蛇の足 二本目 それから…
アタシはそれから遮二無二働いた、ちょっとばかり無理もしたし、危ない目にもたくさん会ったよ
得意ではない狭い場所での戦いでは新人の小太刀が随分助けになってくれた、屋外でしか戦ってこなかった自分を反省してサブウェポンの扱い方を重戦士に習ったりもした
お陰でちょっとした小太刀扱いになれたと思うよ?、守勢に徹すれば格上相手でもそれなりに戦えるようになったからね
その事を新人に話してやったら随分と喜んでくれたっけ…
護国隊の隊長との縁でヤマットのお偉いさんに掛け合って娼館を開く許可も取り付けた、厄災の傷痕が色濃く残る時世だ、心の隙間を埋める綺麗な花売りも必要だと力説して許可をもぎ取った
半年働き詰めて得た資金で元公家の別荘だと言う屋敷を買い入れ娼館に改装して商いを始めたのはそろそろ新しい年になろうかと言う時期だった、まぁ当面はアタシとアサギの2人で客の相手をするんだけどね
改装の済んでいる住居部分に野伏と新人を、いや、もう冒険者は辞めたんだからアサギとトウヤだね…、を招き入れた時は随分瀟洒な造りだって驚いていたっけ
驚いたのはアサギが自分も遊女になるって宣言した事だった、トウヤは用心棒兼雑用係として働く事が決まっていたけど、アサギは脚の事も有るから裏方を任せたかったんだ
「良いのかい?アンタは美人だしスタイルも良い、願ってもない事だけど脚の事を色々言われるかも知れないんだよ?」
思い留まらせようとするアタシの言葉に
「何もしないで食べさせてもらうのは気が引けるのよ、それに一度は死んだと思った命よ?有効に使わないとね?」
「…経験が無いわけじゃないの、でも男の人を喜ばせる術はよく知らないから教えてね?アスタ?」
事もなげに言ってくれたんだ、涙が出るくらい嬉しかったよ
もっとも実技の練習台にされたトウヤは初めの頃は喜んでたけれど、日が経つに従ってゲッソリしていったけどね
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こうしてアタシの店『翠衣楼』はスタートしたんだ、始めから何もかも上手く行った訳じゃないよ?非公式な廓はいくつか有ったから嫌がらせも受けたし、後ろ指を指された事も数え切れない
でもね、抱える遊女が増えて沢山の客が訪れるようになるとそんな事は減って行った
アサギとトウヤの子供が一人前になる頃にはヤマット一の遊廓として押しも押されぬ存在になったんだっけ
ぺ「以前リクエストが有ったのでアスタリスさんはレイピアと小太刀使いになりましたけど、次回で…?」
マヤ「次回で?」
ぺ「それは秘密です!!」
マヤ「随分古いネタ引っ張り出しで来たわね、知ってる人居ないんじゃないかしら?」
ぺ「むぅ、悲しいぞ…」




