表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緑の鍵 少年と少女の物語  作者: レイス
第二章 先代文明の遺産
27/48

新たな遺跡の発見

 「・・・これは・・・何だ?」

 「・・・取っ手のように見えるが・・・。・・・これ・・・扉じゃないか?」

 砂がなくなり、露出した遺物を見た調査員達は、困惑していた。それは、巨大な金属製の扉のようなものだった。その扉は、無数の傷が付いていたが、錆は一つも見られなかった。

 「・・・ええ、扉で間違いないようです。・・・ですが・・・この金属は、今まで見たことがないものですね。まったく劣化が見られないとは・・・。」

 メイスンも、突然現れたものに、困惑と興味が入り混じった表情で見ていた。

 「何で、こんな所に扉が?」

 「・・・おそらく、先代文明時代、この場所には何かの施設があり、それが願い年月の末に埋まった結果、このようになったのだと思われます。」

 「埋まった・・・ということは・・・。」

 「これは、遺跡です。しかも、ロボットの下敷きになっていたということは、まだ人の手が入っていない・・・未発見の遺跡ですよ、これは・・・!」

 「・・・おおー!」

 「やったぞ!」

 調査員達は、一斉に歓喜する。その様子を見ていたザックスとティックは、困惑気味でメイスンに尋ねる。

 「・・・あの・・・どうして皆、こんなに騒いでいるんですか?」

 「ああ・・・実は、この付近は、ロボットの残骸といった遺物はよく発見されるのですが、遺跡のようなものは、今まで発見されていなかったんです。」

 「そうだったんだ・・・。じゃあ、僕達の村の近くで遺跡が見つかったことって、すごいことだったんだ。」

 「ええ。しかも、まだ人の手が入っていない、未発見のものともなれば、さらにすごいことなんです。実は、遺跡の大半は、既に誰かが入った後のものを、後から調査隊が発見したというものなので・・・。」

 「そ・・・そうだったんですか・・・。」

 (・・・そんな貴重な遺跡を俺達、壊したんだ・・・。・・・まずいことしたんだな・・・。)

 (・・・絶対、僕達が壊したことは言わないでおこうっと。・・・絶対怒られる・・・。)

 自分達の仕出かしたことの重大さを知った二人は、真相は誰にも言うまいと心に決めるのだった。

 「これは、調査計画を一から練り直しです!一旦、撤収しましょう!」

 「落ち着いてください!いきなり撤収はまずいです!警備に数名と、ロボットを数機ほど残して・・・。」

 (・・・メイスンさんって、今まで真面目で固い人だと思っていたけど・・・意外と子供っぽいところもあるんだな。)

 今後のことで頭がいっぱいのメイスンと、それを諫める調査員とのやり取りを眺めながら、ザックスは今まで知らなかったメイスンの側面を知り、彼に親しみが湧くのを感じていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