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3話 『武具屋へ』

俺達は翌日、ヴェルクの家を出て行き街に繰り出した。街の名はトルカ、というらしい。

人間圏初心者のステラとこの世界初心者の俺は色々と迷いながらある場所へ向かっていた。

それは……


「武具屋か……」


そう、武具屋である。

もちろん徒手空拳で魔物と対峙することも出来るのだろうが、レベルという数値で肉体の強さが決まる俺はまず武器を手に入れなければマズかったのだ。


「……武器ってどのくらいするんだ?」


「普通のショートソード程度ならそんなにかからないと思うわよ。

大体……500ゴルド前後かな」


……ゴルド。

この世界の通貨らしい。

俺が生前所持していた物はこちらに来ていたようで、まあまあ金の入った財布もその例に漏れなかった。

しかも都合のいいこと、中身は見たことの無いコインで埋め尽くされていた。

貨幣価値としては……大体1ゴルド2円といったところか。

ようは普通の剣1本で約1000円。

学生の小遣いからは少し痛いが、思っていたよりは安かった。


俺が武具屋の扉を開けると、


「いらっしゃい!」


筋骨隆々な店主らしき人が出てきた。


「あり物でいいからとにかく武器が欲しい。

安い……できるだけ良質な剣が良いかな」


「何だい、お前さん駆け出しの冒険者ってとこかい?防具も何も持ってない様だが」


「まぁ……そんなとこです」


「なら、その辺りに置いてあるのが良い。

初心者が扱うなら軽い方が良いだろ」


そう言って店主は少し短めの剣が多くあるエリアを指さした。


「……色々あるんだな」


俺は指をさされた付近の剣を特に分かりもしないのにマジマジと見ながら選んだ。


「好きなの選んでこい。

そこのエルフの嬢ちゃんは?」


「あぁ、私は大丈夫。

彼の付き添いだから……」


「……しかし珍しいな。街中にエルフとは……

あの少年とはどんな関係だ?」


「えっ……い、いや、別に何も……」


「偶然森で会ってな……

そして魔物に襲われて2人で逃げてきただけだ」


剣を選び終えた俺は戻って2人の会話に口を挟んだ。


「むぅ……」


ステラが赤らめた頬を膨らませてこちらを見ていた。


「……どうしたんだ?」


「……何でもない」


「…………?」


気づけば店主も何だかニヤニヤしている。

何だこの空間。俺何かしたっけ…………


「おっと、すまん。どれを選んだ?」


「コレです」


俺は持った感じ軽過ぎず重過ぎず、といった選考基準で選んだ。


「良いのか?上等なモノとは言えねぇぞ?

長く使う事を考えるとそいつは適さねぇ」


「良いですよ。

元々間に合わせなんだ」


「……そうか。

じゃあコイツも一緒にどうだ?」


店主が持ってきたのは小ぶりな盾だった。

見たところ普通の鉄製だが、同じ鉄製の剣を防ぐ程度なら問題なさそうだ。


「よし、それもまとめて買うよ」


「毎度、700ゴルドだ」


「……随分安くないか?」


「お前さんの選んだのが元々ナマクラだしな……

まぁ多少は引いた。ビギナー応援、もとい再訪希望のサービスだ」


「ははっ、正直な人だ」


異世界だったが、普通に会話出来ていた。

意外と適応能力高いのかもしれない。

俺は代金を支払い、店を後にした。

店主が俺の去り際に「頑張れよ」と言ってくれた。

普通に冒険を頑張れと言われたのだと思うのだが、何か含みがあったような……気のせいか。


店の外で俺達はヴェルクに貰った地図を開き、次の目的地へのルートを探した。


「さて、次はギルドかな……

えっと、ギルドの場所は……」


「この店がここだからこう行って……」





俺達はギルドへ向かうことにした。

そしてそこで早速トラブルに巻き込まれることになろうとは…………

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