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夜会へ行こう1

相変わらずのお約束的展開です。

楽しんで頂いたら幸いです。

アイザック殿下の小間使いに身を落としてから早2週間。

アイザックの仕事は多岐に渡っていた。


王家直轄の領地の中、幾つかアイザックが頂いている領地の政務は勿論の事。

魔法騎士団を筆頭にした各騎士団の政務。

国内の治水や貿易の遂行状況。

他にも雑多なものが色々あった。


アイザックが言うには皇太子は今外交で忙しい為、アイザックが国内の問題に当たっていると言うのだ。

まぁ、その為に隣国の姫様を妃に迎えたのだが…。

本当に王族って大変だよね。

自分の結婚相手も自由に選べないのだから…。

そう思うとアイザックにも同情してしまう。

まぁこの場合政略結婚のお相手にも言える事なんだけどね。

かく言う私もそれ程自由な結婚はないだろう事は分かってた。

せめて結婚するまでは自分の自由にさせてもらいたい。

自由恋愛したい訳ではない。

単に兄と楽しい思い出を作りたいだけなのだ。

良いじゃないそれ位。

どうしたって兄とは結婚出来ないのだから。

少し位夢見させてよ。

そんな事を考えているとアイザックがミッシェルに声を掛けて来た。

「今日ドレスが出来るのだが、先に私の所へ届く事になっている。似合いそうな装飾品も合わせて贈りたいから更に1週間時間をくれるかな?」

「え?」

ミッシェルは目をパチクリとさせて驚いた。

そんなの頂いたら真面目に貢がせてない?

不味いでしょう。

「アイザック。装飾品なら母のを借りるから気にしないで下さい」

歴代の装飾品が母の宝石箱に唸っているから。

母も多分夜会に行くと言えば快く装飾品を貸してくれると思うんだけど。

と、思うもののアイザックは否と言う。

「女装する事を自分の母君に言うのかい?それは許容出来ないね」

アイザックはビシリと指摘して来る。

まぁ確かに殿下達からしたら女装する変態になった息子に世の母親が快く装飾品を貸すわけないだろう。

と言う事なのだが。


…別に、私、正真正銘女だし。


って言えたならね…。


こんな無駄使いしなくて良いのに。

あ~勿体無い。

ミッシェルは以外と変な所が守銭奴だった。

大概の女性ならアクセサリーをくれると言われたら喜ぶものなのに、ミッシェルにはそう言った感性が乏しいらしく顔中から「勿体無い」と語っていた。

アイザックは苦笑すると

「前にも言ったけど、余興と娯楽にはお金が掛かるものだから。ミッシェルは単にそれに付き合っている。まぁ報酬程度に思って貰っていいよ。それにいつも私の仕事を手伝って貰っているからね」

それに将来的には結婚相手に贈ったら良いし貰ってよ。とまで言ってくる。

確かにアイザックの小間使いの給金と思えと言われればそれまでだが、それじゃあまりにも高給取りではないか。

眉をひそめる私にアイザックは「じゃあ私と女装で踊る料金だと思って」なんて事まで付け足して来た。


何?


それ?


私、殿下とも踊らなくてはいけないの?


何の罰ですか?


と真面目に問い掛けたくなった。


如何にも嫌ような顔をしていると

「君も大概失礼だよね。私と踊りたいと言う令嬢は掃いて捨てる位いるのに」

それ自分で言う?

「いや…。私、男ですから」

一応言い訳をしてみる。


そんな私達のやり取りを見ていたジャクが非生産的だな…。

とため息をつくいたのは言うまでもない。



*******



そんなこんなとやっている間に夜会の日を向かえていた。

「お兄様変ではないでしょうか?」

始めての夜会用のドレスに顔を赤らめながら上目遣いに聞く。

「そんな事ないよ。そうだな。予想以上の美人さんで兄妹じゃなきゃ告白していたかもね」

その言葉…鼻血が出そうです。

とミッシェルは思った。

そして、そんな鼻血の出そうな状態で兄の装い見蕩れています。

本日の兄は青みがかった黒を基調としたテイルコートに身を包んでいた。

白のシャツに白のクラヴァット。

そしてクラヴァットを押さえる様に刺されたサファイアで出来たストーンカメオのピン。

兄の紺碧の瞳にとても合っていて。


お兄様…まるでおとぎ話の王子様宛らのお姿…。


格好良過ぎです。


お兄様とファーストダンス考えただけで萌え死にそうです。


ミッシェルは鼻息荒く馬車に乗り込んだのでした。






お読み頂きありがとうございました。

また読んで頂いたら幸いです。

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