4・魔法契約、その後
二日酔いの「暁」回復して狩猟へ。獲物を冒険者ギルドに納品に行きます。
魔法の約束4
魔法契約、その後
翌朝、ロイド達はひどい二日酔いで目を覚ました。
さらに、宴会場でそのまま寝てしまったため、体中が痛む。
「イタタタ、頭が痛い。気分が悪い。
目が霞む。ひどい二日酔いだ。
体もガタガタだ、何とかならないか、これ」
「無茶な飲み方するからよ、
いくらタダだと言っても、飲み過ぎは良くないわ」
「頭に響く、もっと小さい声で話してくれ」
「二日酔いの薬は無いのかな?」
フラフラになりながら、皆で水場へ顔を洗いに行くと
「おはようございます。よく眠れましたか?」
ナイトが笑顔で挨拶をする。
今にも死にそうな声で
「おはよう、こちらは二日酔いで最悪よ」
「ナイト君、二日酔いの薬持ってない?」
「子供のナイト君が
二日酔いの薬を持っているわけがないでしょう!」
「それもそうだね」
しかし、余りにも体調が悪そうなので
「状態異常の魔法はかけられますよ」
と、声をかけるナイト。
「そんなことができるの?ぜひお願いするわ」
ナイトが頭に手を翳すと、緑色の光が身体を覆う。
数秒後、今まで感じていた頭痛と体の痛みが、
疲労感と共にすっかり消えた。
「え・・・嘘みたい。苦しいのが消えたわ!」
「すごく体調が良くなった。
体全体が元気を取り戻したみたい」
それを見ていたロイド達男性陣も
「すまんが俺たちにも頼めないか?」
と、頭を下げる。
「構わないですよ。こちらにいらして下さい。」
ナイトは更に両手を挙げて光を使う。
「おお!楽になった!助かったよ、ありがとうナイト君」
「ちょっと待って、これって回復魔法よね。
教会で頼めば金貨何枚かするわよ!」
「そうか、二日酔いで頭が回らなかった。
確かに回復魔法だ」
「6人分だから最低でも金貨12枚ね」
「!!!!!!!!!!」
「ナイト君、後で払うからね」
「いいえ、必要ありません。1日銀貨3枚貰いますから」
「またか!もう銀貨では無理だから、パーティの実入半分でどうだい」
「でも、今回は殆ど赤字だから
あまり払えないわよ」
「では、帰りに何か倒していきましょう。
ギルドで素材を買い取ってもらえば良いんですよ」
「もう2日ほど居る約束だから、その間に狩りましょう」
「「「「「賛成」」」」」
体調も戻った暁メンバーは、やる気満々であった。
村長の家に入ると
「いやー、昨晩は盛り上がりましたな。
最近は不作気味で村全体が沈んでおりまして、あのような愉快な夜は久しぶりじゃった」
満面の笑みで上機嫌な村長は、楽しそうに笑った。
「それにしても、いただいた獲物は、
本当にタダでよろしかったので?」
「はい。村の皆さんも満足して居られたようで、何よりです。」
「・・所で、この村に滞在する間に、
また狩りに行ってきても宜しいでしょうか?」
「どうぞ・・・と、いうより是非お願いするじゃ。
そして、今度こそは獲物を買い取らせてほしいのじゃ。
村人では、あのような狩りは出来ん。多分、何人か怪我をして治療費が掛かるじゃろう。
それを思えば、多少の出費は村の予算から出せますでの」
「了解しました」
そして、前回と同じメンバーで狩に出た。
「今回はルシエルさんに全部任せるのではなく、
解体も血抜きだけしましょう」
と、ゼークトが提案する。
それを受けてナイトは
「獲物を3っつに分けましょう。
村に収める分、暁がギルドに売る分、僕が個人的に収納しておく分、ですね。
村の分は、血抜きだけして、村人に解体させる。
暁の分は、血抜きをして、傷みやすい内臓も取る。
僕の分は、前回と同様に、肉だけにする。
これで如何ですか?」
「それぞれの量はどうします?」
