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868回敬遠された月出里逢  作者: 夜半野椿
第一章 フィノム
40/1129

第八話 あたし、頑張るよ(5/5)

******視点:リリィ・オクスプリング******


「……うん、そう言うことで今度ジュースいっぱいそっちに送るから、受け取りよろしくね!」


 ジュース?何の話しとるんや?


「リリィちゃん!次いくよ次!」

「おう!」


 すっかり月が見つめる頃。明かりが灯った室内練習場でノックを受けてた。月出里(すだち)はスマホで誰かと通話しながら、ウチらの練習を見つめてた。


「そうなんだよ!来週、あたし多分スタメンで出れるんだよ!昨日は守備固めでちょろっとだったけど、今度は打って守って活躍するからね!」


 そういや、月出里があんなに無邪気に笑うとこは初めて見るな。別に無表情なわけやないけど、何と言うか、愛想とかも何か裏がありそうな感じがするって言うか……


「うん。ちょっと初日に危なかったんだけど、すごく良い先輩がいて止めてくれたんだよ。今も今日仲良くなった人のために、ノックを買って出てずっとやってるんだよ」


 くそっ、また逸らしてもうた……!


「だからあたし、お母さんとの約束、守り続けるから。……うん、あたし、頑張るよ。おやすみ、お父さん」

「リリィちゃん!打球が速い時は後ろに逸らさなかったらまず間に合うんだから、しっかり打球を身体で止める!!」

「す、すまん……もう1回頼む!」


 ウチも長時間ノックを受け続けて、そろそろ体力の限界が近い。だけどそんなんよりも、ずっと付き合わせてる火織(かおり)に申し訳ない。何か礼を考えとかんとな。


「火織さん。あたし、代わりますよ」


 電話を切った月出里が火織と代わった。

 火織は近くのベンチに座って水分補給をして、懐から禁煙パイポを取り出してキャップを外したけど、結局吸うことなくキャップをはめ直して懐に戻した。

 全く。泣き言なんて言ってられへんな。


 ・

 ・

 ・

 ・

 ・




******視点:柳道風(やなぎみちかぜ)******


 さぁ、いよいよ今日は楽しい楽しい喧嘩の日じゃな。


「監督。白組のメンバー表、アップロードされてますよ」

「おう。早速見てみるわ」


 便利な世の中になったもんじゃな。相手のメンバー表がすぐチェックできるし、過去のもんもカレンダーや検索ですぐに出せる。こう言う点でもあのオーナー様様じゃな。


「ほう、こうきたか……!」


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 ○白組


 [先発]

 1二 徳田火織(とくだかおり)[右左]

 2中 有川理世(ありかわりせ)[右左]

 3右 松村桐生(まつむらきりお)[左左]

 4一 天野千尋(あまのちひろ)[右右]

 5三 リリィ・オクスプリング[右両]

 6捕 冬島幸貴(ふゆしまこうき)[右右]

 7指 伊達郁雄(だていくお)[右右]

 8左 秋崎佳子(あきざきよしこ)[右右]

 9遊 月出里逢(すだちあい)[右右]


 投 氷室篤斗(ひむろあつと)[右右]


 [控え]

 雨田司記(あまたしき)[右右]

 山口恵人(やまぐちけいと)[左左]

 夏樹神楽(なつきかぐら)[左左]

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