第九十七話 ハッピーバースデー(7/9)
【2020帝都オリンピック】チームエンパイア総合スレ7
28 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
【悲報】ちょうちょ、ついに今日ノーヒット
29 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
>>28
一応散歩とヌッスはしてるから(震え声)
30 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
>>28
いやちょうちょはまだマシやん
問題は3試合全部ノーヒットの4番やろ
31 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
>>30
まぁリコへの忖度ちゃう?
杏那だけは全試合ようやっとるけど
他はリプだけで固めてもいけるやろ
32 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
地味に猪戸も今日ノーヒットやしなぁ……
初参加野手で一番やれてるのは十握か
33 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
帝国代表最年少さんのここまでの成績wwwww
3試合 15打席
打率.182 (11-2) 0本塁打 0打点
出塁率.357 長打率.182 OPS.539
BB/K3.000 (3-1) 0死球 1犠打 0併殺
盗塁1.000 (3-3) 二塁打0 三塁打0
ちなみに全試合で1番サード固定
34 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
>>33
ぐう微妙
35 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
>>33
併殺0ってだけでも十分奇跡みたいなもんや
ちなバニキ
36 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
>>33
一応塁に出てるし走ってるし守備もええけど
サードに求めるものかと言われればうーん
37 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
結果としてアメちゃんにも勝てたけど
またギリギリ1点差の勝利やしなぁ
普通に草薙とか出したらええやん
38 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
ちょうちょが偉い人に抱かれて
ゴリ押しされてるのかと思うと
ち■こから涙がで、出ますよ……
39 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
>>38
ちょうちょの初めては俺のものやから(憤怒)
40 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
>>38
じゃあ猪戸も偉い人に抱かれてる可能性が……?
41 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
>>40
あのさぁ……
42 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
>>40
猪戸は柔らかな毛に覆われた動物ではないのよ
43 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
>>42
いやめっちゃボリューミーな赤毛してるやん
ちなノンケ
44 : 風吹けばちょうちょ [] :2020/07/31 (金)
まぁ流石に明後日はメンバー替えるんちゃう?
次勝てばメダルは確定やし
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******視点:月出里逢******
7月31日。今日も延長タイブレークまで持ち込まれはしたけど、何とかアメリカに勝利。帝国代表はベスト4が確定。今夜はお店を貸し切って、メンバー全員で祝勝会。
「えー、それでは……明後日の韓国戦での勝利と、帝国の金メダル獲得を願って……乾杯ッ!!!」
瓶からほんの少しだけビールを注いだ小さなグラス。神結さんの音頭で掲げて、改めて近くの人達ともグラスを重ねて、空気を読んで一口だけ含む。やっぱり美味しくない。
「いやぁ久保さん、さすがっすね!いよっ、"主砲"!」
「お、おう……」
今日のサヨナラ打を打ったのは、途中からマスクを被った久保さん。この3試合ずっと9番辺りだけど、普通にあたしよりも打ってる。
そんな久保さんを明るく持ち上げてるのはメスゴリラ師匠。いつも通りのテンション……ではあるけど、無理してるのは多分久保さんも理解してる。この3試合、ずっとノーヒットだからね……
「今日もギリギリだったなぁ」
「仕方ないだろ。相手だって必死なんだし」
「それでももうちょっと確実に勝てる方法を模索するのが反省じゃね?」
あたしを責めてるのか責めてないのか絶妙に判断できない会話が漏れ聞こえてくる。
祝勝会が始まる前に見たスレもそういう反応だった。実績なしでも1番サードに固定してもらってるのに、情けない結果。しまいにはあたしが身体を安売りしたって勘繰りまでされる始末。
美味しくないとわかりきってたビールのグラスをすぐにテーブルに置いて、料理に手をつける。これさえも美味しく味わえない。
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遅い時間だったから、食べる量も控えめにホテルに戻った。シャワーを浴びて歯を磨いて、寝巻き姿でベッドに寝そべる。
薄明かりを眺めながら、今日の試合を振り返る。
打球の方向がついてなかったのもあったけど、あたし自身、やっぱり緊張もあった。猪戸くんに負けたくないとか、変な枕疑惑を払拭してやるとか、そんな気持ちで誤魔化してこれたけど、勝ち上がっていくたびにどんどん負けが許されなくなってきて、スイングに変な力みがあったのは間違いない。一昨年に初めてプロの舞台で九十九くんと勝負した時みたいな感じ。
正直、変に勘繰られるくらいなら、いっそベンチ要員に徹したいって気持ちもある。あの緊張感から逃れたいって気持ちもある。
だけど、今までこんな大きな舞台で戦ってこれなかった分を取り返したいって気持ちもある。普段勝負できないよその国の良い投手に勝ちたい。月出里逢を認めた三条菫子が正しいんだってことを実証してやりたい。そのためにも、残りの2戦もチャンスが欲しい。
だからって好みじゃないおっさんに誰が初めて捧げるかバーカ。そんなことになるくらいなら純に先に抱かれるわ。
……まぁ改めて考えると、あたしってついてない割には悪運が強いよね。去年の桜井鞠のアレみたいにヤバいとこまで追い詰められたことは結構あるけど、ギリギリのところで助けられたりで、何やかんやで『初めて』は守れてる。
「……んっ」
たった一口分のアルコールのはずなのに、身体が熱くて、守ってきたそこについ手が伸びてしまう。
男を信じられなくなるような思いを『散々したのに』なのか、『散々したから』なのかはわからないけど、こんな時こそ、好みの男に触れてもらいたいと考えてしまう。
プロ野球選手の遊びと言えば、『お酒』、『タバコ』、『麻雀とかのギャンブル』、それに『異性』。貧しくなったり身体を壊すくらいのめり込む人も珍しくないけど、あたしの場合は『異性』だけはどうにも我慢できそうもない。好みに適うのを手に入れちゃったしね。
それに、明日は……
「はわっ!?」
夢中になってたせいで、スマホの着信音に必要以上に驚いてしまう。確認してみると、CODEのメッセージ。
「……え?」
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