模範試合8
午後からは後半戦の始まりだ。
レイモンドとは最終戦で戦う事になる。
まぁ。
何処でも負ける気はしないけどね。
そう思い魔法を駆使して最短で勝負を終わらせて行く。
最終戦はレイモンドとなのだ。
体力温存。
絶対負けられない。
って言うか女の敵をぎったんぎったんにしてやらなければ。
そう思いレイモンドを睨み付ける。
すると彼方も此方を見ていた様で、何を勘違いしたのか手を振られてしまった。
何処までも人を馬鹿にしている。
そう思い溜め息を吐く。
先程のアイザックの話によれば、レイモンドは男としての甲斐性なしだと思う。
しかし、何故か令嬢方からは熱い視線が注がれている。
やはり将来的に爵位持ちになる男性だからなのか……そう思うとため息が出てしまう。
確かに将来性のある男性に群がる女は多いと思うけど、それを摘まみ食いして楽しむ方もどうかと思う。
どっちも悪いだろうと言われたって、摘まみ食いされた方としたら許せないよね。
多分、今熱い視線を送っている令嬢方はまだ社交界デビューをしていない為にレイモンドの黒い噂は知らないのだろう。
そう思い更に溜め息を吐いてしまった。
さて、当のレイモンドはあれだけ言うだけありとても強い。
力・技・魔術どれもバランス良く、この年齢でこれ程のものなら辺境伯も手放したくないだろうと多少納得してしまう。
但しそれはあくまでも表面上の話だ。
魔術に多少の陰りが混じっているのが気になる。
回りを見るに先生達も気付いていない様だ。
あまりレイモンドの事は気にして見たことはなかったが、以前からこうなのだろうか?
あの辺境伯でさえ気付かない?
そう思いレイモンドの駆使する魔術をじっと見た。
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