表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緑の鍵 少年と少女の物語  作者: レイス
第二章 先代文明の遺産
32/48

遺跡の真実2

 「・・・メイスンさん。さっき言っていたオメガ線兵器って、何ですか?」

 ライトを持ち、先行するザックスは、メイスンが先ほど口にしていたオメガ線兵器について尋ねた。

 「オメガ線兵器とは、オメガ線という放射線を放つ兵器の総称です。」

 「放射線?」

 「分かりやすく言えば、目に見えない猛毒のようなものですね。それを、大量に放射し、生き物を死に至らしめる兵器です。先代文明末期に開発されたもので、文明崩壊の最有力候補と考えられています。」

 「そんな危険な兵器を、どうして昔の人は作ったんですか?」

 「分かりません。どうしてそんなものを作ったのか・・・先代文明の謎の一つです。」

 メイスンも、まったく分からないといった様子で答える。

 「・・・このデータには、オメガ線の詳しいことが色々記載されています。ですが・・・正直、ゾッとしますね。想像以上に危険なものです。詳しいことは、専門的な部分が多いので省きますが、こんな危険な兵器、文明どころか、世界を破壊しかねません。・・・いえ、現に、破壊してしまったようなものですね。このような施設がなければ、人類も今頃・・・。」

 「・・・。」

 「?どうかしましたか?」

 「・・・メイスンさん・・・この遺跡にそんな兵器の情報があるってことは・・・その兵器がまだ残って・・・。」

 「それは大丈夫だと思います。ここは、あくまで避難用シェルター・・・つまり、オメガ線から身を守るための施設です。オメガ線兵器自体は置かれていないと思います。」

 「・・・なら・・・いいんですけど・・・。」

 「・・・。」

 メイスンは、ザックスが恐怖を感じていることを察した。いくら腕が立つとはいえ、やはりまだ子供である。文明を崩壊させた原因の兵器に関係がある場所と聞いて、恐怖を覚えるのも当然である。

 「・・・ザックス君。恐ろしいですか?」

 「え?・・・あ・・・いえ・・・その・・・。」

 突然の質問に、ザックスはしどろもどろになってしまう。メイスンは、そんなザックスに穏やかな微笑みで答える。

 「・・・構いませんよ。未知のものに対する恐怖。それは、人間なら誰しも持つものですから。・・・ですが、それを遠ざけて、見ないようにしたり、安易な原因で妥協して、それ以上知ろうとしないのはいけないことですよ。」

 「・・・どうしてです?」

 「同じような過ちを繰り返すからです。」

 「?同じような過ち?」

 「まあ、ザックス君にはまだ早いですかね。今は、なんで怖いのか、を考えているだけで十分です。いつか、それが自然に分かるようになったら、詳しく話しましょう。」

 「・・・。」

 ザックスは、この時点ではメイスンの言葉の意味が分からないかった。この言葉の意味を理解するのは、かなり後の話である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