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『悪女』を求められたので、貴女の好きな人はいただきますね?

掲載日:2026/03/19

 悪女であれ。

 母が亡くなってすぐ、私はそう言われた。


 母の死後、父が愛人だった女性と彼女の連れ子を家に招いた日から全てが狂った。

 私の人生は義妹アントニアの為のものになった。


 アントニアの地位を上げる為。彼女が社交界で素晴らしい地位を手に入れる為。

 その為に搾取されるだけの存在となった私は、彼女を虐げる悪女を長年演じ続けた。


 どれだけ嫌でも、伯爵家の娘が家を出て生きられる程この世は甘くない。

 家においてもらう為にも、両親や義妹の命には従わなければなかった。


 両親やアントニアが流した私の悪評や、私自身の芝居の効果もあり、私は順調に悪女としての評価を集めていった。

 誰も私に近づこうとはしなかった。



***



 成長し、王立学園へ通うようになった。

 アントニアは義姉シャーロットに虐げられながらも周りに気を遣うことが出来る心優しき女性として多くの者の目に留まるようになり――元々容姿が整っていた事もあり、異性からの人気も集めていった。


 このまま順調にいけば、きっと良い嫁ぎ先も見つかるだろう。

 その後、役目を終えた私は修道院送りか……良い噂を聞かないような貴族のもとへ無理矢理嫁がされるかのどちらかだろう。


(もし後者なら……いっそ夜逃げでもした方がマシかしら)


 どうせまともな運命を歩めないならせめて、自分自身で足掻いてみるもの良いかもしれない。

 そんな事を考えながら私は裏庭へ向かう。


 今は昼休憩。

 悪評のせいで嫌がらせを受ける事が多かった私は人目を避けて食事をとることが日課になっていた。

 しかしこの日……普段ならば誰もいないはずの裏庭には先客がいた。


「チッ、どいつもこいつも揃いも揃って……。貴族としての最低限の節度程度備えられないのか」


 舌打ちと共に毒を吐くのは黒髪の美青年だった。

 制服に身を包んだ彼の招待を私は知っている。

 というか、知らない者などいないだろう。


 ――王太子、ルイス様。

 我が国の未来の国王だ。


 容姿端麗、文武両道、品行方正。

 学園の有名人である彼の姿を見間違うはずもない。

 しかし、私は彼の様子が何かの間違いではないかと疑っていた。


 何故なら時折見掛ける彼も、噂で耳にする彼も……物腰柔らかで、人柄にも非の打ち所がないと言われるような人物なのだ。

 目の前で顔を顰めて舌打ちをするような青年が完全無欠の王太子殿下と同一人物だとは俄かに信じがたい。


 けれど……この瞬間、私の本能は告げていた。


 『ここから逃げろ』と。

 あれが王太子殿下なのであれば、彼が隠し通している裏の顔を見てしまった私は彼にとって不都合な存在だろう。

 私が目撃したという事実に気付かれれば面倒な事になる。


 そう考えた私は即座にその場から逃げようとした。

 しかし、時すでに遅し。


「っ、誰だ!」


 私が身を引こうとした瞬間、殿下は私の存在に気付いた。


「……っ!」


 鋭い声に驚いて体を強張らせる。


「……シャーロット、嬢?」


 私も学園での有名人だ。悪女である私の名をどうやら殿下も知っていたようだ。

 招待を誤魔化して逃げる事も出来そうにはない。


「見ていたのか」


 私は口を閉ざし、視線を落とす事で精一杯だった。

 気まずい沈黙がその場に落ちる。

 やがて……殿下は深い溜息を吐いた。


「いくら鬱憤が溜まっていたとはいえ、迂闊だったか……」


 それから彼は私へ詰め寄る。


「この事は、黙っていてくれないか」


 勿論。

 言いふらしたとて私にメリットは何もないため、そう答えようとした。

 しかしそこではたと気付く。


 これまで彼の本性に関する話は一切出回っていない。

 という事はこの秘密は彼が徹底して守るだけの重大なものであるという事だ。


 これは……もしかしたら、利用できるのでは?