「先に村の分を決めて、次に暁の分、最後に僕の分、で如何でしょう?」
「妥当な線だと思うぞ」とロイド
ゼークトが申し訳なさそうに
「我々は、ルシエルさんより少ない獲物しか取れないだろうな。すまん」
「今の僕は暁の一員ですから、そこは問題ないかと」
「そう言ってもらえると助かるわ。
獲物を運ぶのも、ナイト君頼みになるだろうし」
「ルシエルは浮遊魔法が使えますから、彼女を連れていけば良いですね」
「私はナイト様と一緒が良いのですが・・・」と、つぶやく。
「では、二手に分かれて、暁の皆さんが先行して下さい。
そのあとで僕は後ろから森に入ります。ルシエル頼んだよ」
「はい、ナイト様。お任せください」
<ナイト様、問題が起こりましたら念話でお伝えします>
<うん、それで良いよ。念話の事は内緒で、では、行ってらっしゃい>
ナイトはうなずく。
強い魔力と信頼により、二人は<念話術>を習得していた。もちろん内緒である。
「暁の皆様、本日はよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、おねがいします」
「では、どの様にしていきましょうか?・・・というか、どうして欲しいですか?」
「昨日の様にルシエルさんに任せると、
私たちはすることが無くなってしまうので、
今のところ、狩った獲物の運搬だけお願いします」
「わかりました。皆さんの後ろに付いていきます」
「では、行きましょう!」
斥候のミーシャを先頭に、剣士ロイド、
盾士コンバ剣士ゼークト、さらに槍士ハリスが続き、
殿に魔法使いエイリアが続く。
ミーシャが獲物を見つけると・・
初撃はエイリアの氷魔法。
ブリザードで獲物の足元を、地面ごと凍らせる。
そこへコンバが盾で抑え込み、
コンバの後ろからハリスが槍撃、
左右から剣士二人が同時攻撃することで、
猪はやがて急所を切られてこと切れた。
念のため、倒れた獲物にハリスがとどめを刺す。
そこへルシエルが駆けつけ、軽自動車大の猪を、魔法で逆さまに釣り上げる。
猪の後ろ脚をロープで木に括り付け、ゼークトが喉を切って血抜きを始めた。
「これなら、私達も狩りました!と言えるわね」
「やっと代金を受け取れる」
「黒字化決定だな」
「何時もはギルドに運べるだけしか金にはならんが、
今回は一度ナイト君の収納で我々の本拠地に運んでもらい、
ばらしてギルドへ持ち込もう」
「ここでばらして、ナイト様の収納に入れてもらえば如何でしょう?」
と、ルシエル。
「しかし、こんな大物をばらす道具も力もないからねぇ」
「ナイト様が来られる様ですから、今からばらしますね。よろしいですか?」
「よくわからないけど頼む」
ルシエルが一歩前に出て、
土魔法で穴を掘り、
手刀を空中で何回か振ると、血抜きが終わった猪は、
頭、足、胴体に切り分けられる。
さらに胴体を宙に浮かせたまま、内臓を取り出し穴を埋める。
後には毛皮付きの解体された猪が、
きれいに並んで浮いていた。
そこに現れたナイトが、瞬時に猪を収納する。
「これが今お預かりした猪のシッポです。
真ん中の所で切ってあるので、合わせれば他の獲物と見分けがつくでしょう」
切り取ったシッポをロイドに渡す。
「他にも獲物が?」
「ハイ、火炎熊3体と飛鹿3体、猪が2体、収納に入ってます。
血抜きだけしてあります」
「「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」」
「村の分は熊と鹿それに猪が一体づつで良いでしょう。
あまり多くても処理し切れないでしょうから」
「暁」の分も同じ。僕も同じだけ分けて、ちょうど3等分ですね、
それで良いですか?皆さん」
「良いなんてもんじゃない!最高だよ!
