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アルケミス学園長

『学園長室』

カチッ!コチッ!カチッ!コチッ!


学園長室の時計の針だけが静かに鳴り響いている。


「それで?アルファ教室の爆発事件の犯人は、この4人の中の誰なのですか?」


魔剣学園の学園長。アルケミス学園長が優しい声で聞いてくる。


「私が悪いんです~!詠唱を途中で止めちゃって~」


ソフィアが泣きながら自白し始めた。


「そうですな。ソフィア嬢がいけませぬ。これで問題は解決‥‥‥‥」


「エドワード君が教室の窓ガラスいきなり飛び込んで来て。ソフィアさんに話しかけてたラルト君の頭に足をぶつけたのが全ての原因です。学園長」


「ちょっと?!神楽さん。なんで本当の事を伝えるんです?」


慌て出すエドワード君。


「エドワード!本当なのですか?というかお久しぶりですね?バカ息子」


ん?この人、今、エドワード君の事。バカ息子とか言わなかった?


「いやー!どうですかな?何せ教室は混乱しておりましたし。ねぇ?レイカさん」


「いいえ、彼が全ての原因です。ソフィアさんは巻き込まれただけの被害者です」


「‥‥‥‥ですって。エドワード!何か弁明でもあるかしら?」


「いやー!そのお久しぶりですなー!母上様。ハハハ‥‥‥‥」


エドワード君はそう言いながら顔をひきつらせる。


「数ヶ月前の突然の失踪に始まり。九光聖は辞めるは、神ノ使徒の資格は『七剣神』に勝手に返還するわ。今度はアルファ教室で同級生に対する暴力と爆発事件ですか?えぇ?!エドワード!!」


「は、母上様!‥‥‥い、いえ!母上。これには海よりも深い理由がありましてな。ハハハ‥‥‥」


「そうですか。では、今日は久しぶりに私と一緒にユグドラ家へ来なさい。貴方のお父様と兄妹達で家族会議を開きますから」


「いいや、それは困りますな‥‥‥」


「今なんて言いました?エドワード?!」


滅茶苦茶怖い顔で怒るあるアルケミス学園長。


「‥‥‥いえ!行きます。行きますともお母‥‥‥‥アルケミス学園長様」


エドワード君は焦りながらそう答えた。


「そうですか。では、エドワード以外の3人はもう教室に戻って下さい」


「えっ?でも、教室は爆発して使えないんじゃあ?」


私が学園長にそう聞くと。


「大丈夫ですよ。学園の先生達が復元の魔法で教室内を綺麗に直し終わって元の状態に戻っている筈ですから」


「そ、そうなんですか?それは凄い」


「えぇ、この学園にはアルトネ大陸中から優秀な教師が集められていますから。突然のトラブルや復旧作業等は慣れているのです」


「(それだけ、この学園ではトラブルが日常茶飯事なんですよ。レイカさん)」


神楽がボソリと私の耳元で(ささや)き教えてくれた。


「そ、そうなの?あ!すみません。ラルト君の事はどう謝れば‥‥‥」


「彼ですか?彼なら今頃、保健室でマタハリ保険医に記憶を改竄(かいざん)されて今日、起こった事は全て忘れる予定なので心配しないで下さい」


はっ?記憶を改竄?何、いってんのこの人?!


「では、私達3人はこれにて失礼します。学園長」


いやいや、失礼します。じゃあ、ないでしょう。神楽ーー!


「はい!神楽もお疲れ様でした。いつもありがとう」


アルケミス学園長は(にこ)やかに神楽に笑いかける。いやいや、賑やかに笑いかけないでよ!改竄?改竄って何?ラルク君はどうなっちゃったのよーー!気になるー!


私は心の中でこの一連の流れにずっとツッコミを入れたのだった。


「は、はい!学園長。失礼します」


キイィィ!パタリ!

学園長室の扉が閉まると同時に。


「このバカ息子!!昔っから貴方という子は!!!」


「落ち着いて下さい!母上!僕の話を聞くのですーー!!」


そんな親子のやり取りが始まっていた。


『学園長室』を出た廊下。


「ビックリしたーー!アルケミス学園長がエドワード君のお母さんだったなんて!」


「アルケミス・ユグドラ様です。‥‥‥アルトネ大陸の独自の魔法体系を確率した方で。現代魔法学の第一任者です。幼き日は冒険者として名を馳せ。あの誰も足を踏み入れられないと言われている『暗黒大陸』から戻って来た。数少ない生き証人とも言われています」


教室に戻っている間に神楽がアルケミス学園長の事を私とソフィアに説明してくれたのだった。

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