真実の愛を知った王子に悪役令嬢と呼ばれ婚約破棄の後国外追放されたので隣国の力を借り祖国へ侵攻しました。
11月4~5日に大幅に変更しました。自分で読んで変な部分の修正と誤字を訂正しました。
ただ大幅に変わったのでまた誤字があるかもしれません。と書いた前書きも誤字の修正しました
私フラワー王国のエノコロ侯爵令嬢はこの国の王子であるローレル王子の婚約者である
現在17歳でフラワー王国立高等学校を卒業後したら結婚し王太子と王太子妃となる予定
そのために2人ともに勉強、運動、専用の教育、上級貴族との交流等遊ぶ間もなく忙しかった
二人は上位貴族特有の政略結婚ではあるがお互い幼いころより知り
どう見てもお似合いの二人であった
卒業まで1年を切ったころフラワー王国内が騒がしくなってきた
何も起きなければいいが……とエノコロは思っていた
その後少しずつ二人は離れていく事となる
身近な所では王国の宰相が更迭された
元々実力ではなく家柄で選ばれる地位なのだが
実務部門がしっかりしていたらそんなに問題は起こりえない
それだけに何があったのか?と思うが情報はなかった。
その辺りから王子は毎日疲れていた
次に軍事大国である”ペスティサイド帝国”に接する辺境伯まで更迭……
フラワー王国全体に不穏な空気が漂ってきた。
その数か月後、卒業まで半年ぐらいの時に状態が好転する事が起こった。
ペスティサイド帝国のシアントラ第一王女が王立学校に編入してきた
表向きは両国の友好の為となっていたので国民は安心していた
”人質が居るのに攻撃はされない”だろうと。
護衛、使用人併せて数十人ほど連れてきたが兵力としては皆無に等しい
学校自体が王都にあり、フラワー王国の兵力の半分近くは王都に駐留し
残りは2つの国と接している各国境および国内治安維持のため各地に分散している
シアントラ王女自体は見た目も仕草も非常に美しくい。
どちらかと言えば可愛らしく外に出て何もせずに風を感じるのが好きなエノコロとは真逆に見えた。
シアントラ王女は1週間もすると”国の事を教えてもらう”
と称してローレル王子に接近しだした。
ローレル王子は「婚約者がいるので二人きりにはなれない」と最初はそう言っていた。
数か月もするとシアントラ王女とローレル王子の二人でいる姿がよく見られた……何で?
それと反比例してエノコロとローレル王子は会うことだけでなく
会話さえなくなっていった。
何故か何もしていないエノコロの悪い噂が校内で囁かれる。
エノコロと思われる人がシアントラ王女に向かって
「私の婚約者に近付けば、あなたは無事に国に帰れなくなるわ」
「この国は私の物になるの。私の言うことを聞かないと敵の中に一人になってしまうわ」
それを聞いたシアントラ王女は泣いていたと。
更に
「戦争なんてしたらあなたも家族も……ねぇ。そんな不幸になりたくはないわよね?」
「私はフラワー王国の将来の王妃。仲良くしましょうね。隣国として」
と一方的に言っていたと。可哀そうなシアントラ王女。
そんな話が校内から各家族に広がっていた。
エノコロは普段からあまり必要以上に話さない。それが裏目に出た。
その態度を”見下しているから” ”本性を隠すため” であると。
誰が言い出したのか?悪い噂は広がっていく。
エノコロは国を私物化しようとしている。隣国の王女になんて態度を……。
王子も否定しない。
そして迎えた運命の卒業式。
王立学園の卒業式後には国王も参加するパーティーがある。
そのパーティー会場で皆がそろった頃ローレル王子が皆の前に立ち発言した
「パーティーの前に皆に伝えることがある」
そういい注目を集め
「楽しいことの前に断罪すべき者が居る……皆も知っているだろう。
エノコロ!お前は王都で民衆向けに人気の劇中の意地悪な悪役令嬢のようにシアントラを
虐めるそうだな」
覚えのないこと。
初めて呼び捨てにされて驚き固まっていると王子は続けて
「皆もしっているぞ。隣国の優しく美しいシアントラ王女に酷い言葉を……」
「我が国に恥をかかせたいのか?」
「反論はないのか?」
「そのような事実は有りません」
と答えたが聞いてくれない。
「もうよい!お前のような奴は国家間の問題になるので死罪!……と言いたいが
優しいシアントラ嬢が『そんな可哀そうな事必要ありません。私が我慢すれば』
というので国外追放とする」
「私は真実の愛に目覚めた。こんなに優しく美しいシアントラ王女。
彼女以上に私の結婚相手に相応しい者は居るだろうか?この世に居ないだろう」
とシアントラの腰に手をまわしつつこちらを見た
エノコロの頭の中は真っ白になっていたが、すぐ涙で何も見えなくなった。
政略結婚であると言っても昔から好意のある相手に悪く言われ、婚約破棄だ。
もう何も考えられない。
どうやって自宅に戻ったのかは覚えていない。
自宅に帰ると意識を失ったかのように眠ってしまった。
”これは悪夢だよね?起きたら終わるよね?”