 そんな考えが過った。


 このままでは私は人生の転落を免れない。

 しかし万が一にでも王太子の後ろ盾を……そうでなくても多少の助力を頂けるのであれば、もしかしたら今からでも最悪な事態は回避できるのではないか。

 そんな考えが過ったのだ。


 こちとら十年は悪女を演じている訳だ。

 今更嫌な顔をされる事に抵抗はない。

 それよりも、悪い噂しか聞かない三十は年上の悪徳貴族へ嫁がされる……などという事態を回避する方が先決であった。


「勿論……と、言いたい所なのですが、申し訳ございません。わたくし、口が軽いとよく言われますから、確約は出来ないかもしれません」


 白々しく困った様な顔をすれば、殿下の眉がぴくりと動く。


「まさか……この私と取引でも持ち掛けるつもりか?」

「滅相もございません。ただ、わたくしの口はご恩を感じた分だけ硬くなるようですので」


 ダメ元での駆け引きだ。あっさり断られたって良い。

 この発言で私が何かに咎められる事も……きっとないだろう。

 そう踏んだ私は殿下の反応を窺う。


 ルイス殿下は瞬きを何度か繰り返していた。

 それから――突然プッと吹き出し。


「ッ、ハハハッ!! 面白い! 私に駆け引きを持ち出した女性は君が初めてだ」


 髪を掻き上げながら笑った彼は品定めをするように私の顔を覗き込む。


「それで? 望みというのは?」


 ルイス殿下は話を聞く姿勢を見せた。

 私はこの賭けが成功を収めた事を確信しながら笑みを深めた。


「……私の逃げ道を、ご用意いただきたいのです」


 十年間鍛え続けた悪女スマイルである。


***



 その日を機に、ルイス殿下は昼休憩に裏庭へやって来るようになった。

 何でも、休憩時間になると所構わず令嬢達に追いかけ回される事に頭を悩ませていたとか。

 わざわざ裏庭に訪れる生徒は殆どいない為に、彼が安らぎを得る場所としてここは都合がよかったらしい。


「それにしても『悪女』は偽りの姿、か」

「疑いますか?」

「いいや?」


 それぞれ昼食を食べながら会話をする。

 私の問いに、ルイス殿下は首を横に振った。


「君が噂程愚かな人間ではないことは話してすぐに理解した。それどころか……愉快な人物である事もな」

「……そうですか」


 一体私の何が彼の琴線に触れたのかは分からないが、事態はあまりに好都合に転んでいた。

 私は自身の置かれた状況を詳細に説明し、今後家を出る選択をした際の受け皿を求めた。

 すると彼はそんな私の望みを簡単に承諾してくれたのだ。


 その後、暫く他愛のない話をしていた私達だが、そこへいくつかの女性の声が聞こえてくる。


「ねぇ、ルイス様見なかった?」

「あちらにはいなかったわ」

「最近休憩時間になると見失ってしまうのよね……一体どちらに行ってしまわれたのかしら」


 その声に気付いた途端、ルイス殿下は顔を強張らせると颯爽と近くの木の陰に身を隠した。

 剣術にも優れているという噂を証明するかの如く、颯爽とした動きだった。


 幸い、女子生徒達の声はだんだんと遠ざかって行った。

 その声が完全に聞こえなくなってから、ルイス殿下はそろりそろりと先程までいた場所へ戻って来た。


「迷惑だと言えばいいではないですか」

「ああいうのは優しく言っても意味がないんだ」

「強く言えばいいだけでは?」

「皆の『王太子』像を知らない訳ではないだろう。それに、苦手なものや弱みというのは見せないに越した事はない。どのような形で付け入られるか分かったものではないからな」


