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禁忌の森と収納鞘


「魔剣学院へ!一緒に参りましょうといいましたが‥‥‥はぁ!はぁ!まずはこの禁忌の森を抜けなければいけませんね。」


「‥‥‥エドワード君。大量無さすぎるんじゃ無いの?」


私がそう言うと。


「いえいえ、姫君。もう、丸2日間。歩きっぱなしなんですよ。それでも全く疲れていない姫君が、ただのトロールに過ぎなくてですね。」


ゴチ~ンと私は持っている剣の鞘で彼の頭を軽く小突いた。


「誰がトロールよ!まったく、疲れているならもっと早く言ってよ。そうじゃないと貴方と私の体力の違いもも分からないじゃない。」


「め、めんぼく、ありません。」


エドワード君はそう言うと近くの枯れ木に横たわった。


「しかし、姫君。禁忌の森のしかも際奥まで、よく来る気になりましたね。普通、命が幾つあっても足りませんよ。」


「わ、私だって、無意識に歩き回ってて、ここが何処すら分からなかったんだもん。呪いのせいだもん。」


私は珍しく。語尾にもんを着けて女の子らしくしてみた。


するとエドワード君は


「ふん。」


私を見て鼻で笑ったのだった。


な、何それ?私が可愛いらしく語尾に『もん』をつけたのに今、鼻で笑ったの?

こ、この男~!!


「しかし、この禁忌の森も後、2、3日で抜けられますよ‥‥‥‥おや?」


エドワード君は私が持っていた剣の鞘をジーッと観察している。


「ど、どうしたのよ?剣の鞘なんかジーッと見ちゃって?」


「姫君。その鞘、もしや格納魔法が施されていませんか?」


「格納魔法?何それ。」


「僕がいつも使っているアイテムボックスの上位番ですね。姫君、その鞘の真ん中の飾りを押して見てください。」


?いきなり何なのかな?


「わ、分かったわ。ポチっとな!」


その瞬間。剣の鞘が光出し、その光の中から500年間倒して来たモンスターの素材や宝石なんかが雪崩の様に溢れてきた。


「お、おぼ、溺れちゃう。」


「やはり、僕の読みは正しかったですね。ですが、困りました。このままでは二人して素材の海に沈みます。」


「そんなのいや~、私はお父様との約束で生きるって誓ったばかりなのよ。」


「ひ、姫君。も、もう一度。鞘の飾りを押して下さい。そうすれば、この素材の海も鞘の中に戻る事でしょう。」

「わ、分かった。や、やってみるわ~!ごぼごぼ。」


ぼちっとなあ


その瞬間、素材の海が光。その全てが鞘の中へと収まった。


「し、死ぬかと思ったわ。」


「僕もです。ですが、さすがカンナギ王家の伝説の武器。まさかこれ程の物量を閉まっておけるとはビックリしました。」


「そ、そうなの?」


「はい。それにさっきは一瞬でしか見えなかったですがヒュドラの宝玉や精霊王の霊核が見えました。姫君が500年もの間。狩り続けた伝説級のモンスターの素材までその当時のままの状態であるとは驚きです。」


エドワード君はそう言ってまじまじと私の剣の鞘を見ていた。


「な、何よ?私の剣の鞘をまじまじと見て?あげないからね。これはお母様とお父様との大切な思い出の品なんだから。」


「いえ、別にそう言うことでは、それよりもご両親との大切な品とは。」


「私、昔、‥‥‥500年前に勇者に選ばれたでしょ?当時、5歳で、か弱いかったのに。」


「‥‥‥‥か弱い?」


私はエドワード君の腹を小突。


「な、何か文句あるのかしら?」


「い、いえ、文献によりますと。姫君は3才にして一般兵士をなぎ倒し。4才にして木剣で訓練用の丸太を切断し。5才にして王国軍の遠征に加わり。100人近い負傷者を救ったとありますが。」


「‥‥‥‥‥その文献には嘘があるわ。」


「それは何処でしょうか?」


エドワード君はアイテムボックスから何やら本を取り出した。その本の題名が『救国の英雄列伝「カンナギ編」』と書かれている。


「ねぇ、何その本?」


「カンナギの歴代の偉人、変人の歴史が書かれた本です。姫君もちゃんと載ってますよ。偉人の方で」


「何で私が、変人で載らないといけないのかな?全く、ちょっと見せて。」 


私はエドワード君の手元まで顔を近づけ、何が書かれているか読むことにした。



『その姫は英雄なり。我らの祖国を守り。歴代の勇者の中でも頂点に君臨する者。それがカンナギ・レイカその人である。』



「凄い持ち上げられてる気がする。私、そんなに凄くないし!か弱いし!ねぇ?そうよね!」


「‥‥‥‥そうですね(笑)」


「なによ?!その小馬鹿にした。微笑の笑いは!」


「いえ、別に‥‥‥‥まぁ、何はともあれ。姫君!先ずは魔法学院へ参りましょう!いざ、『アルベルト』へ!出発!!」


「ちょ、ちょっと!待ちなさい!置いてかないでよー!!」


エドワード君は、そう言うと駆け出したのだった。


ていうか、足早!









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