新たな遺跡の発見
「・・・これは・・・何だ?」
「・・・取っ手のように見えるが・・・。・・・これ・・・扉じゃないか?」
砂がなくなり、露出した遺物を見た調査員達は、困惑していた。それは、巨大な金属製の扉のようなものだった。その扉は、無数の傷が付いていたが、錆は一つも見られなかった。
「・・・ええ、扉で間違いないようです。・・・ですが・・・この金属は、今まで見たことがないものですね。まったく劣化が見られないとは・・・。」
メイスンも、突然現れたものに、困惑と興味が入り混じった表情で見ていた。
「何で、こんな所に扉が?」
「・・・おそらく、先代文明時代、この場所には何かの施設があり、それが願い年月の末に埋まった結果、このようになったのだと思われます。」
「埋まった・・・ということは・・・。」
「これは、遺跡です。しかも、ロボットの下敷きになっていたということは、まだ人の手が入っていない・・・未発見の遺跡ですよ、これは・・・!」
「・・・おおー!」
「やったぞ!」
調査員達は、一斉に歓喜する。その様子を見ていたザックスとティックは、困惑気味でメイスンに尋ねる。
「・・・あの・・・どうして皆、こんなに騒いでいるんですか?」
「ああ・・・実は、この付近は、ロボットの残骸といった遺物はよく発見されるのですが、遺跡のようなものは、今まで発見されていなかったんです。」
「そうだったんだ・・・。じゃあ、僕達の村の近くで遺跡が見つかったことって、すごいことだったんだ。」
「ええ。しかも、まだ人の手が入っていない、未発見のものともなれば、さらにすごいことなんです。実は、遺跡の大半は、既に誰かが入った後のものを、後から調査隊が発見したというものなので・・・。」
「そ・・・そうだったんですか・・・。」
(・・・そんな貴重な遺跡を俺達、壊したんだ・・・。・・・まずいことしたんだな・・・。)
(・・・絶対、僕達が壊したことは言わないでおこうっと。・・・絶対怒られる・・・。)
自分達の仕出かしたことの重大さを知った二人は、真相は誰にも言うまいと心に決めるのだった。
「これは、調査計画を一から練り直しです!一旦、撤収しましょう!」
「落ち着いてください!いきなり撤収はまずいです!警備に数名と、ロボットを数機ほど残して・・・。」
(・・・メイスンさんって、今まで真面目で固い人だと思っていたけど・・・意外と子供っぽいところもあるんだな。)
今後のことで頭がいっぱいのメイスンと、それを諫める調査員とのやり取りを眺めながら、ザックスは今まで知らなかったメイスンの側面を知り、彼に親しみが湧くのを感じていた。