表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法の約束  作者: なが
32/40

32.婚約式と魔王

魔王と交配の約束をしたナイト


最早、人間の範疇から外れていく


どうなるナイト

魔法の約束32


婚約式と魔王


良く晴れた日のもとを、王城へ向かう馬車の中でナイトは苦悩していた。隣には魔王ルシファーが座り、腕に抱き付いている。見た目は中学生カップルの様に見えるが、その周りには近習が並んで固まっていた。


本日のナイトの仕事は、ルシファーの紹介と事情説明、加えて女王達の承諾である。婚約前に魔王を(つがい)に迎えてしまった事など、もはや人間の範疇から外れつつあった。


「ナイト、何処へ行くの?こんなものに乗らなくても、空を飛んで行った方が早いと思うけど?」

「いやいや、人間界で暮らすには、人間に歩調を合わせないとね・・・」

昨夜、ナイトは魔王ルシファーを鑑定してみた。



ルシファー 女性 魔王


生命力 ∞


戦闘力 455000


防御力 350000


知力   1000


魔力  ∞


魔王の場合、生命力は魔力に依存しており、数値化できない。

その体は魔力で構成されており、一般の生物と一線を画した。


「ルシ、君は何歳なの?どうやって生まれたの?」

鑑定できない事は、本人に聞くしかない。


「我の年齢はわからないわ。気が付いたら存在していたもの。身体は魔力に依存しているけど、基本的に人間と同じだと思うわ。食欲もあるし、性欲もある・・・身体維持と子孫継続能力ね」

強大な魔力を宿した人間で、身体の構成などを魔力で変えられる様であった。それらの事から、通常の人間がいきなり魔力を宿したと考えられる。その影響で、過去の人格や記憶は失われているようだった。


「魔人も同じなの?」

「そうね、魔力に特化した一族だね。でも、魔力が高いから人間の様な生活圏は必要としない生き物・・・かなぁ」


本人もよくわかっていない様だったが、強者に従う原則は持っているようだった。




城の貴賓室に案内されたナイトは、陛下に面会を求めた。今回は陛下の私室にあるリビングに案内される。


「どうしたのだ、ナイト卿。内密で緊急な話など・・・」

国王は少し焦っていた。ナイトがこの様な要望をする事が今まで無かったからである。もしかして婚約に意義が・・・と、心配する国王だった。

「お人払いを・・・」

「ウム、もうすぐ親子になるのだから構わんよ」

二人きりで向かい合う。


「実は、魔王はまだ生きておりまして・・・」

「討伐したのではないのか?」

「討伐はしたのですが、私の部屋に居るのです」

「それはどういう事だ?」

「彼女は今や戦意もなくなって、大人しいです」

「しかし、今は良いとしても、我が国はこれから大丈夫なのか?」

「それも、大丈夫です・・・問題は他に有りまして・・・」


「他に問題?魔王が生きていること以上に重要な問題があるのか?」

「はい、陛下と姫様に対してですが・・・」

「はっきりと申してみよ!まさか、魔王が居るから婚約は出来ないと?・・・」

「私の方は婚約に異存は無いのですが・・・そちらに問題が生じました」


「何だ?何を言っているのか判らん!もっと解るように話せ」

「魔王については討伐しても、眷属が世界中に散っています。それらが組織だって暴れだすと手が付けられません。その辺りの交渉をしようとしたのですが・・・」

「交渉決裂なのか?」

「停戦とその後の事に関する交渉はうまくいったのですが・・・」

「では、問題無いではないか!どこが問題なのだ?」

ナイトは頭を下げて最後のセリフを告げた。


「魔王の希望が、私と交配して子を作る事なんです」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



国王は固まった。そして考えた。もしかして娘は魔王と親戚になって仕舞うのか?そして自分も・・・


「陛下と姫様、そして貴族の皆様が承諾していただければ良いのですが、魔王の方は動かせない案件かと思います」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


国王は言葉が無かった。あまりにも常軌を逸していた。しかし、人間界の(ことわり)を魔王に押し付けるわけにもいかない。そして、ここで妥協しなければ、国が亡ぶと理解した。


十数分の静寂の時が流れる。


「・・・分かった。承諾しよう。臣下たちにも伝えよう。私と姫が承諾すれば、皆、異議はなかろう」

「有難う御座います。助かりました。もし否定されたらこの国を去らねばなりませんでした。私はこの国を愛し、必要としております」

そこまで言ったナイトは、更に言い難そうに

「・・・そしてまた・・・この流れで・・・全魔族を従える事になりました」



「・・・・・・・と、とんでもナイト・・・・・・」


陛下は一言、呟いた。





貴賓室にて、宰相と姫。ナイトとその近習で話し合いが持たれた。

「この度は御婚約、おめでとうございます」宰相が祝いを口にする。

「有難う御座います。婚約に当たり、私の近習が一人増えましたのでご紹介します。すでにお聞きの事と思いますが、魔王ルシファーです。


ナイトよりいくつか年上の少女が挨拶する。どう見ても、普通の女の子に見える。

「ルシファーです。よろしく頼みます。ナイトの準備が出来ましたら交配する予定です」

ニッコリ笑って言ったセリフは、人間の物では無かった。その場に居合わせた全員が顔を引き攣らせて頷いた。


「それで、これから何処で生活されるのですか?」

王女が顔を引き攣らせながら質問する。

「我はナイトの交配相手であるから、むろんナイトと生活する。そして、子が出来たら魔国に帰る。その後ナイトは、人間たちと共に過ごせば良いだろう」

「この国に留まる意思は無いと?」

「人間と魔族は生き方が違う。人間風に言えば、我々は一人が一国である。集団で生活はしない」


ナイトが説明する。

「ルシファーは交配が終わったら自由に過ごすでしょう。家を建てて住む我々と違い、彼女の居る所が家なのです。うまく言えませんが、その辺りは獣人たちに近いでしょう」


「では婚約発表が終わりましたら、ナイト卿はどちらで過ごされるのですか?」

「今までと変わりません。学院に通いながら近習としての彼女と過ごします。姫様達には不快でしょうが、よろしくお願いします」


これで、事前の話は終わった。これから婚約発表である。




城の謁見の間では、ナイト=アルガーシスとダイアナ=サースデンが並び、貴族たちの見守る中、婚約が宣言された。他国からの招待客も多数参加しており、国内外に向けて婚約が発せられた。

