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常春の園カクリヨ

表現力したい事を表現しきれない、学生時代より劣化してる…

継続は力なり、精進します

薄い朝靄に陽光が差し、モノクロの世界が金色に染まってゆく

ヤマット皇国の南方、沖合いに浮かぶ蓬莱島に朝が訪れる。刈った草をシーツで包んだ寝具で二人の少女に抱かれ眠っているタマフジはマヤの豊かな胸に顔を押し付け未だ夢の中だ

と、シズルが気配を殺し寝具から起き上がる、薄目でそれを確認し頷くヤマに軽く手を上げ何処かへ姿を消す


「かあさま……」


僅かに身動ぎしフルフルと顔を胸に押し付けると柔らかな胸がそれに合わせ形を変える、空いている手で幼兒をあやすように『ぽんぽん』とタマフジの背を優しく叩きながらヤマは思い返す

(おひい様には辛い道程だったね、ゆっくり寝るといいよ)

       ・

       ・

       ・

都を出立し馬の背に四日、一人で乗ることの出来ないタマフジを代わる代わる前に乗せ、街道を疾走らせ辺鄙な海岸に辿り着いた。道中泣き言一つ言わず耐えたタマフジに疲労困憊の様子が有り有りと見て取れる


「姫様、沖にうっすらと有る島影が見えますか?」


「あそこが蓬莱島、目的地ですよ」


二人の言葉に辺りを見回し小首をかしげてポツリと問う


「おふねがないのにどうやっていくの?」


タマフジの言葉に答えず屈み込み、目線を合わせたシズルが語りかける


「御屋形様が何故姫様を我等に託したのかお話します」「我等の素性も包み隠さずに」


「驚かないで最後まで聞いて下さいね、難しいと思いますが」


マヤも同じように目線を合わせ言葉を発した


(わたくし)達二人はこの世界の者ではありません、主と逸れ世界の狭間を漂っていた折、偶然ヤマットの山中に墜ちた()()()でございます」


「偶々そこに居合わせた山賊と大立ち回りを演じて、いい加減ダメだと思った所、更に偶々通りかかった御屋形様と護衛の方々に助けて頂いたの」「あの時は危なかったね、シズル」


「ええ、もう少し長引いていたら山ごと山賊達を消し飛ばしていたところでした」剣呑な言葉にタマフジの目が見開かれる


「私達がこの世界に来た顛末と素性を明かしたら、御屋形様がおひい様の守護として雇って下さったの」


(わたくし)達二人が力を合わせる事によりカクリヨを産み出すことが出来ます、沖の蓬莱島でカクリヨを展開します」「そして海を越える手段ですが…」


つ…とシズルが立ち上がり数歩下がる


「姫様、ご覧下さい…、権能解放…」俯き瞳を閉じ、自らを抱きしめながら静かに言葉を紡ぐ

足元に黒い魔法陣が現れシズルの体を下から上へ通り抜ける。漆黒の閃光の後、そこに佇んでいるのは黒を基調とし白いアクセントのメイド服に身を包んだシズルだった

その背には青白く燐光を発する悪魔の翼を纏って


「良く見ていてくださいね?おひい様、権能解放!」両手を組み瞳を閉じ、天を見上げながら高らかに謳う

頭上に白い魔法陣が現れマヤの体を上から下へ通り抜ける。薄オレンジの閃光の後、大地を踏みしめているのは白を基調とし黒いアクセントのメイド服に身を包んだマヤ

その背には黒いオーラを揺らめかせた天使の羽を纏って


「・・・はね・・?」好奇心と疲労がない交ぜになり困惑しながら問いかける


「はい、(わたくし)は魔界から追放され主に忠誠を誓った悪魔、昇悪魔(しょうあくま)とでも言いましょうか…」


「私は主神を裏切り主に拾ってもらった所謂堕天使です」


「??…ぇ…?」思いもしなかった事実に思考が追いつかないのであろう、目を白黒させるタマフジ


「さあ、おひい様 行きましょう」タマフジを抱き締めフワリと舞い上がる


「何故貴方が姫様担当なのですか?」最後に寄った村で馬を売ったのでタマフジの荷のみを持ちつつシズルも音も無く翔び立つ


「だって私の方がクッション良いし」


「……マヤは晩御飯は要らない、と」


「えぇ~」(本当の事じゃん…)


浮遊感に戸惑いギュッとしがみつくタマフジを気遣い、負担にならない速度で蓬莱島を目指す二人


蓬莱島に降り立つ頃には太陽は水平線の向こうに沈もうとしていた


「さて、御飯と寝床を用意しなきゃね」抱えたタマフジを見るとトロトロと微睡みかけている


「寝床の方が先ですね」スカートの中から大鎌を取り出し辺りの草を刈り集める


マヤがタマフジを抱いているので一人で集めた草に、懐から大きなシーツを取り出し手早く簡易な寝床を誂える

注意深く横たえさせると程なくスウスウと寝息を立て始めたタマフジを柔らかな微笑みで見つめる二人


「この島にも近海にも脅威になるような反応無しっ、と」


「残りの説明とカクリヨを開くのは明日にしましょう」


頷き合いタマフジを挟むように寝そべる


「「おやすみなさいませ、姫様」おひい様」

       ・

       ・

       ・

日の出と共に狩りに出かけたシズルが山菜と野ウサギを仕留め、朝食の用意を済ませる

夕食を食べなかったせいも有りハグハグと頬を膨らませるタマフジの隣で、二人より一品少ないマヤが独りごちる


「シズルちゃんのいけず…」

お話なんだけどキャラ紹介風な?を目指してみましたが、いかがだったでしょうか?


静留シズル魔夜マヤは30年以上お付き合いのあるキャラクターで、別の物語から出張をお願いしました(故手塚治虫先生のスターシステムを参考に)

いや、決して新しくキャラを考えるのが面倒だった訳では無いんですよ?

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アッザン「おお…ご立派なご神体じゃあ〜、ありがたやありがたや…」プスプス… リン「アホな事しとらんで、はよ読者様のための続きを書きなさいよ…」 アッザン「まぁ読者様との交流はこれくらいにして、ぼち…
アッザン「ふむふむ…マヤさんは堕天使で巨〇、シズルさんは悪魔で控えめと…」←ここ重要 リン「どこに感想持っててるのよ…にしても引き込まれる文章よね…」 アッザン「相対すべき種族の二人が何故共に歩み…
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