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転生

作者: デミ

少しだけホラー?ミステリー?


ジャンルわけが難しいです。

おかしい。。。


もっと、、、もっとなにかあるはずだ。


俺はいままで数えきれないほど、転生(?というか前世の記憶があるといえばいいのか??)してきた。


それはこの世界だけでなく、色々な世界で。


あるときは戦乱の王国を平和に導いた賢王として、


あるときは魔王を倒す勇者、


またあるときは世界の危機を救う賢者として。


正直何度も何度もあったから、全て思い出せるかと言われたら自信がない。


ただ、いつでも主人公だった。

それだけは間違いない。

どの世界で産まれても、俺が主人公だったんだ。


前世の記憶というか転生する前のことを思い出すのはいつも違った。

産まれたときから覚えてるときもあれば、5歳のときに急にとか世界の危機を感じたらとか色々なバージョンがあった。


だから今回思い出したのが、48になるときでもまぁしょうがない。こればっかりは選べる訳じゃないからな。


ただおかしいんだ。

今回の世界で俺はどこにでもいる、サラリーマン。

この世界には魔法も剣も魔王もない。


今までは前世の記憶を頼りにどんどん成長した。

剣の達人であったときもあるから、勇者になるときもそれほど苦労しなかったし、賢者としての知識もあった。

魔力もある人生のときは魔法使いとしてもかなり有名になった。

いわゆるチート?とかいうものはなかったのかもしれないが、転生前に努力した記憶が残っていたから、効率的に修行もできた。


しかし今回思い出したのも48にもなるときで、もう仕事も物流会社の倉庫番と決まってる。


剣の達人としての記憶はあれど、身体は中年。

しかもこの人生では、運動神経に期待はできないみたいだ。


魔法もない、魔力ももちろんないから魔術師としての知識もなんの役にもたたない。


モンスターの知識?そもそもモンスターがいない。


おかしい。。。


主人公どころか脇役にすらなれない。


なんだ、この人生は。なぜこの人生に転生したんだ、俺は。


朝起きて、倉庫番の仕事をして、帰りにコンビニでつまみとビールを買って帰宅する。

休みの日には昼まで寝て、テレビを見ながら酒をのみ1日がおわる。


この人生に俺の転生の記憶の何が必要なのかもわからない。

なんならいっそ転生の記憶を思い出さなきゃよかった。


思い出す前はこの人生になんの疑問も覚えなかったんだ。


なんでだ?


なんで

なんで

なんで

なんで

なんで


なんで



そうして、俺は倉庫の屋上から飛び降りた。

そのときに思い出した。


今回生まれ変わる前に望んだこと


「どうか、次の人生は何事もなく、転生の記憶もつかわない普通の人生を歩みますように」

短編です。


初投稿になります。

一応、死ぬ表現がありますのでR15にしました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 波瀾万丈の人生に飽きたのか疲れたのかは知らないが、平凡な人生を願ってそれが叶ったのに、 今度はそれに不満を抱くという飽くなき欲望を描いた、オカルト系よりも人怖系のホラーだと思います。
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