 確かに、彼が言うのは王太子に求められる要素の一部なのでしょう。


「厳格な『正しさ』を求められる……というのも、大変そうですね?」


 ルイス殿下が目を瞬かせる。

 私の顔をまじまじと見てから彼は笑みを深めた。


「確かに……『悪』を求められる君とはまるで反対だな」


 くすくすと笑う声が二つ、裏庭に響く。


「『王太子』としての鎧が邪魔だというのならば、取っ払って差し上げましょうか?」

「取っ払う?」

「ここに、『正しさ』をぶち壊すにはとっておきの悪女がいるでしょう? 王太子という枷が貴方の自由を奪うのならば『悪女』のせいにしてしまえばいいのです」


 私は別に善人ではない。

 これはルイス殿下の為だけの提案ではなかった。

 私に嘲笑を浴びせる有象無象が困る姿を見て、すっきりしたかったというのが主な理由だ。

 そしてその現場に、ルイス殿下がいるならば心はより一層躍りそうだとも思った。



***



「ルイス様ぁっ、よければ今日のお昼は私達と如何ですかぁ?」

「すまない、少々用事があってね」

「では、別の時間に少しだけお勉強を――」


 私は休憩時間にルイス様を取り巻く女子生徒達を見つける。

 なんとその筆頭がアントニアだったというのには少々驚いた。

 しかしそれならばより面白くなるというもの。


 私はアントニアを突き飛ばしてルイス殿下の前に出る。


「ルイス殿下ぁっ」


 猫撫で声で、上目遣いで。

 それから私はルイス殿下の腕を自分の腕に絡ませて無理矢理女子生徒の輪の中から引っ張り出した。


「どうか、このシャーロットにお時間を割いてくださいませ」

「シャーロット嬢……!? す、すまない、少し待……」

「さぁさぁ! 参りましょう、ルイス殿下?」


 白々しく驚いて見せる彼の腕をぐいぐいと引いてその場を去っていく。

 一瞬振り返れば、ものすごい形相のアントニアと目が合ったので笑っておいた。

 私に『悪』を求めたのはほかでもない彼女なのだ。


 私達は徐々に早足になり、やがて駆け足で裏庭へ向かう。

 互いに顔を見合わせ、どちらともなく大きく吹き出し、声を上げて笑う。

 そうしていつもと同じ場所へ駆け込むのだった。



***



 心優しいルイス殿下を誑かそうとしているだとか、ルイス殿下が悪女のせいで道を踏み外してしまうかもしれないだとか、そんな噂が流れるようになった。

 私も殿下も大して気にしてはいなかったが、周囲は私が殿下を無理矢理連れ出す度に顔を顰めたし、何名かは私に忠告してきたりもした。

 まあ、今更厳しい言葉に傷つくような繊細さは持っていないのでその度に欠伸をしながら退散したのだが。


 そんなこんなで気が付けば王立学園は年度末を迎えていた。

 学園では年に一度、年度の締めくくりとして豪華なダンスパーティーが開かれる。


 義母の妨害によってろくに淑女教育を受けられていない私にとっては億劫な行事でしかないが。

 何せ、ダンスがろくに踊れないのだ。


 夜会に出席する度、私は『淑女としての最低限の教養すら積めない愚かな娘』として笑い者にされてきたものだ。


「明日はダンスパーティーか」

「そうですね」


 この日は直前の講義の教室が別だった事もあり、私達は別々に裏庭へ集まっていた。

 そしていつも通り昼食をとっていると、ルイス殿下が話し掛けて来た。


「そういえば、そろそろ君との約束を叶えられそうだ」

「本当ですか? 一体どんな?」


 もし彼の用意した受け皿が期待以上のものであるならば、人生の転落を待たずして家から逃げる事も視野に入ってくる。

 そう思って聞けば、ルイス殿下は私の口元に人差し指を立てた。


「明日、ダンスパーティーで教えてやる」

「……私、ダンスパーティーは休むつもりなのですが」

「だろうと思った。それでは私がつまらないだろう」

「私が恥を掻くのを見たいというのですね」

「今更掻く恥がどこにある?」

「少しは肩を持ってくれてもいいんですよ」


 私達は笑い合う。


 こんな風に軽口を言い合える程度にはルイス殿下とも打ち解けていた。

 彼は気付いていないだろうが、私の中で彼の存在は決して無視できないものとなっていたのだ。

 だって……こんな風に心を許し合える存在など、これまで存在しなかったのだから。


 とくとくと脈打つ鼓動を感じながら私は何でもない風を装う。


「仕方ありませんね。ご褒美の為に、恥を掻きに行きましょう」


 私は彼の誘いに乗ることにした。



***



 ダンスパーティー当日。

 私は会場である大広間の隅で息を潜めていた。


 なるべく悪目立ちしないようにという考えによるものではあったが、それでも尚私を見つけた生徒達は私を蔑み、嘲笑した。

 そして更には……


「きゃあっ!!」


 どこからともなくアントニアが姿を現したかと思えば、私の目の前で転ぶ。


「ひ、酷いわ、お義姉様……っ」


 アントニアは目に涙を浮かべてそう言った。

 周囲の批判的な視線が一層私へ集まる。


 だから来たくなかったのに。

 そう思うが、ここで『悪女』を演じなければアントニアはその事実を両親に伝えるだろう。

 そうすれば余計に厄介なので、私は彼女の望むよう動いてやろうとする。


 その時だった。


「何事だ」


 聞き慣れた声がする。

 人混みを掻き分けて姿を現したのはルイス殿下だった。


「る、ルイス様ぁ……っ」


 アントニアは一瞬嬉々とした笑みを浮かべてからすぐに悲しみを表情に浮かべた。


「お義姉様が、私を突き飛ばして……っ」

「突き飛ばした……?」


 アントニアはルイス殿下の同情を買おうとした。