俺達だけなら猪を倒しても、足と目玉、あと胆ぐらいしか持ち帰れないし、
それさえも、下手すれば腐らせてしまうのが関の山だ」
ロイドは満足そうに尻尾を振り回した。
「では、帰りましょう。
見つからない様に、獲物を解体小屋に置かなくてはね」
小屋に着くと、早速獲物を小屋の中に置いた。
「村長を呼んで来て下さい。早く解体しないと食べれなくなるから」
村長は嬉しそうに小屋に入ると、
いきなり膝から崩れ落ちた。
「これでは食べれないじゃ!
前の様にしてもらわないと・・・」
ロイドはあきれた顔をして、
「いやいや、獣の討伐依頼は受けたが、
解体は村でして下さい。村人でもできるでしょう?」
「こんなに大きな獲物、解体している間に腐ってしまうのじゃ。
一体に一週間はかかるのじゃ」
ナイトは魔法以外で解体したことが無かった為、
意外な顔をした。
「ロイドさん、解体ってそんなに時間がかかるものなんですか?」
「ギルドや肉屋だったら2日もあればできるが、素人だとそのくらい掛かるかもな。
ギルドに解体依頼を出せば良いんじゃないか?」
ゼークトが村長に向き直ると、アドバイスをする。
「村長さん。ギルドに解体依頼を出して、
村で消費する分を干し肉に加工する。
そして残りをギルドに売るのはどうだい?」
「昨日の肉はきれいに解体してあったのじゃ。
今回も解体を頼みたいのじゃが」
「大きな獲物の解体は専門家がいるんだ。
勝手に冒険者が解体して、彼らの仕事を奪うのはダメなんだよ」
「依頼としての解体は受けられないんだ。
昨日は肉として村に収めた例外なんです」
「うーん、ギルドの決まりでは仕方がないのう。
鹿は村でも解体できるじゃろう。残りはギルドに頼もう」
エイリアが進み出て村長に提案をした。
「私の魔法で獲物を冷やすのはどうでしょう?
少しはましになるかも」
ナイトがさらに案を出す。
「氷室を作ってはいかがでしょう?夏場でも氷が手に入りますよ」
「なんじゃその氷室とは?夏場も氷が使えるじゃと?ぜひ教えてほしいのじゃ」
エイリアも不思議そうな顔をして
「ナイト君、氷を作っても2日も持たないわよ。その氷室って何なの?」
「氷室とは森の薄暗い所に大きな穴を掘って、
藁を引き詰め雪などを敷いて蓋をしておく部屋です。
うまく作れば、夏の間も雪が解けずに残ります。食料や氷の長期保存に使うやり方です」
ナイトにとっては常識であるが、この世界では非常識極まりない提案だった。
「実際に作ってみますから、一度見てください」
暁のメンバーも興味深そうに話を聞いていた。
「そんな話、聞いたことが無いのだけれど、実際に見てみたいわね」
「夏でも氷があれば、この村の特産品になるかもしれない。
地形的にも、領との距離もちょうど良い感じだしね」
ナイトは森の中でも大きな木の陰で、苔のびっしり生えた岩を土魔法でくりぬいた。
そして、先ず、その中を水魔法で濡らして、エイリアのブリザードで凍らせる。
次に大量の藁を引き詰め、茣蓙を壁面に張り付けた。
さらに茣蓙やわらに水をまき凍らせる。
最後に茣蓙とわらで布団の様にしたクッションを引き、板を置く。
その上に茣蓙にくるんだ獲物を乗せた。
取り出すときはその板を引っ張ればいい。藁布団で出入り口に蓋をして完成である。
「これで数カ月は獲物が傷まないと思います。作り直すときは、
冬、雪を底に敷き詰めて藁を乗せれば良いです。
あと、扉は絶対、忘れずに閉めるようにして下さい」
それからその村の特産品{夏の氷}は、村を発展させることになる。
ナイトはその村で名誉村長にしてもらった。
アルガーシス家には今も氷冷蔵庫が稼働している。
領に戻った暁の面々は、
本拠地にしている宿の裏庭に囲いを作り、周りから見えなくした。
荷車を借りてくると、ナイトに獲物を乗せてもらう。
最初の獲物は火炎熊。
