すごいおじいさん
ある町に、すごい おじいさんが すんでいました。(なにが すごいの?)
どこにでも いそうな、ふつうの おじいさんですが……。
おじいさんは、100メートルを 2びょうで はしったことが あります。(えーっ?)
きょうりゅうを もちあげたことも あります。(うそだー!)
はないきで、ふるいビルを ふっとばしたことも あるといいます。(むりだよー!)
どうです? すごいでしょう。(すごすぎるよ!)
それから、おじいさんは なまえが すごい!
おじいさんの なまえは、ゲンジロウといいます。(どこが すごいのー?)
あの ゆうめいな さむらい、『ゆめしば げんじろう』と おなじ なまえなんです。(そんなひと、しらないよー!)
ゆめしば げんじろうは、100ぴきの わるいおにを ひとりで たいじしたと いわれています。(それは、すごいけど!)
さらに、おじいさんは もっているものも すごい!
おじいさんは、あの大にんきマンガ『はなひょろろ』を 1から3000かんを ぜんぶ もっているんです!(そんなマンガしらないよ! それに 3000かんは おおすぎだよー!)
はなひょろろを よみたいひとは、おじいさんの うちへいこう! 1さつ 100えんで よませてくれるよ。(100えん とるのー?)
ある日、おじいさんに こんな てがみが とどきました。
『こっちへ こい』
こっちとは どこでしょう。おじいさんは、とりあえず 山の ふもとの あきちへ いってみました。(たぶん、まちがってるよ!)
さすがは すごい おじいさん。てがみを だしたやつが まっていました。(えー? あたりー?)
そこに いたのは、大きな あかおにです。(ええーっ、おにー?)
あまりにも 大きいので、おじいさんは、おにの しんちょうを はかって みました。(はからなくていいよ! にげてー!)
おにの しんちょうは、3メートルも ありました。(ひゃあ!)
「おまえが すごい じいさんか。おれさまは すごい あかおにだ。どっちが ほんとうに すごいか しょうぶしろ」
おにが、はないきを あらくしました。
おじいさんは、はっはと わらいました。
「わしの なまえは ゲンジロウ。100ぴきの おにを ひとりで たいじした さむらい、ゆめしば
げんじろうと おなじ なまえじゃ」
「なにい?」
おにが すこしだけ あとずさり しました。
「そんな わしに かてるかな?」
「むむっ……!」
おにが みがまえました。
「かてる! かってみせるわい!」
おにが おそいかかってきました。
おじいさんは いきを すいこむと、おもいっきり はないきを だしました。
ふんーっ!
あかおには、あっというまに ふっとんで いきました。(ええーっ?)
「ふう、やれやれじゃ」
ひといきついた おじいさんは、おみやげの ケーキを かって かえることにしました。(おみやげー?)
いえへ かえるとちゅう、おじいさんは、ふと おもいました。
これで、まごも よろこぶじゃろう……。
まてよ……。さっきの あかおににも、かぞくは いるんじゃろうか……。
もし、いるとしたら……。
あかおにが けがでもしたら、かぞくが かなしむ……!
おじいさんは、はしりだしました。
まだ、あかおにが とばされているのなら、まにあうかもしれません。(えーっ? どうするのー?)
おじいさんは、100メートルを 2びょうで はしるくらいの はやさで、おもいっきり はしりました。もしかしたら、もっと はやかったかもしれません。(はやすぎだよ!)
すぐに、空をとんでいる あかおにが 見えてきました。(まだ、とばされていたのー?)
「たすけてくれー」
あかおにが、おちてきます。おじいさんは、あかおにを うけとめることに しました。(むりだって! つぶれちゃうよ!)
きょうりゅうに くらべれば、あかおになんて かるいもんじゃ。(そうだけどさー!)
ズシーーーーン……! ズズズー……。
おじいさんは、みごとに あかおにを うけとめました。(ひゃあっ!)
「ふっとばして すまなかったな。さあ、もう おかえり」
「ありがとな、じいさん。あんたは、ほんとに すごいわい」
あかおにを 見おくって、おじいさんも いえに かえりました。(すごいけど、ちょっと こわい)
だいじょうぶ。おじいさんは、かぞくと へいわと ピロリンを あいする、やさしい ひとなんです。(ピロリンってなに?)
みんな、これからも、ゲンジロウおじいさんを よろしくね。(だから、ピロリンってなにー?)
バイバーイ。(おわりー?)
よんでくれてありがとう。