第四十一話 答え合わせ(7/7)
バニーズ 4-2 ヴァルチャーズ
9回表 1アウト一塁
「バニーズ、選手の交代をお知らせします。ファーストランナー、イースターに代わりまして、■■。■■が代走でファーストベースに入ります。9番代走、■■。背番号■■」
審判に選手交代を告げた後、伊達の隣に座り直す。
「……やっぱり向こうは、リリーフの柴江くんとクローザーのホッパーが抜けた穴が大きいみたいですね」
「うむ。昨年優勝し、今シーズンも優勝候補筆頭だったはずのヴァルチャーズが、ビリオンズの後塵を拝し続けてる理由。それは何といっても『勝ちパターンの崩壊』に他ならんのう」
「開幕カードの辺りだけはいつも通りだったから、ちょっと損した気分ですね」
「春先にすぐに揃っていなくなったからのう。まぁ遅かれ早かれああなることは目に見えてたがの」
「まぁ常勝チームである以上、勝ちパターンは必然的に消耗しますよね」
「それももちろんあるが、羽雁が『勝ち慣れすぎてる』ことも良くなかったのう」
「……?」
「『確実に最低限の得点を稼ぎ、強固な投手層で逃げ切る』、確かに限りなく理想的な勝ち筋じゃ。『僅差を制するのが本当に強いチーム』、それもまた真理じゃ。じゃが、143試合全部律儀にそれを目指してるようじゃダメじゃ」
「……それもまた、向こうの打線の弊害ということですか」
「そういうことじゃ。『50cm先に転がしたヒットと、50m先に飛ばしたヒット。この両方が同じヒット1本として扱われることは』云々と先人は言ったが、それは勝ち方と負け方においても然り。大量リードで勝とうが、僅差で勝とうが、逆転して勝とうが、1勝は1勝。負け方もまた同じ……ではあるが、勝ち方と負け方によって投手の起用法というのは変わってくる」
「大量得点差なら先発をかなり自由に引っ張れるし、実績のない投手も試しやすい。けど、僅差で勝つのなら多くの場合、勝ちパターンに頼らざるを得ない……」
「うむ。『勝ち方を絞る』ということは、『投手層のいずれかに負担を集中させる』ことと同義。そして勝ち方が絞られると、負け方も絞られてくる。僅差で勝とうとすればリードの幅も小さくなり、逆に僅差で負けてる状況も生じやすい。そうなってくると、やはり『それなり』の格の投手が必要になってくる」
「いくら選手層に恵まれてると言っても、負担が特定の層に一極集中してしまえば流石に、ってとこですか……確かに今でもそれなりの投手が後ろで投げてますけど、去年までほどではないですし、その残った『それなり』の陣営を優勝争いやポストシーズンのために温存したくてルーキーの矢井場くんを今投げさせてるわけですからね」
「羽雁のやり方は負けが許されない短期決戦なら有効なんじゃがの。その点で言えば、今の12球団の監督で最も優れてるのはあやつじゃとワシも思う。実際にポストシーズンで結果も出しとるんじゃしな。じゃが、ペナントレースではそうもいかん。試合数が多い分、想定外の事態も起こりやすい以上、僅差の勝敗のみならず、圧勝や完敗も上手く乗りこなす必要がある。僅差の勝利を目指しすぎると、圧勝の目がその分減るということになる。『上手い勝ち方』のみならず、『上手い負け方』も必要ということじゃ。『143勝を目指して80勝する』のと、『90勝を目指して90勝する』のなら、後者の方が良いのは明白じゃろう?」
「『最強のチームには最強のクローザーが存在しうるが、最多セーブ王が存在するとは限らない』ってところですかね?」
「道理じゃな。僅差で勝てるのが強いチームの条件であったとしても、最終的に僅差になるかどうかというのはあくまでその試合の流れ次第であって、最初から目指すものではない、ということじゃな。もちろん、本当に実力のある先発同士で投げ合う日ならそういう手もあり得るが」
「羽雁さんは現役時代は大投手。それも、渡り歩いた球団をいくつも優勝してきた実績の持ち主なんですけどね」
「じゃが、あやつは幸か不幸か先発投手。チームが勝てる状況を作る専門家。10割勝てないのが野球だとしても、先発は自分の登板日だけは必勝を目指さねばならん。そういう役割ゆえ、勝ち試合を勝ちのままにしたり、負け試合を処理するようなことをあまり経験できなかった。そして勝負は基本的に勝ちか負けしかない。あやつは他人よりも勝ちを経験した分だけ、負けを経験することができなかった。ただそれだけの話じゃ。本当に能のない奴なら、そもそも勝ちすぎることすらもできんよ」
「逆に言えば、まだまだ伸び代がある、と……」
「できれば伸びる前にチームの戦力を整えて優勝しときたいものじゃ」
ワシ自身、タイムリミットが近いから余計にの。
「……大丈夫ですよ」
「?」
「たとえヴァルチャーズがもっと強くなったとしても、彼らならやってくれますよ」
「……!」
「もう僕がいなくてもここまでやれるようになったんですから」
「そうじゃの……」
『僕達なら』ではなく、『彼らなら』……か。お前もワシと同じなんじゃな。
「伊達よ」
「?」
「……いや、何でもない」
「?はぁ……」
やはり後を任せるなら、旋頭ではなく……
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【バニキ・バネキの集い】天王寺三条バニーズ総合スレ57【2018】
417 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
ばにほーっ!ばにほぅううっす!ばにほーっ!ばにほうーっす!