血抜きと内臓処理は終わっているが、それでも200キロ近くある。
荷車に紐を結んで、祭りの神輿の様に全員で引く。
ゴロゴロと大きな音を立てながら、冒険者ギルドにやって来た。
「依頼の報告に来たパーティ暁だ。
依頼の村の周りにはオークは見当たらず、村に入ると村人が縛られていた。
縄を解いて助けたが、何人かはオークに食われていた。
村長の希望で数日村に滞在してから帰って来た。
これが村長のサイン入り依頼書だ」
依頼書を渡すと、評価はAになっていた。
評価によって依頼料(依頼者の負担)が変わるので、
依頼者はあまりいい評価を付けようとしない。
A評価など1割未満だ。
「それはご苦労様です。村人を助けたのですから、
依頼は達成扱いになります。これが報酬です」
金貨12枚、120万円相当の報酬を受け取る。
「村に滞在中、近くの森で狩をした。獲物を買い取ってほしい。
裏の解体所に持ち込んで良いか?」
「結構です。この札を解体所の職員に渡して下さい」
と、番号の書いた木札を渡された。
裏に回ると大きな建物で、職員が忙しく働いている。
荷車で入っていくと周囲の音が消えた。
みんなが注目している。
「おい!火炎熊じゃないか!それも大型の・・・」
「血抜きはしてある。何処に置けばいい?」
「おーい、みんな手伝ってくれ!」
数人がかりで解体用の巨大なテーブルに運び込む。
「倒して間がないな。こんな新鮮な状態は珍しい。どうやって運んで来たんだ?
この荷車では無理だろう」
「悪いが、冒険者の情報は飯の種だから教えられない。これを渡すよう言われた」
木札を渡すと
「すまない、驚いて聞いてはいけない事をきいた。忘れてくれると助かる」
「ああ構わない。俺達もこいつを倒して驚いたからな」
「解体に2日かかる。買取金額は2日後だが金貨百枚以上にはなるだろう。各部位の値段の積算だから、今はいい加減なことは言えないんだ。それで良いか?」
「よろしく頼む。2日後のこの時間にギルドの受付で良いか?」
「そうしてくれ。買取金額は期待して良いと思う」
お互い満足そうに別れた。明後日が楽しみだ。
宿に戻って来たロイド達は、食堂兼酒場に集まった。
「今回の依頼は大成功だ、祝いの打ち上げをしよう。
特にナイト君には世話になった。
ありがとうナイト君」
「いいえ、僕の方こそいい経験をさせてもらえました。
一人で森に入って狩りなんて寂しいですし、
大きな魔法の実験もできました。
全て、皆さんと御一緒させていただけたからです」
笑顔で礼を述べたナイトは手にジョッキを持ち
「乾杯しましょう」
と笑う。
「では、依頼達成を祝して、乾杯!」
「「「「「乾杯」」」」」
「いやー今回は絶好調だったな」
とコンバ。
すると、もう顔が赤くなってきたエイリアが
「本当!明後日の買取が楽しみだわ。金貨百枚以上って言ってたわよね。
一人当たり数十枚の金貨!これで数カ月は豪遊できるわ!」
すると、ジョッキを一気飲みしたハリスが
「数か月どころじゃないぞ。まだ鹿も猪もあるんだ。明日にでもギルドに持っていこう」
と気勢を上げる。
それを聞いてロイドが声を落とした。
「それはダメだ。運が良ければ狩れない量ではないが、普通そんなに獲物を持ち運べない。
いくら秘密にしても、収納魔法がばれる」
一同、「はっ」として顔をしかめる。一瞬ナイトの顔が脳裏を過る。
「ではどうする?処理しないで時間がたてば獲物がダメになってしまうぞ」
ロイドはこういう事態を想定していたのか、スラスラと提案する。
「まずは何処かで解体して、各部位に分ける。
火炎熊のような特殊個体ではないから何とかなるだろう」
「それで火炎熊から納品したのか!」
うんうんと皆が頷く。
「そしてさらに小分けした分を、食堂などに売って回る。
売り子をギルドに頼めないから、俺たちが売りに回る必要があるがな」
