最初の世界②
初めまして、スプリンクラーと申します。
この挨拶は10回くらいまで続けたいと思っています。
自分の学が薄い為、日本語と呼べない文体が乱立しています。
良い言い回しなど思いついた際に修正していきたいです。
何卒よろしくお願いします。
「この店いい加減トイレを借りにくる客多くないスか?」
「ほかにコンビニが無いからね」
コンビニエンスストアのレジカウンターの内側で会話が聞こえる。コンビニエンスストアのゆるい所でもある。
客が店内に居てもカウンターに立っていれば店員同士仲良く談笑してても文句を言われない事だ。流石にレジに客が来てしまったらそう言うわけにはいかないが、来るまでの暇つぶしである。
「知ってた?ここの店ってちまたでは、公衆トイレって言われてるらしいよ。」
「っえ!?じゃあ自分ら便所でバイトしてるんスか?」
アルバイト生活3ヶ月目にして衝撃の真実。家から徒歩10分で着くのに知らない情報を聞き驚く。
「トイレ貸した実績ないのに。。。」
「貸さないから嫌がらせで呼ばれてるだけだと思うけど。。。」
大学生の先輩さんは、不名誉な呼び名を付けられていることに対して苦笑いしかできないでいる。
そして、ふと壁掛け時計を見てしまう高校生後輩。終わりまでの時間が気になって確認するために目が行ってしまった。
終業まで後2時間ある事に少しテンションが下がる気がした。
ただ、レジに客が並んでいない時ほど気が楽な時は無い。逆に並んでいる時だけ気を張り詰める必要があるのでとてもつらい。レジに並ばれていない今が就業中で一番気が楽にできるタイミングで、商品の前出しや談笑も出来るのでこのバイトをしていて一番好きな時間とも言える。
「いらっしゃいませ〜」
店内で商品を物色していた客(神)様が商品を持ってレジに会計をしに来た。
持ってきた商品は、今日の晩飯なのかペットボトルと弁当の2点だけだった。
「こちら温めますか?」
と弁当を見せる。
「あ、あ、あの、、、え、、お、おねがぃ、、す」
しどろもどろになりながら、最後の方はほとんど聞こえなかったが、「お願い」と聞こえた気がしたので備え付けの電子レンジに暖かくない弁当を温めさせた。
「お会計、526円になります。」
金額を伝え、ビニール袋を広げレンジで加熱中の弁当を入れる準備をする。
「。。。」
無言で、レジ前に1000円札を置く客。
「じゃぁ、1000円お預かりします。。。お返しが474円になります」
1000円札を受け取りレジから小銭を出して手渡す。
「あ、あ、あり、がとう、ございまs」
礼を言われた。また語尾の方が聞き取りずらかったが礼を言われた。たまにお礼を言ってくる客がいる。してもらったら礼を言う。大事なことだ。
(最近の若い奴ときたらお礼一つ言うのも恥だと思っていやがる。)
さっきのゴミ(クズ)とのやりとりもあってか、心が荒んでいるのがわかった。
会計を済ませ、温かい弁当と、冷たいペットボトルを別々の袋を用意して手渡した。
最後に神(客)様は、軽く会釈して自動ドアに体当たりして転げた。
「。。。」
「///」
瞬間店内が静まり返った。
「大丈夫ですか?」
流石、大学生先輩イケメンの如く救いの手を差し伸べに言った。高校生後輩は、見ていることしか出来なかった。
神(ドジっ子)は恥ずかしかったのだろう、首を横に強く振り逃げ出すように開いた自動ドアから出て行った。
レジでただ呆然と立ち尽くしていた高校生後輩、逃げる様に退店するドジっ子(客)に向かって仕事をする。
「あっ、ありがとうございました〜」
お客様が退店するときに言う決まり文句を一言言うことに成功した。
突然の出来事でお客様も気が動転していたであろうが、そんな事態をまじかで目撃してしまって店員側も気が動転してしまっていた。
