家を組む
いつの間にかPVとやらが200を達成しておりました、これだけの方々に見て頂いていると思うと有り難い限りで御座います
予定より長い連載になってしまっておりますが、今後ともよしなにお願い致しまする_(._.)_
周囲を散歩がてら散策した結果、風呂から程良く離れた平地に居を構える事となった
「先ずは大きな石を探しましょう」と両腕で輪を作り大きさを示す
「いしでおうちをつくるの?」と問うタマフジに
「違いますよおひい様、地面に直接床を敷くと湿気が酷かったり腐ったりするからですよ」
「ふぅ〜ん、わかった〜!」
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「私の大鎌は板の切り出しには不向きですのでそちらはマヤに任せます」「離れていて下さいまし、姫様」
スカートの中から大鎌を取り出し、一抱えはあろうかという木々を雑草を刈るかの如く切り倒してゆく
「これくらいで間に合うでしょうか?」
数十本の木の枝打ちも済ませ綺麗に皮を剥ぐとタマフジを手招きする
服とエプロンの間から丈夫な紐を取り出すと片側に同じく取り出した小刀を括り付け
「さ、姫様、この紐がピンと張った場所に目印の傷を付けて下さい」と反対側を切り端にあて、押さえる
「あい!」
仕事を任されるのが嬉しい様子で嬉々として傷を刻んでゆく。全てに目印を付け終えると満足げに胸をそらす
「上手に出来ましたね姫様、後はマヤの仕事ですので今度は釜戸の材料になる石を取りに行きましょう」
ウンウンと頷いていたマヤが抗議の声を上げる前に畳み掛ける
「柱、床、梁、壁、屋根と長さを変えて有りますが、判りますね?」「貴女の剣の腕を信用しておりますわよ?」
口をパクパクさせ唖然としているマヤに
「マヤねえさま、てつだう?」と問うと
「大丈夫、任せておいて」と見栄を張ってしまう(うぅ、この見栄の分も計算ずくだなんだろうなぁシズル…)
そんな思いをおくびにも出さず手を降って送り出す
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半ばヤケになって剣を振るうマヤを残し二人がやって来たのは風呂を作った場所とは違う川原、適度な大きさの石を拾い集めると風呂敷で包みその上に腰掛ける
「マヤにはナイショですよ?」と懐から小さな包みを取り出し、中からカラフルな粒を一つ摘む
「姫様、あーんして下さい」
「あ〜」ポィッ「んむっ?」
放り込まれのは金平糖だった『コロコロ』と転がすとパラリと砕けあっと言う間に口内より消えてしまう
「少ししか持ち出せんでした、特別ですよ?」悪戯っぽく笑うシズルに寄り添うタマフジ、暫く休むと
「さて、暗くなってしまう前に完成させませんと、ね」
風呂敷を担ぎタマフジの手を取り基礎石を並べた場所へ戻って行く
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「♪〜〜 ♪♪〜〜 ♪〜」
鼻歌を歌ったタマフジと繋いた手を振り振り帰って来ると大量の材木と寝転がるマヤが出迎えた
「あら、流石ですわね」
「マヤねえさますごい!」「!、シズルねえさまおみみ、おみみ」
「?」口元に耳を寄せると「こしょこしょ」と何や囁くタマフジ
「マヤねえさま、めをつむって」
言われるままに目を閉じると今度は「あーんして?」と請われる
理由も分からずに口を開けると何かが放り込まれた
「んっ?! 甘い!」
「姫様からのご褒美だそうです」
「ありがとう御座います、おひい様!」
「では始めましょうか」
間に昼食を挟んで作業した果てに完成したのは六畳二間、屋根を大きく張り出させたこぢんまりとした木組みの家であった
屋根と外壁には剥いだ樹皮を貼り付け雨対策を施した
「ねえシズル、この張り出した屋根は何に使うの?」
「釜戸を組んで煮炊きする場所です、家の中で煙を出す訳にはいけませんので」
拾ってきた石を組み合わせ、鍋の座りを確認すると火を起こし調理の準備を始めるマヤ
「晩御飯は私が作るからシズルは布団用の草刈りして来てよ」「あ〜、残念だなぁ、私の剣は草刈りには向いてないやぁ」
「・・・、そうですわね…」
先程の意趣返しとばかりに告げられた言葉に仕方ない、と表に向かう
ふとタマフジを見ると自分も手伝って完成させた家が余程嬉しいのだろう、色々な所をペタペタと触っている
「私は布団用の草を刈って参りますので、姫様はマヤの料理が失敗しないよう見張っていて下さいまし」
「どう言う意味っ!?」「って、もう居ない…」
憮然とするマヤの隣にトコトコと歩み寄るとじっと見つめる
「あのぅ、おひい様?」
「タマフジのおしごと!」
がっくりと肩を落とすマヤが完成させた兎肉と野菜のスープは少々涙の味が強かった
ペテちん『ピロリロリン』『チャラチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャラ〜♪』
『ミッソー』『レイザー』『オプション』『オプション』『オプション』『フォースフィールド』
静留「創主様、スピードアップは取らないのですか?」
魔夜「ねえねえ、スピードアップは?」
ペテちん「うわ〜ん」脱兎
魔夜「あ、予定より進まなかったから逃げた!」
静留「成る程、冒頭のグラディ◯スはそれにかけていたのですね」
ペテちん「説明しないで、悲しくなるから…」