それまで黙って飲んでいたミーシャが、いきなり声を上げる。
「ナイト君はどうするんだろう?彼も私たちと同じ条件でしょ」
するとゼークトが
「いやいや、彼なら解体も保存も問題ないだろう」
さらにミーシャ
「でも、収納魔法は収納物の劣化は避けられないんでしょ?」
すると声を潜めてゼークトが話す。
暁のメンバーは、全員近寄って円陣を組むように座りなおした。
「そこで一つ、気が付いたことがあるんだ」
ゼークトがロイドに目配せすると、
今度はロイドが話し出す。
「昨夜、ゼークトと話していてある結論にたどり着いた。
俺たち目線では、、、
オークが迫って来ていたら、いきなり視界が変わって、
オークが消えた。
だが、一瞬で消えただけなら、収納に入れたのかと思っただろう。
しかし、地面が焦げて、戦闘痕が広がっていた。
ナイト君曰く、魔法との事だ。
つまり時間がおかしい。」
「時間って?」
ミーシャが突っ込む。
「俺たちが感じた一瞬のうちに、ナイト君の周りでは魔法を使う時間がたっていた。
つまり、我々とナイト君の間には魔法を使う時間、という時間差が存在する」
ミーシャがいきなり酒を一気飲みして
「わかんないよ!そんな難しい話」
と叫ぶ。
「何が言いたいのか解って来たぞ」
とハリス。
ロイドはナイトを見つめて、
「ナイト君の収納は、時間も止まるんじゃないか?」
と、爆弾を落とした。
「「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」」
「ばれましたか!」
苦笑しながら、頭をポリポリと書いてごまか・・・せなかった。
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
全員の驚愕の目がナイトに集中した。
「あの咄嗟の状況では、あれしか無かったんですよ。
皆さんと村人の命を救い、オークをやっつけ、村人に不信感を与えない。
ですから多くは聞かずに、単なる収納魔法という事で納得してください」
誰も何も言えなかった。時間をも操るのは神の領域。
皆はそのまま静かに部屋へと引き上げた。
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アイテムボックス
ある日の午後、
ナイトは部屋でアイテムボックスの実験をしていた。
先ず、距離。
どれだけ近づけば収納できるのか?
ためしに1冊の本を、部屋の隅に置いて収納してみた。
10メートルぐらいは楽に収納できる。
次に部屋の窓から庭の隅にある石を収納。
20メートルでも行ける。
次々に収納して、収納距離を測っていくと、ある時収納できなくなった。
約50メートル。
という事は視界にはっきり映る物なら、意識下に置いて収納できる。
遠方で、見えてはいるが景色の一部になってしまう物は、収納できない。
次に収納できる物の大きさだ。
屋敷の馬車を収納する。
問題ない。
屋敷の裏に建っている物置を収納する。
これも問題無く収納された。
では、と、外に出て屋敷を収納してみる。
なんと屋敷が消えた。慌てて元に戻す。
150メートル以内の物なら、収納できる様だ。
収納する対象が大きくなるにつれ、
精神的負担が大きくなるので、凡その収納限界が感覚的に解るようになった。
収納したものは時間停止するので、生き物も入る。
しかも収納できるのは一つだけではない・・・まさに万能収納能力だ。
これ以上は怖くなって実験をやめた。
最後に疑問に思ったのは、自分を収納したらどうなるのか?だが、
・・・・・試す気にならなかった。
多分、出す人が居ないので、
ボックス自体が自然破損するまで、
時間停止状態で収納されているのだろう。
空間が破損するまでって・・・・・(汗)
「ばれましたか!」
苦笑しながら、頭をポリポリと書いてごまか・・・せなかった。
どうなるのでしょう。