女の命令を聞き犬は、ボールに飛びつき咥えて少女の前に置く。少女は嬉しくなり、笑顔で犬を乱暴に撫で回す。犬も喜びお腹を空に向けて寝転ぶ。


「いいこ、いいこ♪」


少女は、犬のお腹を撫で回した。


「では、お嬢様。昼食のご用意が出来ましたらお呼び致します。それまで御ゆるりとおくつろぎください。じぃじはお仕事に行って参ります」


「わかった♪もぉ、め!」


少女が話をしている間中ずっと犬に舐められていた。

老人は、一度頭を下げると少女と一緒に出てきた館へと戻っていく。


白髪の老人は館に入り、迷う事なく真っ直ぐに執事室へと向かった。

中はそれほど広くは無く、机と棚が1つづつ置かれ余計な物が一切ない完全な仕事部屋である。

コツコツと靴を鳴らし、机と一対になっている椅子に音を立てずに腰掛ける。

真新しい新聞紙を広げ、湯気が立つコーヒーを片手に黙読を始める。

新聞紙にコーヒー、先ほどまで何もなかったはずなのに、当たり前のように存在する。にもかかわらず当たり前のように、これがいつものスタイルですと言わんばかりに当たり前のように嗜好する。

新聞のいく枚かめくり、2度3度湯気立つコーヒーを口につける。

老人の耳がわずかに動く。

動いた瞬間部屋にだれもいなくなっていた。


今回から、別視点のお話になります。

やっぱりそんなに長くはない感じになります。

少しの間ですが童女とじじいのお話にお付き合いください。

次回もまた来週投稿させて頂きます。

また見ていただけるように、鋭意製作中です。

是非宜しくおねがいします。

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