418 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
普通に勝てて草
これマジでAクラスもあるか?
419 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
かおりんがようやりすぎとる
パンダ覚醒
大卒ルーキー2人も良い感じ
天野もムラはあるけどチーム本塁打王
松村と有川も順調に育ってる
伊達復活
マジでここ数年で一番ポジれるシーズンだわ
419 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
個人的に一番びっくりしてるのはリリィやな
今の時代に打撃専をドラ3で獲ってどないすんねんと思ってたけど
大卒1年目でこれだけ打てるんなら十分やわ
420 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
>>419
しかも結構走れるからな
守備も多少はマシになってる
421 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
なんとなく冬島は低打率でたまに一発タイプやと思ってた
思った以上に長打打たないけど打率高くて選べてバントも上手い
脚だけはアレやけどジェネリック伊達にはなっとる
422 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
@の陰に隠れてるけど早乙女も地味にええわ
相変わらずスライダーはバレバレで外れまくりやけど
やっぱ左で150ポンポン出せるの強いわ
友枝まっすぐでねじ伏せるとかなかなかできんで
423 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
>>422
ドラフト順位考えたらいずれローテ入ってほしいけど
花城お姉様の代わりも必要やしな
案外このままリリーフの方がええのかもしれん
424 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
外野の層から言ってもクビ候補筆頭だと思ってたのに
相模が思いのほかようやっとる
桜井とか財前よりも先に一軍で活躍するとは思わんかった
赤猫と金剛の休み要員ギリギリ任せられるくらいには打つし
425 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
クビ候補と言ったらやっぱグレッグ今年までなんかな?
426 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
>>425
35で二軍でも微妙らしいからな
イースターも左相手だと露骨に打てんし守れんし
有川もサードショートだけは微妙やし
外野の層に対してサードがマジで薄い
427 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
>>426
というか内野が全体的に足りてない
有川おるし控えも守備だけは悪くないけど
万一相沢か徳田どっちか抜けたら打線が終わる
428 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
とりあえず先発さえ仕事してくれればヴァルチャーズ相手でも
真っ向勝負できるくらいにはなれたのがただただ嬉しい
429 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
>>428
そのまともな先発ももうちょいほしいとこやな
安心できるのは百々と三波と氷室くらいしかおらん
430 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
>>429
水面ちゃんとパンダは完投もあんまりできんからな
いずれ今のヴァルチャーズのリリーフ不足が笑えんことになるかもしれん
431 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
気が早いかもしれんけど雨田か常光か山口あたりが
来年くらいには出てほしいわね
432 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
>>431
恵人きゅんとかまだまだやろ
まぁ現実的に考えたら出てくるとしたら常光ちゃうか
433 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
ワイ菫子ちゃんに釣られたにわかバニキ
バニーズってそんなに酷かったんか?
最近しか知らんから何で4位くらいでここまで盛り上がってるのかと
434 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
>>433
伊達の三割でキャッキャしてた時代を知らんのか(呆れ)
435 : 風吹けばちょうちょ [] :2018/09/07 (金)
二軍もちょうちょとかおっぱいちゃんとか巫女ちゃんとかもおるし
数年後には優勝争いできるようになりたいわね