エノコロが目覚めた時、残酷な現実が待っているだけであった。
エノコロは上位貴族であるローズ侯爵家の令嬢である。
幼いころより家族が亡くなっても家の事を優先するように教わってきた
何とか立ち上がると父に面会を求めた。すぐに許可が出たので向かった。
「失礼します。お父さ……いえローズ侯爵。パーティでのことはご存じでしょうか?」
「国王から聞いている。私は娘を信じてる。冤罪だと思っている。
何かの勘違いだと。しかし国王からの命令が出た以上もう貴族としては従うしかないのだ。
何が有ってもエノコロは私の子だ。だが侯爵家として逆らうと謀反ともとられかねない
多くの人間が不幸になる。親として力不足の私を恨んでくれてもいい。
その代わり元気で少しでも幸せをローデント国でつかんでほしい。」
「ろ・・・ローデント国ですか?」
「王より治安のいいローデント国に行くよう勧めろと言われた。今までのエノコロの努力は知っている
エノコロ自身の財産及び私の資産の一部分与とそれに係る税の免除も認てくれたので
持って行くようにと。ローデント国のデグー侯爵が王と個人的な付き合いがあるらしい。
紹介状ももらった。」
「何か違和感を感じるのだ追放する割に内容がな。
あと家族であれど5年は一切の連絡を禁じられた。
まあ他国に行き国外と頻繁にやり取りしてたら怪しまれるしな。
とりあえず5年後にどうなったかは手紙が欲しい」
エノコロはそこから急いで準備し人に見られぬように夜中に出発した。
数日後、国境も無事に超えた。荷物の多さに検査の時間が長かったが。
何事もなく無事にデグー侯爵にと会えたがなぜかあった瞬間「ちもしー」と言われた。
「あの私は、エノコロと申します。この国の平民として生活する許可を……」
「いいよ」軽かった。
デグー侯爵領はデグー族が住み、デグー族は歌が上手で頭もよく身体能力も高い
しかし何故か気温の変化には弱かった
デグー族には個人の名前がない
すごく不思議。侯爵のデグー。農家のデグー。商人のデグー。身分なんて気にしない。
平和である。
食物も豊富で皆優しく家も安全な場所に買えたので、楽しい時間は傷付いたエノコロを癒やした
気が付けばもう5年である。ローズ侯爵に手紙を出した。
”私は皆優しくいつも素敵な歌が聞けてご飯のおいしいこの地で幸せに過ごしています。
もう私は結婚などしませんので血筋等は考えなくて大丈夫です”
他国でローズ侯爵家の血を継いだ人が居るのは良くないため。
もう人を好きになんてなれない
2週間後に返事が来たのだが手紙ではなく人だった。
「エノコロ様こちらが侯爵よりの手紙です。
1つ相談がありますのでデグー侯爵を紹介いただけませんか?」
手紙を持ってきた人の雰囲気がローレル王子に似ていた。
名は月桂樹。他国の人間らしい。
見た目に驚いてしまいすぐには返事ができなかったが
デグー侯爵に連絡すると「今からでいいよ」と言われたのですぐに訪問した。
「デグー侯爵こちらがローズ侯爵からの緊急連絡となっております」
少し分厚い書類を渡すと側近が刃物など含まれていないのを確認した
「これは大変だ」デグー侯爵は王に報告すると走っていった。
なぜ本人が行く?