 しかし。


「私は貴女が一人で転んだのを見たのだが」

「……え」

「貴女が不自然な足取りで姉君の傍へ近づくのが偶然目に留まってね。もしや酒でも回っていたのではと案じていたのだが……」

「そ、そんな事は――」


 どういうことだ、と周囲が僅かにざわめきだす。


「見間違いではない。私ははっきり見た。……何故そのような嘘を?」


 アントニアは強く否定することが出来ない。

 何故なら相手は王太子だから。

 ここで否定をすれば王太子の過ちだと主張するのと同義。それが事実でないならば不敬でしかないし……事実でないことはアントニア自身が理解している。


「お……思い違い、だったかも……しれません」


 よってアントニアは、そういうしかなった。


「そうかい」

「で、でも……っ! それは普段からお義姉様に虐められていたからで……っ」


 しかしアントニアは諦めない。

 なんとしても私の評価を落としたい彼女はいつもの悪評をでっち上げようとする。


「そうなのかい? それが本当ならば大変な事だ。具体的な日時は?」

「ぐ、具体的な……?」

「昨日とか。ああ、そういえば昨日の昼は彼女が誘いに来なかったな」


 ああ、なるほど。

 私は合点がいった。彼が何をしようとしているのか。


 アントニアが活路を見出したように殿下の話に食いつく。


「そう! 昨日の昼休憩だって私、呼び出されて長い間意地悪を……」

「――あ、でもその後は結局共に過ごしていたな」

「…………え?」


 アントニアの顔色が変わる。

 自分の発言が次の瞬間には嘘であると証明されてしまったのだ。


「ははは、すっかり忘れていた。……おや、でもそれでは――君の今の発言は偽りという事になるね?」

「な、る、ルイス様……?」


 たった今、アントニアの化けの皮がはがされた。

 周囲の生徒達は動揺から騒ぎ出す。


「私はね、シャーロットが噂のような人物でない事にはとっくに気付いていたんだよ。だからこそ何故彼女にこのような悪い噂ばかりが流れるのかと疑問に思っていたのだが……なるほど、貴女が原因だったのか」

「ち、ちが――」

「まあ、私の今の発言が事実かどうかは……この先明らかになるだろう」


 そう言うとルイス殿下は私に笑いかける。


「シャーロット」


 そして私の前に手を差し出し……


「私と婚約してくれ」


 ……と、言った。


「…………え」


 予想外過ぎる出来事に私は唖然とする。

 周囲も騒然としていた。


「貴女と時間を共にするうち、心が踊ることが増え、毎日貴女に会うのが楽しみで仕方なくなっていた。そして思ったんだ。……貴女を、周囲の悪意から守りたいと」


 それに、と続けた殿下は周囲に視線を巡らせる。


「婚約後、私や王宮の護衛が彼女につく事になる。彼女が何か怪しい行いを取れば、すぐさま私の耳に届く事だろう。逆に……彼女のアリバイが証明され続ける中、悪評がピタリと止んだならば……これまでの噂の真偽はより怪しむべきものとなる」


 確かに、私はあわよくば王太子の後ろ盾をと望んでいた。

 そして、家から逃げた先の受け皿を、とも。


 しかしこれは……予想外でしかない。


「……シャーロット」


 ルイス殿下が私の耳元で囁く。


「これで約束は果たせるだろうか」

「は、はたせるもなにも……」


 じわじわと顔が赤くなる。

 きっと今の私は、悪女ではない……ただの、初心な少女のような反応をしてしまっていた事だろう。


「…………うれしい」


 無意識のうちにぽろりと漏れた本心が私の羞恥をより掻き立てた。

 そんな私を見たルイス殿下は目を丸くし、それから……


「それは――承諾と、とらせてもらうからな?」


 そう言って彼は私の手を引く。

 そしてそのまま私をダンスホールの中央まで連れ出した。


「ちょ、ちょっと……!」

「慌てることはないだろう? 君がダンスが下手な事はどうせみんな知っている」

「でも、殿下のダンスの見栄えとか……っ!」

「それこそ気にしなくていいだろう。そうやって場を搔き乱すのが……『悪女』の役目なんだろう?」

「……っ!」


 半ば無理矢理強いられて踊るダンスはやはり、酷いものだった。

 途中でルイス殿下が耐え切れずに笑い声をあげる。


「……っ、だから言ったのに……」

「いや、はは、確かに酷い。……だが」


 甘い微笑みが、すぐ近くにあった。


「……こんなに楽しいダンスは初めてだ」


 形式とか体裁とか、何もかもを無視したような出鱈目なダンス。

 王族どころか、貴族令嬢にだって許されはしないようなステップで、私達は格式高いダンスパーティーの印象を台無しにしていく。


 けれどそれに対する抵抗感はあっという間に消えてしまった。

 だって……目の前の殿下の顔が本当に楽しそうだったから。


 ああ、と私は悟る。


(今後、私が『悪女』になるとしたら――この方の為に動く時なんだろうな)


 王太子からの申し出による婚約を両親が突っぱねる訳もない。

 アントニアの方をどうかと勧めるかもしれないが、それだって彼が断りさえすれば諦めるほかないだろう。

 私とでなければ王太子との繋がりを得ることが出来ないとなれば……最後には首を縦に振るはずだ。


 だからこの関係はきっと……これからも続いてく。


 未来が幸福で彩られている予感がして、私の胸は温かくなる。

 少しだけ目頭が熱くなるのを感じながら、彼の声につられるようにして私も大きく笑うのだった。

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