大学生先輩が直ぐに声を掛けていたのを見て感心する事しか出来なかった。
まるで、テレビを見ているかのように、第三者視点みたいに流れているものをただ眺めるだけ。
経験した事もないし、今、この時に起きるとも予想していなかった為頭が真っ白になってしまっていた。
退店する姿をみて、癖と言っていいほど繰り返してきたアルバイトのルーチンワークの一言が出せた。
店に入ってきたら「いらっしゃいませ」と、店を出たら「ありがとうございました」の二言。
毎日のように繰り返していれば、言葉の如く身に付くようで絵空で言えるようになってしまう。
リスクとしては、個人で買い物しに言った時に無意識に口にしてしまいそうになる事である。
高校生後輩は、過去に2回ほどやらかした経験を持っている。
今回は、良いか、悪いか判断できないが、退店する姿を見て条件反射のように言葉が出てしまった。
(ありがとうって言っちゃったけど、さっきの人怒ってないかな)
こけてしまったことに対して、ありがとうなんて言われたら自分ですら嫌な気分になる。
自分で言ってしまったことに軽く後悔に念が残る。
「ありがとうってどうなんだろぅ?」
大学生先輩が、語りかけてくる。
「いや、あの状況で出る言葉ってなくないスか?」
自分でもどうかと思うが、とりあえず反論してみる。
「でも、流石っスね。まじイケメンっしたよ」
ドジっ子がこけた時にすぐに手を差し伸べたこと。投げかけたセリフ。全てが尊敬に値する行為であったことを言葉にして賞賛を送る。
「イケメンって///」
「まじで、自分なんか目の前で起きてるのに何もできませんでしたよ」
大学生先輩は、賞賛を送られたことに恥じらいを見せ耳が紅くなっていた。
どうやら大学生先輩は恥ずかしくなると、耳が紅くなる人みたいだった。
(耳が紅くなった。面白い。よし!褒めちぎろう!)
悪い癖が出た、嫌がらせに近い思考が頭をよぎる。
たった今起きた現象の追求。高校生と言う人種はかなり突発的で、探究心が深く、無駄に行動派である。
思い立ったら吉日とは良く言ったものだと思う。
「まじっスよ、マジ!さっきの客も多分惚れちゃったんじゃないスか?イケメンでしたもん!あんなんされたらコロっスよ!コロっ!あんな子普通落ちてないっスもん。いいな〜、あんなん落ちてたら喜んで拾っちゃいますよ!ソッコーでお持ち帰りっスよ」
よく回る舌だことで、自分で自分を褒めたいほどだ。この舌がさっきの状況で回ってくれていれば後悔する事もなかった事に気づくが、今の状況を面白全部にする為余計な思考を排除する。
「マジか〜」
大学生先輩も耳を紅くして雑に相槌を打つ。
早口言葉に近い感じでまくし立てるように言葉を綴ってしまった為、軽く言葉の暴力にやられている感じで話し半分も理解できてない感じ、なんとなく全体の言葉からふわっと理解した感じだった。一番多く言った言葉を簡単に繰り返しただけだった。
(流石に湯気とかは、上がらないか?)
変化の確認と、慣れてきたのか紅みが和らいでいくのがわかった。
自分の褒め方がもっと良ければもっと変化したであろうと、自分の褒めスキルの低さを呪い変化観察を終了する。
きっとこの後褒めても、褒められる慣れてしまい変化は収束してしまうと思われる。
その時自動ドアが開くのが目の端に入る。
条件反射の如く出てくる言葉。
「いらっしゃいませ〜」
言葉が虚空に飛びそして、虚空に消えていった。
やっぱし言い回しが難しいです。。。
今後もっと勉強して今後に活かせるように頑張っていきます。短い文でしたが、暇つぶしになれましたら事幸いです。(良い意味でありますように)また、次回は1週間後を予定しています。何卒よろしくお願いします。