その後のパーティでは多くの貴族に囲まれて、疲れ切ったナイトは部屋で倒れ伏した。



「もう、二度とこんな事はご免だね。こんなに疲れたことはないよ」

「でも・・・モンス皇国のティアナ=モンス姫との婚約発表が残ってます」




ルシエルに非情な現実を告げられ、固まってしまったナイトだった。





婚約発表から1ヶ月後、ナイトは冒険者ギルドに来ていた。隣には何と、テイアナ皇女が杖とローブに身を包んで寄り添っている。過日、ナイトはテイアナに魔王との事を話し、彼女の希望を聞いた。するとテイアナは躊躇いがちに


「私は冒険者になってナイト様と色んな冒険がしたいです」、、、と。

「それは貴女が思っている以上に危険な事ですよ。でも、テイアナの気持ちも解るから、一度やってみようか、、、」

その条件として、近習も参加させるとした結果、有り得ないパーティが出来上がった。


パーティ名「フリー」


メンバーは前衛ルシエルとナーガ、中衛ナイトとルシファー、後衛テイアナとニッカ。

その実態は、人類最強の魔法使い、竜、ナイト、魔王、皇女に加えてケルピーという、有り得ないパーティであった。


軍隊でも討伐不可能なオーガキングを一撃で倒せるルシエル。外見10歳の女の子の竜ナーガそして魔王ルシファーに加えてケルピーが変体したニッカ・・・それぞれが、国を滅ぼせる力を備える。



加えてナイトは懐かしの冒険者「暁」にガイドを依頼した。パーティの良識として・・・


「ナイト君、久しぶり!指名依頼有難う」

真実を知らない仏パーティが笑顔で合流する。


「お久しぶりです。今回は新規結成のパーティのガイドをお願いします」

「フリー」のメンバは外見、12、14歳の子供二人に10代後半の少女一人、20代の女性二人、猫付きであるが・・・パーティランクは「S」と、理不尽さ極まる。


王都ギルドマスター、エリック=ドーランは彼らを見て固まっていた。パーティをSランク登録する為、事前にナイトからメンバーの紹介を受けており、一つ対応を誤まればこの国が滅ぶ事を理解し、更に国王から「お願い」も、されていた。


「逆らわないでくれ」と念を押されて・・・


「ギルマス、どうかしました?」

と、ロイドから声を掛けられ、やっと帰ってきたエリック。


「今回は何か希望はあるかな?」

「一般に出ていない、指名依頼予定の依頼を見せて貰えますか?」

「それなら、火の国、オストロから火山の調査依頼が出ている。噴火口に火竜が居るそうなんだ。危機管理の調査をして欲しい」

「・・・それはSランク指名依頼ですよね。Sランクでも命懸けの依頼、普通無理でしょ!」

暁のリーダーロイドが、早速良識を発揮した。


「その依頼、お受けします」

ナイトの返事に固まる暁メンバー

「では、依頼を承認する。報酬は金貨2万枚だ」


「・・・・・・・・・・・・」


「オストロ国の国防案件だ。妥当な金額だと思う。そしてもし、火竜を討伐すれば、その10倍が払われる」


「金貨20万枚!!!」


「結構です。竜の素材は貰っても?」

「勿論だ。脅威を解決すれば、オストロ国から更に褒賞が出ると聞いている」

「良いですね。では行ってきます」


ナイトは暁を含めてアルガーシス港に転移した。港に隣接した宿に入る一行。


「おーいナイト君!此処は何処だ?なんか見た事のある建物だが?」

受付の女将がニッコリ笑って出迎える。

「いらっしゃい、ロイドさん、久し振りですね。いつ王都から帰られたの?」

「・・・・・・・・・」

「目を剥いちゃって、そんなに私に会いたかったのかい!今回は何名さん?子供(づれ)さんの護衛かい?」

「いや、どちらかと言うとされる方だが、、、て、福港の女将さんかい?」

「そうだよ!他の何に見えるんだい!」

「じゃあ此処は宿、福港なんだ」

「大丈夫かい?今度はオバケでも見たような顔して」

「・・・・・・・・・」

その場に座り込んでしまうロイド。代わりにミーシャが対応する。

「久し振り、私達はいつも通り、加えて5人だよ」


すると後ろのナイトを認めた女将は、いきなり深々とお辞儀する。

「いらっしゃいませナイト様。こんな宿にお泊まり頂くなんて光栄です。精一杯おもてなしさせて頂きます」


「宜しくね、でも僕が宿泊している事は内密に願います」

と、ほっぺたを掻きながら挨拶した。一行は部屋に案内される。

「収納はまだしも転移?・・・目が点いになるわ!」

「マトモじゃ無いと思ってたけど、相変わらず尋常じゃないな、ナイト君は」

「俺はもう慣れた」とコンバ

「秘蜜の魔法契約をしている冒険者・・・が、俺たちが選ばれた理由だろ」ゼークトが結論的に解説する。



纏りの良い「暁」は納得した。




火の国オストロで火龍と対峙する事になった「フリー」



又もや、とんでもナイトが炸裂する

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