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短編集  作者: あまやま 想
作り手のヒヤリハット
17/21

ナマケモノとコウモリと...

全てが嫌になって、ナマケモノになりたいと思った。木にぶら下がっているだけで気楽で良いよな…。


しかし、ずっとぶら下がっているのはきつそうに思えた。奴らにはあれが一番楽な姿勢だろうけど…。人間にはマネできそうもない。


コウモリってすごいよな!

ずっと逆さまなのに平気なんだから…。人間は逆立ちで5分も持たないだろう。


これで良い詩でも作ろうと思ったら、ある事を思い出して…すぐにハッとした!


このまま作ると金子みすゞさんの「私と小鳥と鈴と」と全く同じ過程で詩を作る事になる。これは場合によっては盗作を疑われるだろう。


実に恐ろしい事である。別に意識して盗作しようとしている訳でもないのに、偉人の残した名作や名言と言うのは潜在意識まで深く刻み込まれているのだから…。


やはり、名作や名言と言う物は学校の教科書にもたくさん載っているし、普段の生活でもよく目にする。あまりにも身近過ぎて、作品その物はもちろんの事、考え方や思考回路まで影響されてしまう。


それでいて、よほど意識しないと名作や名言の出処を忘れてしまう。そうすると、あたかも自分で考えて思いついたかのように錯覚してしまうから危ない。


今回は偶然にも気付けたから良かった物の、そうでなければ私は著作権侵害で訴えられていたかもしれない。


今回はいかに名作や名言の影響を無意識のうちに受けているか思い知らされた。そうならないためにも作り手は過去の作品や歴史的な流れなど意識して記憶するべきだろう。


万が一の際、知らないでは済まされないのだ。自らを守るためにも、自らの作品の奥行きを深める為にも、制作分野の名作や名言くらいは覚えておきたい。


しかし、個人の記憶なんて高が知れてる。そんな事で事足りるなら、プロが製作発表後に著作権侵害などで訴えられる事が起こるはずもない。


プロでさえ、過去の製作分野を網羅しているわけでもない。ましてや、我々のようなアマチュアでやっている連中は作品を作るたびに自分の記憶を疑ってかかった方がよい。


それこそできる事なら発表前に知人にチェックしてもらう事で無意識の著作権侵害が防げるかもしれない。こんな時代だからこそ、相互点検がますます重要視されるだろう。


作り手の意外な盲点に気付かせてくれたナマケモノとコウモリには感謝しなくては…。

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