ルイーゼ=バラライカ嬢の臆病なオオカミ
前作を読まないと意味が通じません。ごめんなさいm(_ _)m
今、私の家には冒険者が滞在しています。名はヨハネ、魔法騎士でB級、二つ名は博打打ち。そう、半年前に完成した私の恋人で有機ゴーレム。だけど、
「こんなに駄犬属性なんて聞いていないわ!!」
そうよ、私は主人。
「御髪をお拭きします。いえ、御酒をお持ちしましょうか?」
「お酒を頂戴!」
例え、お風呂の出待ちをされていても!
バスタオル一枚で湯殿を出るとそこには満面の笑みのヨハネ。飛び切りの笑顔を浮かべながら、完全なる計算の元、崖っぷちで死とのダンスを踊る。故に博打打ちのヨハネ。
何でいるのよと問えば、クスリと笑ってはぐらかされる。寝間着と共に葡萄酒を置いて、
「着替え終わりましたらお呼びください。御髪をお拭きいたします。」
何というか、甘えたがりなのに聞き分けが良すぎる。私は彼を隅々まで創った。
丸い指の先に、濡羽色の髪、ヨハンナのイメージで中性的な顔立ち、ずっと身近にあった王家の気品。冒険者にふさわしい伸びやかな筋肉にいつか私とつがいになる場所まで。
私はベッドの下から新しい夜着を取り出した。珊瑚色の薄物で濡れたように体のラインに沿う。
「ヨハネ、もう良いわよ。」
今の私は美しいかしら?ドアのまともに見られない。
でも我慢が効かないもので、私はヨハネの方を見て固まった。ヨハネも固まっていた。
「何処で買ってらっしゃったのですか、こんな汚らわしい、憎らしい、羨ましい、美しい、えーっと、麗しいお召し物を!」
「……前半と後半で言ってることが真逆だわよ。」
ひとまず、度肝を抜く事には成功したようね。
「このようなことは許されません。こんな、こんな……パねぇよ畜生!!」
「ふふっ、冒険者になって口が悪くなったわね。」
なんだか、なにかに勝った気がして、私はしばらく笑っていた。
「至急、お召し物を買われた店をお教えください。潰して参ります。」
それ世間で何て言うか知ってる? (モンスターカスタマー!!)
「落ち着いて、ヨハネ。これは私が望んでやったことよ。私と……貴方のために。私は貴方にもっと近くで可愛がって欲しかっただけよ。」
首に腕を回してキスをした。背中に腕が回って、暖かいのにとても静かだった。
「貴女は残酷だ。肉体があるのに触れられないから私は死を願ったのに。貴女は私を作り直した上に、触れて欲しいと言う。私が全てを求めたら貴女は多分、月満ちぬ子を産む。貴方の名誉が傷つく。赦されないことです。」
そう言いながらヨハネは私の脇腹を撫でた。すべてが過ぎ去るまでこうして接吻けて静かにしていようということになった。
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