手紙を持ってきた月桂樹は宿へ向かった。
使用人が居るけど若い男性を家に泊めることはできないからだ。
侯爵が直接行ってくれたので話が早かった。
その後すぐにローデント王に呼び出され、これは戦争になると言われた。
今フラワー王国は実質的にペスティサイド帝国に占領され、
ローデント国、その先の小さな国々まで狙っていると証拠付きで送られてきたそうだ。
ローレルは卒業パーティー時の王子の行動が問題となり、婚約はしているがまだ王子らしい。
送られてきた証拠はローレル王子の名で書かれており
ペスティサイド帝国は占領国を奴隷のように考えている。
既に国境付近の人間は多数強引に連れていかれた。
ローデント国も狙われている。
フラワー王国を開放して国民の安全を保障してくれたら国を譲渡でもすると。
デグー侯爵は土地なんか増えたら仕事増えるし……
国王は我が国が危険なんで出兵は出来るが国を貰うよりペスティサイド帝国の隣国になるのが
不満らしかった。
フラワー王国と領地を接しているジャービル辺境伯も賛成していた。
王は「兵を出したらその代表が一時的にでも占領地のトップになるのだがみんな嫌がってる
俺も嫌だ。どこかに元フラワー国の人間で戦いができる人居ないかな?」
とこちらを見ていた。
エノコロは
「私の実家のある祖国の危機。私の個人資産はすべてお渡ししますので協力を『じゃあ我々が傭兵と
して契約しますか!今日印鑑はお持ちですか?こんな安いのは今しか無理ですよ』
……よろしくお願いいたします」
そうして形だけエノコロの私兵として侵攻が開始した。
エノコロは侯爵の娘として王妃候補として
有事の際の兵の使い方を習っていた。見た目に似合わず得意だったのだ。
快進撃というか殆どは戦う前に降伏することが多く簡単に戦争は終わった。
ペスティサイド帝国の強引な政策ををフラワー国民も現役も元兵士も嫌っていたのだ。
進むたびに増える兵力。帝国兵が逃げると解放したエリアで兵士が増える。
食料の方が問題となった。
補給も現地民からの寄付もありローデント国からの豊富な物資
フラワー国を占領して気が大きくなってた帝国兵の士気を下げた。
直ぐにローデント兵は不要となった。旧フラワー王国兵と義勇軍これで十分だった。
そして戦後理由が分かった。
かなり昔より謎の薬品を使い大量にできた作物を安価でフラワー王国に輸出。
そこで外貨と信用を得て宰相と接触。
都合のいい儲け話に騙された宰相に重要書類を渡せば借金帳消しの物資も融通すると。
この時に気付かなかったのが最悪だった。
その後同じように辺境伯にも接近。兵力を減らし最後は王子との婚姻で完全占拠の予定だった。
ところが宰相の行動の怪しさから辺境伯の行動まで気付いた時には遅く
国境が弱ったところにローレル王子とシアントラ王女が結婚しないと戦争だと帝国に脅されていた
それだけならば結婚で済むという話なのだが
シアントラ王女が本気でローレル王子に一目惚れし
ローレルがシアントラと結婚後邪魔になるとエノコロの殺害を計画。
しかしフラワー王国内での計画と自分の勝利を確信しての杜撰な計画は王国側に気付かれていた。
目をそらすため王子はシアントラ王女に近付き恋人のように扱い、
あの邪魔者は私がいいように処分すると約束してしたのだった。
結局真実の愛とはエノコロに2度と会えなくなっても生きていてほしいということだった。
真実を知ったエノコロはローレル王子と国王の無事を確認。面会した。
そこで驚いた。ローレルと月桂樹は逆だったのだ。
ローレルはエノコロの嘘の噂を流し、婚約破棄させた。
国も混乱した。王家は終わりだ。生きては行けないだろう。最期に一度エノコロに会いたい。
一目でいいと。影武者の月桂冠と入れ替わりローデント国へと向かった。
実は婚約破棄の前、国王からは何度も国外追放でいいのか?とローレルに確認した。
毎回返事は
「エノコロ令嬢の命以上に大切なものはこの世にありません」
と言われたと国王から聞いた。顔が熱くなった。
王子はもう「もう私は王子ではないではない」と言い
全責任は国王と私だ
「エノコロ令嬢にはつらい思いをさせてしまい申し訳ない」
としか言わなかった。今回は王家が責任を取らなければならないと
そしてエノコロ王女が誕生した。
国民が解放のため戦地に出て大勝利を収めたエノコロを勝利の女神と呼び
この混乱した国を素早くをまとめる象徴として王女となった。
ペスティサイドとの国境付近には要塞が作られ兵力も増やした。
ローデント国にもお礼と死傷者への見舞金を渡すと
デグー侯爵は「貰い過ぎだから家は返すね。別荘として使って。
傭兵として参加したが物資は現地で多く支給されたし
死傷者も少なかったからね。時々遊びに来てくれたらうれしい」
ローデント国王はエノコロを戦友と認め祖国を救ったと尊敬していた。
同じような年齢の頃、エノコロと同じような事をできただろうかと。
戦争終了後、元国王と王子は幽閉されていた。
本人たちは死罪を望んだがそんなことしてたら貴族はいなくなると反対された。
直接ではなく監督責任のみでは幽閉も有限となった。
エノコロからローレルもと王子に求婚した!
ローレルは「あんな事をした私が結婚など……身分も違い過ぎます。
あの時はあれ以上私にはできなかった。力不足で申し訳なかった」と土下座した。
女性からの結婚の申し込みでするだけでも珍しいのにエノコロは経験から強くなってた。
多分今を逃すともう会えないかもしれない。
「今回の戦いは命を救ってくれたあなたの救出という側面もあります」
「あなたからは真実の愛を頂きました。
あなたとこのまま一生一緒に居れるなら結婚など必要ありません」
その後の記録ではエノコロもローレルも未婚で亡くなったことになっているが
王家に血を継いだ子供が跡を継いでいると書かれている。
終わり
評価ポイント、感想などいただけましたら嬉しいです。
私が喜んでまた謎の作品つくるかも。
こういう小説っぽい物を書くの始めて数日ですが今までの他の作品の合計より多いPV数をここだけで頂けました。
まあPV数は気にするな的な事はよく見ますがないより多いと嬉しいですよね?
私だけ?
こういうの書いてほしいなどあったら気軽に言ってください。