2つ目の世界①
今晩は。朝見てくれている方はおはようございます。
投稿を初めて3週目になりました。まだ書き溜め出来ているため、投稿頻度は落ちないと思います。書き溜め的には後4話分くらいですかね。。。もっといっぱい余裕を持てるように頑張ります。
「あらあらあら、呼んだのこっちなんのにいらっしゃいませって言っちゃうにゃ?」
「?????」
首を傾げる。頭に?マークが並ぶ。
何をいってるのか、理解できなかったからだ。
思っている事をすぐに行動に移せる。良い柔軟性である。この柔軟性を座右の銘に加えてもいいくらいに。
取ってつけたように雑な語尾。
顔を覆い隠す様に大きな猫耳の付いたフードを深く被った人が立っていた。発した声色から察するに女性らしく高めの声であった。声以外で、他に判断できる要素が見当たらなかった。
上は、サイズが大きすぎる猫耳付きフードのトレーナーで袖の部分なんかは、大きすぎて余ってしまい余った袖のせいで手が完全に隠れてしまっている。下に関しては、ダボっとしたカーゴパンツを履いている。ダボっとしすぎて裾が地面を拭き掃除している。裾のせいで履いているはずの靴すら確認できない。
体の線が、全くわからない格好となっているため声だけしか判断できる情報がない。
身長は高くはなかった。
「大丈夫 ?頭悪い?バカにゃ?」
個性が強すぎる。唐突のバカにしてくる客(神)だ。
いくら店員が下手に出なくてはならなくても馬鹿にする事はないだろう。
「???」
客(神)の頭にも?マークが飛び始める。
「説明いるにゃあ?」
ゴミ(客)は語りかける。
「い、いや、大丈夫です」
なんとなく返してしまった言葉。
理解はしていないがつい出してしまった言葉。
何を説明したいのか理解できずとりあえずで口から出てしまう。
「いやいやいや〜、理解できていにゃいだろう?」
「???」
何の理解を求められているのか、何が理解できていないのかすら理解できておらず、頭から?マークしか出てこない。
「ちょっと周りを見るにゃん」
「???」
周りを見ろと、言われた。やっぱり理解できない。?マークが頭に浮かび続ける。
周りを見ろと言われてもコンビニ自慢のありきたりな商品とかが置いてあるだけだ。。。った。
言葉と意味は、過去形になった。
「??????」
頭の?マークがさらに増えた。
言われるがまま周りを見渡したらあるはず、あったはずのものがなくなっていた。
綺麗さっぱり、跡形もなく、あった痕跡すら見当たらない。雑誌がおいてある商品棚や、コピー機など一切合切全てがなくなっていた。
そう、全て。商品もそうだが人もいなくなっていた。店を徘徊していた客(神さま)も隣にいた大学生先輩もいなくなっていた。店内に居たはずなのに完全に屋外にいる。足元もよく見ると金色に輝いている。
なぜ屋外にいると思ったのかと言うと、床に見える先が地平線まで続いているからだ。屋内では、まずありえない。ただ、太陽は登っていないにもかかわらず足元やフードを被った女性ははっきりと確認できる。きっと、金の床が輝いて高原となっているのだろうと適当に思い込み事で思考をやめる。
だが、思考は止まってはくれなかった。「何故?」「何が?」「どこ?」口からは出てこないが、疑問が脳内で溢れ出してくる。
存在しているのは自分と、語りかけてくるフードの女2人だけだった。
突然のことで糖分が足りないのか頭の回転が鈍い。考えがまとまらない。
「少しは、理解できた?」ニャ?
質問を投げかけられた。
「」
答えていい言葉を見つけられない。
口は、空いていて間抜けに見えたかもしれないが、鏡を見ていないので自分が、いかに間抜けな顔をしていたか知る由もなかった。
「いい?私がおまえを此処へ呼んだにゃ」
「?」
此処へ呼んだのは彼女らしい。
「理解力なさすぎじゃにゃいか?あ〜、も〜めんどくさい」
どうやら彼女はめんどくさいらしい。
途端に流暢に言葉を連ねてきた。
「おめでとう!あなたは人類30億人の中から選ばれました〜」にゃにゃ
すごい棒読みで、やる気のなさが伺える。
「何がですか?」
社会人かぶれの端くれの端くれ、敬語は忘れない。
たるんだ袖を大きく振りオーバーアクションを交えながら語る。
「あなたが今立っている所は、ちょ〜でっけい天秤の上ですにゃ」
(おっと、ひとの話を聞かないタイプか言った言葉を忘れるタイプの人間だ)
「この天秤は、とある世界の善悪を測る器」
「天秤?って事は反対側があるって事ですか?」
一般的な天秤は、皿を2枚づつ鶴瓶でつるし重い方に傾く測りである。
よって自分が立っている真っ平らな金色の床が皿の一枚と解釈しての質問。
「そのとある世界は今、悪性が跳梁跋扈し善性が衰退しているのです!いるのです。いるのです。。。」ニャー、ニャー、にゃ♬
オーバーアクションを繰り出し、ソロでエコーをかけて自分の演説口調を楽しんでいるのがわかった。
(コ・イ・ツ・キ・ラ・イ)
苛立ちで眉間にシワがよる感覚、感情が顔に出ているのが手に取るように分かる。
せっかく話しの腰をおらない様に質問を投げ掛けたのに全力でシカトを決め込みやがる。
「そこで、世界の調和と美の神である、私、美神△◯□◆にゃ@〓〟〓♫様が、このままだとヤバイにゃ〜と思い、世界の均衡を守る為、私の為、急遽、貴方を呼び寄せたのニャ!」
頭の部分は完全に聞き流したが、名前を名乗ったであろう部分が完全に聞き取れなかった。
言葉が違うとか発音が違うのでは無く、あからさまに世界が歪んだ様に感じるほどの感覚に襲われて認識することができなかった。
「っへ?何?今の?スッゲー頭ぐわんてしたけど?」
起きた現象に、理解できないことに答えを求めて質問する。
「っえ?もしかして神名ダメにゃの?脆くにゃい?バカにゃの?」
(ムカつく!)
