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私のテストですわ!


「しかし、いいんですか?あんなこと言っちゃって」


リグと『ザクロ』はレルゥが戦おうとしているのを観察していた。既に闘技場の周りには観客が集まっており、かなりにぎわっている状況、そんな中ザクロはリグに向かってこんな事を聞いていた。


「まぁ流石に全員は倒せまい。何せ他の誰かが誰かを倒したらその時点で終了だからね」


「はぁ……言っちゃ悪いんですけど、実際にあいつの蹴りを食らって理解したんですけど。……ありゃ、昔リグさんが戦ったって言う勇者の子孫どころじゃないですよ」


ザクロはあのお嬢がどれほど強いか理解していた。そりゃそうだ、先ほど自分が張った盾ごと校舎まで破壊されたのであるから。故にリグが無理難題だと言っていることくらい平気でやるだろうと思っていた。そこに関してはリグもそう思っていたようで。


「そうだね」


と、リグは言い。試合が始まると同時に凄まじい音が響き渡る。地面を蹴る音だ。それが数十回、闘技場の中で響き渡り、そして静かになった時にはレルゥの手には気絶した全ての受験生が握られていた。


「知ってるさ。だから気になったんだよ」


そしてリグはその光景をまるで予定調和であるかのような目で見ていた。その目にはどことなく興味と憐憫と憎悪が含まれているようであった。とまぁそんな訳でレルゥは無事入学する事が出来たのである。


「さて、それじゃあキミを正式にこの学校の生徒として認めよう。とやかく言う気はないよ、流石にアレだけの事を見せられちゃぁね」


「よかったですわ……」


その一言に胸をなでおろすレルゥ。そしてそんな二人の会話にザクロが入ってくる。もちろん今回ボコボコにされた受験者達の処遇である。流石にこれで倒されて入学できませんじゃたまったものではないだろう。もちろんリグもそのくらいは考えていたのか、


「その前にリグさん、今回倒された奴らはどうするんです?」


「流石にこれで入学試験から落ちたら可哀そうだからねぇ……全員合格でいいんじゃない?」


と、だいぶ適当そうな感じでリグはそういった。どうやらレルゥ以外には興味が無いようだ。とまぁ色々とあったが無事、レルゥは入学する事が出来たのであった。今日から寮生活、ウキウキのレルゥは自分の部屋の鍵を手にすると早速部屋へ歩みを進める。


「そういえば同居人がいたはずですわ」


リグにそういわれていたことを思い出し、入る前に一度ノックをしてみることにしたレルゥ。しかし中からの反応がないので面倒なので入ってしまう事にした。その中は異常なほど暗かった。窓は締め切られ埃が舞い、そして中央あたりに何かがいるのが見えた。


「こんにちはですわ……って暗い!暗いですわ!なぜ窓を閉め切っているのですわ?」


「うわぁ人だぁ!入ってこないでぇ!」


レルゥが入ると、中には布団をかぶった変な奴が存在していた。どうやらここで引きこもっているらしい。しかしレルゥにとってそんなことはどうでもいいので、そのまま布団を引きはがすと窓を開け放つ。


「うるさいですわねぇ、文句があるなら起きて言いなさい!」


「うわぁ止めてぇ!」


布団をはぎ取られた彼女は、怯えたような目でレルゥを見るのであった。しかしその程度でレルゥがどうこうする訳もなく、そのままその彼女を部屋の外に投げ捨てると、部屋を掃除してやると息巻くのであった。


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