四回忌
清々しい朝に
清酒を飲む四回忌
私が二十歳になった日
親父の好きな清酒で乾杯をした
普段は口下手だけど
お酒を飲むと饒舌になる癖
相変わらずだね
思い出話から始まり
最近あった出来事まで
たくさん話した
これでもかと思う程
たくさん話した
今 振り返ってみると
大切な存在だったことに気づく
恥ずかしくて言えなかった感謝の言葉に
後悔する日が来るなんてね
もう四回忌か……
親父の大好きだった清酒
今年で生産中止だってさ
こうやって大切な物は
記憶の中だけになってしまうんだね
暫く待っててよ
私もそっちに行ったら
思い出の清酒で乾杯しよう
積もる話もあるからさ
あの日みたいに