第八十九話 王者であれ(3/9)
【バニキ・バネキの集い】天王寺三条バニーズ総合スレ6【2020】
8: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
んほーっ!んほおぅううっす!んほーっ!んほうーっす!
くそー、こんな失点だらけで投手陣の体力がもつのかよ!
9: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
んほーっ!んほおぅううっす!んほーっ!んほうーっす!
20本以上、30本以下?今年の346の
本塁打はいくつになるかわかんねぇ
10: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
んほーっ!んほおぅううっす!んほーっ!んほうーっす!
バニ投手陣ゎ
10桁失点だから
モザイク入り
11: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
んほーっ!んほおぅううっす!んほーっ!んほうーっす!
バニさん弱いわあん
12: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
んほーっ!んほおぅううっす!んほーっ!んほうーっす!
バニさんずっと6位くらいに見えるのだが……
13: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
さすがに百々が3連敗は計算外やわ
14: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
>>13
毎年イニング食ってきたからな
へばるのはしゃーない
15: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
>>13
ローテ的にもエース対決になりやすいしなぁ……
16: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
ちょうちょの2打席連続スリーベースは
普通にすごいなぁと思いました(小並感)
17: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
>>16
なお得点効率
1本目→後続三者凡退
2本目→ツーアウトから
これで初回以外の得点は
346のソロムランだけとか草生えますよ
18: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
色々と噛み合ってないよなぁ
ちょうちょとかいう
アヘアヘ出塁マシーンがいるのに
得点効率が悪すぎる
19: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
まぁ今日みたいに真木相手に先発燃えたら
もうどうしようもないわ
ちょうちょと346が打ちまくっても
他が打たんと点稼げん
20: 風吹けばちょうちょ [] :2020/04/17 (金)
やっぱり長打が欲しいわね
金剛は今年割とようやっとるけど
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******視点:羽雁明朗[博多CODEヴァルチャーズ]******
「それじゃ、解散!お疲れさん!」
「「「「「ウィッス!」」」」」
10-3、予定通りの快勝。ミーティングを無意味に長引かせることもない。選手達を早々にホテルへ帰す。
これで今年の戦績は6の6の1。どうにか勝率を5割に戻せた。帝国一こそ3年連続を維持しているが、リーグ優勝の方は去年一昨年、ビリオンズの後塵を拝する結果に終わってしまった。
今年はそんなことなど許されようはずもない。そのためにも、去年くらいからアルバトロスがウチを徹底的にマークしているように、ウチも稼げるところで星を稼ぐ。若手の台頭こそ目立つが、まだ戦力が整っていないバニーズからな。
「監督、先ほどデータをお送りしました」
「おう、助かる」
データ解析班からの情報共有。俺も時間に余裕がある限りは他球団同士の試合も目を通すようにしているが、もちろん俺個人の野球中継視点からの情報だけでは探れることに限りがある。第三者からの別の視点からでも見えてくるものがある。
バニーズに関して言えば、特に代表的なのが去年の月出里逢対策のシフト。後々調べてみるとエペタムズより一歩遅れたようだが、それでも打球方向の傾向やら何やら、今時は容易に分析できるものなのだな。これも『HIVE』とやらの恩恵か。
そしてつい昨日共有された、月出里逢に対する『対策の対策の対策』。
……俺は選手の頃から勝ち続けてきた……というよりも、『誰よりも多く、勝つことを義務付けられてきた』と自負してる。
初めは黄金時代のビリオンズのいち投手から始まり、そして今は監督として球界随一の大戦力を預けられている。それゆえに『勝って当然』と誰よりも言われてきて、言われた通り当然にしてきた。勝つまでの過程、勝つ方法、そういったものを人並みより多く知ってきたと自負している。
そんな俺を誰にも否定させないためにも、去年一昨年の失態による誹りは甘んじて受け容れよう。だが、今年はそうはいかん。オーナーと会長からの今年の厳命は『王者であれ』。つまり、『優勝も帝国一も勝ち取らねばならない』。そのためには手段など選ばん。
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******視点:赤猫閑******
4月19日。今日はヴァルチャーズとのカード3戦目。そして今は試合前の練習。あたしは一塁のところで良いスタートを切るための調整。リードの歩幅確認とかね。
まぁ大方の予想通り、このカードはここまで2連敗で負け越しは確定。情けない話、今年は全体の勝ち負け以前に、まだカードでの勝ち越しすらできてない惨状。
思えばあたしが入団する前からずっとそう。百合花ちゃんは今年はあまり振るわないけどこのチームの打線でも2桁勝てるくらいの実力を持ってる。金剛くんはリーグでも数少ない、あの若王子姫子と本塁打王を争って勝ったことのあるスラッガー。伊達さんなんかも言うまでもなく。あたしも含めて、役者がいないわけじゃない。だけど毎年のように最下位が定位置。今勝負してるヴァルチャーズとはまるで正反対。
最近なんかも氷室くんとか火織ちゃん、そして逢ちゃんに十握くん辺りも結果を出してるけど、結局はあたし達と同じような道を歩むことになるのかしらね?個人成績だけはどうにか見栄え良くして、『何か巡り合わせが違えば優勝することもできた』と周りにそう思わせるだけの、アリバイ作りみたいなキャリアを。
「……ん?」
あたしの練習を、佳子ちゃんが見つめてた。
「あ、すみません!お邪魔、でしたか……?」
「いえ、別に……どうしたの?」
「あ、えっと……走り方を参考にさせてもらいたくて……」
「……そう。好きにしたら良いわ」
「あ、ありがとうございます!」
……都合の良い話よね。去年、逢ちゃんに野球教室を手伝ってもらった時に、『あたしみたいな子が出てきてほしいし、そのためにもあたしに教えられることは教えたい』みたいなことを考えて、その思いは変わってないつもり。本当は母親になってみたいけどなってはいけないと思う女としての、一種の捌け口みたいな本能が確かにある。
だけどやっぱり、あたしだっていち選手。逢ちゃんは外野と内野で立場が少し違うから素直にそう思えるけど、同じ外野、同じセンター候補のこの子にはね。
伊達さんも今年は左先発の時はあたしの代わりにこの子をスタメンに出したりしてるし、今日だってそう。あたし自身も身体のキレが年々落ちてる自覚はある。そんな危機感の中じゃ、あたしみたいな人間はそうそう聖人君子のように振る舞ったりできないわ。
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