蕾と陰りと・・・
これくらいの描写だったら運営さんに怒られない、よね?
「おひい様、泣き疲れて寝ちゃった、こんなに汗ばんで…」
「御屋形様の命とは言え騙し討ちの様な形でここへ連れて来てしまったのだから無理も有りません…」
額に纏わりつく前髪を優しく払ってやりタマフジを覗き込む
「いくら常春の境界でも風邪ひいちゃうかもしれない」
「この島には小さな滝が幾つか有りましたよね?」「そこの一つをお風呂にしてしまいましょう」音を出さぬよう『パン』と手を合わせ、さも名案だと言わんばかりに目を輝かせるシズル
「えぇ~、どうせ私が土木担当をやらされるんでしょ?」
「あら、今回は私がやりますよ?」「姫様はマヤの枕がお気に入りのようなので」
「私のおっぱいは枕じゃないやい!」頬を膨らませながらもタマフジを抱き上げ滝に向かう
「ホホホホ…」意味深な笑いを浮かべつつタマフジの荷を拾い上げ後を追う
程なくして辿り着いた場所は落差2メートル程、滝壺と言えぬ程の窪みが有る慎ましい滝である
「先に温水にしてしまいましょう」ツイッと飛び上がり滝口に突き出した岩肌に火行の陣を刻む、充分に岩が熱を持った事を確認すると土行と木行の術を駆使して滝壺の姿を変えてゆく…
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ぬくぬくとした温かさに包まれ、漂うような気分のなかでタマフジの意識は覚醒し始めた。(のどがいたい…、めがちゃんとあけられない…)目を擦ろうと手を持ってくればビチャリと顔に湯がかかる
「わぷっ」
思わぬ感覚に急激に意識が覚醒する、立ち上がろうとするが足が地に着かない
恐慌状態になりかけるが背中から左胸に廻された腕が力強く支える
「大丈夫、大丈夫ですよ、おひい様」
聞き慣れたマヤの声と共に手拭いがタマフジの顔を覆う、それを受け取りクシクシと顔を拭い声の主を見上げる
顔の半分を覆うように塞ぐ双丘の間にマヤの顔が見える(おおきい・・・、?なんではだかなんだろう?)怪訝に思い自身の状態を確認するべく視線を向ける
「っ!」
素裸のタマフジがマヤに背中を支えられた状態で仰向けに湯に浸かっているのを認めると慌てて自力で湯船に座り直す
「マヤねえさま…」
「はい、マヤですよ」
夏の日差しを集めた様な淡い金色の髪は肩口の長さで緩く波打ち、紺碧の瞳は細められ人好きのする笑顔を自分に向けている
その下には先ほど自分の視界を覆っていた大人の両手でも余り有る乳房と突起が重力に負けること無く存在を主張していた
その白い肌の上を水玉が つ… と滑り落ちる、なんとなく気恥ずかしくなり俯けば湯の中に金色の揺らめきが…
益々顔を赤らめると何を勘違いしたのか立ち上がり
「もしかしてのぼせちゃった?大丈夫?」と色々な場所をは弾ませながらタマフジに迫る
「うん、だいじょぶ、だいじょぶ…だから」
「良かったぁ、あ、シズル〜おひい様目を覚ましたよ~!」と大声で呼ぶ
着水地点で首まで浸かり何やら作業をしていたシズルがこちらに向かって歩いて来る。十二畳程に広げられた元滝壺は深さが階段状になっているのだろう、次第にその裸身が露わになる
腰まである翠の黒髪を濡らさぬよう纏め、深紅の瞳は気遣わしげに震えている
ほっそりとした身体つきに似合う、程好い大きさの乳房に桜色の蕾がツンと上を向く
視線を下げれば締まりのある腰、靭やかな太腿の付け根には髪と同じ色の翳りが濡れそぼり白い体に張り付き艶めかしい
マヤの裸身を陽光の下で映える豊体だとするならばシズルの裸身は月光の下でほの光る肢体であろう
「シズルねえさま、きれい」
思わぬ言葉に頬を染めつつスッと腰を下ろす
「まだ私を姐と呼んで下さいますか…?」
「シズルねえさまもマヤねえさまも タマフジのだいすきなねえさま!」
目尻に涙を浮かべつつ抱き締めると張りのある乳房に顔を押し付けられ『んむ〜〜』と目を白黒させる
「良かったね?シズル」
「何故上から目線なのです?」
「私の方が先に『姐さま』って呼んでもらったもん♪」
タマフジに気取られぬよう水面に陣を走らせる、大量の湯がマヤの顔めがけて発射され、勢いで倒れ込む
『ザッバ~ン』と飛沫を上げたマヤに驚き振り返ると頭上から
「足元に注意して下さい、あのように転んでしまいますので」声をかけ、後ろから抱えなおす
「プハッ!」「う~、ズルい、おひい様を人質にするなんて!」反撃しようにもタマフジを抱えているので出来ずに声を高める
「さあ姫様、汗を流したらあちらで着替えてしまいましょう」マヤをチラとも見ずに陸の木陰にいざなう
「シズルは要領が良いんだから…」ブツブツと文句を言いつつ淑女とは言えぬ足取りでノシノシと着替えの許へ歩くマヤと涼しい顔のシズル
二人の顔を代わる代わる見るタマフジの口元には笑みが零れていた
せっかくR-15にしたのだから裸の描写にこだわってみました(エロティシズム)
単に言葉をこねくり回しただけになっていないと良いのですが…
前回の魔法描写と今回の裸の描写、やりたかったことは出し切ったので思い残すことは有りません
カクリヨ編は次回より纏めに入ります