イライラの中、心の中で文句を叩きつける
体調に関わる異常反応に近い反応が返ってきて、相手も軽く困惑している様だった。
ただ、困惑している内容は虚弱性についてだった。最後の一言は心に刻まれた。怒りポイントが一つ上がった。
「え〜マジでめんどくさいにゃ〜。。。にゃあ超絶美神女神さまって呼ぶにゃ」
「絶対ににゃだ」
語尾が釣られてしまった。心の底から素直に答えられた。語尾以外は100点満点のアンサーでした。
フードで顔を隠しておいて自分は美の神だと歌う。
「いやいやいや、マジで神罰下すにゃ?死にゃ?死?Deathにゃ?わかるNya?一回失ってみるかにゃあ?」
(ニャー、ニャー、ニャー、ニャーうるせー)
言葉一つで死を煽り始めた。心の狭さは一級品らしい。一回失って見ても帰ってこれる保証はない。むしろ帰ってこない保証しか人生経験で学んでこなかったし、教わってもこなかった。
「美しい女神とか言われても、美しい要素一つも感じてないんですけど!全身隠す様なかっこしてシャイですか?シャイ蔵ですか?」
怒りのボルテージを挙げられていたため少し強めになってしまう。
「いやいやいや!?裸眼直視したら目ん玉潰れるよ?見てわからにゃいか?優しさで包んでんのニャ!どうしても見たいなら、わずかに覗かしてる顎を見なさい!顎を!」
フードから本当にわずかに見えている顎を突き出し、たるんだ袖で人体の急所“顎”を指す。
「んで、シャイ蔵さん」
「シャイ蔵さん言うな!」
「なんで自分が?」
シャイ蔵は、フー!フー!と猫っぽく威嚇してきた。
自分がここにいる理由、神(自称(シャイ蔵))が選んだと言う理由を確認する。
「にゃんと、なく?」
「!!!」
小首を傾げながら言われた。
「いやいやいや!うそニャ!嘘だからニャ!」
たるんだ袖を突き出しながら否定し始めた。
「ちゃ〜んと、書類選考の末に決定されてるからにゃ」
書類なんか出した記憶がないが、話が進まないので口を瞑る。
「総数、約30億枚のにゃかから選ばれたのが貴女だったのですにゃ!牧山ツグミ!」
「いや待て」
手のひらを見せ付ける様に制止を測る。
小さい様で大きな間違いを見つけてしまった。気づいてしまった。止めざるを得ない。止めないとダメなやつだ。
「いや〜苦労したのにゃあ〜。数が数だからにゃ」
だがしかし、止まらなかった。
「適当なの送って適正無かったら血反吐吐いてすぐ死んじゃうからにゃ」
えげつないことを繰り出す。
「神名聞いてふらってっからちょっとやばいかもって思ったけど、流石に紙は、嘘つかないにゃあ〜。。。神だけに(ケラ」
「ちょっと待ってー!」
「にゃん?」
大声が出た。やっと声が聞こえたみたいで1人語りを止めることに成功した。
自称神は、何故止められたか分からず小首を傾げている。
「センセー!間違いがあります!」
間違いを訂正する為挙手しながら答える。
「ん?」
「松山なんちゃらは僕じゃありません人違いです!」
「ん??」
「完全鉄壁な男の子です」
「!?!?!?」
フードの女の僅かに見えている顎に赤い線が走る。きっと唇を噛んだのだろう。気にしない様にした。
「見てわかりません?YO!MEN!ですよ?女の子に見えますか?」
視覚情報を指摘する。
「フードが邪魔で、見えるかー!」
二つぐらいの意味でカッコが悪い。
「声だって女ぽくないでしょ?」
聴覚情報も指摘する。
「うるさい!うるさい!!うるさい!!!お前らの概念なんか知るか〜!みんな髪黒くしやがって、見分けが付かないニャ!個性を持てニャ!大事にしろニャ!個性!」
(性別は最大の個性だと思います)
次回もまた1週間後に投稿する予定です。より読みやすく、面白くなるように時間いっぱい加筆修正していきます。今後ともよろしくお願い致します。