身体の使い方
体調不良で暫くお休みしておりました、申し訳ない
万全ではないので短めですがご容赦を
翌日より本格的に「遊び」が始まった
午前中はシズルかマヤが狩りに出かけている間にゆっくりと身体を起こす
初日
「良いですか姫様、急に体を目一杯動かすと危険ですので前運動をしましょう」「ゆっくり曲げて、ゆっくり伸ばす、動かせる場所は全部そうします」
翌日
「おひい様、ギューと縮めてグーっと伸ばすんです」
表現はバラバラだが意味は一緒である、そうやって体を起こした後はタマフジのやってみたい事をどんどん試してゆく
追いかけっこはタマフジがギリギリ追い付けない距離を保ち、終わった後にどうすればもっと早く走る事が出来るのかを示す
木登り、岩登りでは重篤な怪我をするような落ち方をしない限りは手出しをしなかった。自分の限界はどれくらいなのか?、何故落ちたのか?、どうすれば痛みの少ない落ち方が出来るのか、を一緒に考える
痛みを伴った、優しく愛の有る厳しさである
二十日前より十日前、十日前より今日の方が速く走れている
一昨日は届かなかった枝に、岩の出っ張りに今日は指が掛かった
前より深い所まで潜れるようになった
自身の限界を知り、身体を十全に使ってその限界を乗り越える喜びを知ったタマフジが夢中になるのにそう時間はかからなかった
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半年後、普通の運動なら問題なくこなせるようになったタマフジにシズルから有るものが渡される
「姫様、今日からこれを持って遊びましょう」
差し出した物は鉄扇子であった
「表の骨はアダマンタイト、中の骨はミスリスで出来ております、姫様には少々重いでしょうがすぐに慣れますよ」
「これで一緒に武の練習も出来ますね、おひい様!」
初めて自分専用の武具を手にしたタマフジは眼前に掲げ瞳を輝かせる
腕を振り『バッ!』と広げると勢いに負け体が揺れた
「ふふっ、重さと扱いに慣れるまでは閉じたままで使いましょう」
「はいっ」
その日よりタマフジの腰には鉄扇子が供として加わった
作中の鉄扇子ですが、実物の中骨は竹製です(しならないと広げられないので)
ファンタジーの世界観&弾性加工をしたミスリスと言うことで御容赦下さいませ
中華っぽい鉄扇(オール金属製)とどちらにしようか悩んだのですが、私の趣味を優先してしまいました(^^ゞ