模範試合2
正直言って見るに値しない試合だった。
アイザック以外が皆へなちょこで、これは先生方の贔屓なのでは?
と真面目に思った位である。
力量の見極め?
無理でしょう。
あんなに力の差があってはもう大人と子供である。
事実次の第二グループは結構見れる試合だった。
今回の模擬試合に出ている35名の中で、貴族の噂で剣の腕が確かなのはこのクラスでも5人程度。
内3名が何故か私のグループに居る。
もう悪意しか感じられない。
今までの授業を見るにその5名以外は其ほどでもない。
多分皆文官を目指しているのだろう。
そう辺りをつけた。
私のグループは最終組でまだまだ出番は来ない。
と言うか、今日中に回ってくるかさえ怪しい。
第二グループが終わる頃アイザックが私の隣にやって来る。
ジャックは次の試合のグループの為にスタンバイしている。
「アイザック。お疲れ様です。順調な出だしですね」
あからさまな私のお世辞に思いっきり苦笑しているアイザック。
「嫌味か?あの程度の者の寄せ集めに私が負けるとでも?」
何処と無く機嫌悪そうなアイザック。
やはり気付くよね。
「先生方も殿下に気を使っているんですよ。大目に見てやって下さい」
そう言う私の右隣でアイザックが思いっきり肩をすくめた。
「ミッシェルのグループは結構な精鋭揃いだな。大丈夫か?」
心配する様に言って来る。
「魔法が使えるので大丈夫ですよ」
そう言うとニマリと笑う。
何せ私達兄妹の中でも魔法を使わせたら一番だと自負している。
多分この国で魔法戦で私に勝てるのは魔術師団長をしている叔父位のものだろう。
幼い頃から魔術は叔父に手解きを受けている。
ほくそ笑むミッシェルを見ながらアイザックは入試の結果を思い出す。
確かに魔術は相当なものだろう。
何せ叔父上がべた褒めだったのだから。
何故か遠い目になってしまう。
「アイザック。第三グループが始まりますよ」
ミッシェルの声でアイザックはふと前を見る。
ジャックを含めた5人が審判をする先生に礼をしている所だった。
「ああ」
ぶっきらぼうに言うアイザックに思わず苦笑してしまう。
「やはりジャックにも先生方は気を使っているようですね」
「そうだな」
あまり見る価値がないと判断し、私はアイザックに昨日の非礼を詫びようと隣を見た。
「アイザック……」
上目遣いにアイザックを見やれば、いつものポーカーフェイスが崩れる。
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