☆7.悪者
幸子はこっちを見て、ニヤッと笑う。
ゾクッとした。
休み時間に幸子は皆に囲まれ、いろんな事を聞かれている。
「どこから来たのー?」
などを聞かれていた。
「あの転入生、凄い人気だね〜。まあまあ可愛いしね」
「そうだね」
あたしは作り笑いをした。今はそんな笑いかたしかできない。ずっと幸子の事を穂奈美ちゃんと話していた。
授業中も幸子の事が気になって仕方なかった。
そして、部活の時間がやってきた。
幸子は男子に
「山根はどこの部活に入んのー?」
と聞かれている。
幸子は、
「女子バスケットボール部に入んのー」
と答えた。“女子バスケットボール部”?
そうか…。
幸子は、同じバスケなら話すきかいがある。そう思ったに違いない。
でもはなすだけじゃあ、全然恋の邪魔にならないよ…。
あたしそんくらいなら全然平気だし…。幸子は一体なにがしたいんだろう。
体育館へ来た。
後ろには、幸子がいる。
あたしは幸子に話しかけてみる。
「幸子、あんたさぁ、歳をとる魔法使ったでしょ」
すると幸子は周りを見て、目薬をさす。
「あんた、なんで目薬なんか…」
あたしが言いかけると、幸子はしゃがみ、目を手で隠した。
「深奈ちゃん。酷いよぉ。あたし何も知らない…。本当に…」
と泣いてるフリをする。
「なんだ?話って」
そこにはあたしの好きな人、坂井先輩が立っていた。
「先輩…?」
何…?
別に呼び出してないよ。
「高梨がこの手紙を使って『先輩に話があるんです』って呼び出したんだろ!それに、その子泣いてるじゃん!高梨が泣かしたのか?!」
あぁ…。
分かっちゃったよ。
幸子。
手紙を使って呼び出したのは、幸子なんでしょ。
そしてここに呼んで、あたしを悪者にする。そういう事だったんだね。
あたしはその場に倒れてしまった。
なんか長くなりそうですー。